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2016.9.12 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年09月12日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

アメリカ発で市場が動揺?
きょうの日経平均株価の終値は前の週末に比べて292円安い、1万6,672円でした。大幅な下落を招いた背景は、アメリカの利上げへの警戒感が高まったことがあります。これまで利上げに慎重な立場をとっていたアメリカ・ボストン連銀のローゼングレン総裁が9日の講演で「雇用の伸びは強く、緩やかに金融政策を引き締めていくのが適切」と主張し、市場では近い時期の利上げが警戒されました。この発言を受けた9日のニューヨーク株式市場ではダウ平均株価が400ドル近く急落して2ヵ月ぶりの安値となり、きょうの東京市場でも株価の下落を招きました。同じく利上げには消極的とされるFRB=連邦準備制度理事会のブレイナード理事の講演に注目があつまります。





米政府 民間企業との連携を強化
--米国では政府と民間企業の連携を模索する動きが強まっています。ニューヨークから前中さんに伝えてもらいます。

《中継:米国ニューヨーク/ジェトロNY/前中康志氏》

先日、米政府は武田薬品に対してジカ熱のワクチン開発のため資金提供することを発表しました。今回の決定を行った保健福祉省は2001年の炭疽菌テロなどをきっかけに、「テロ」や感染症の世界的大流行「パンデミック」に備え、医薬品メーカーとの連携を強化してきました。例えば、研究開発のために企業へ積極的に資金提供をしています。またコンテストを通じて採用したツイッターを分析して病気の広がりを監視するツールを公表するなど、民間の技術を積極的に取り入れる場面が増えています。

--こうした政府と民間企業との連携、ほかにも多いのでしょうか。
民間企業との連携を強める動きは他の政府機関でも見られます。例えば、NASA、米航空宇宙局は有人飛行などを自前で行う計画をとりやめ、民間企業への委託を進める方向に舵をきりました。国家プロジェクトを民間企業に委ねることには批判はありますが、こうした動きが起業家のイーロンマスク氏が率いるベンチャー「スペースX」をはじめとした宇宙ビジネスに関するベンチャーの活況を作り出しています。日本やドイツに比べて3倍以上にのぼる米政府の研究開発支出に加え、民間企業との新たな連携が様々な問題の解決だけでなく、新しいビジネスを生み出すことにつながっていると言えます。以上ニューヨークでした。




■特集 好調レクサス 品質世界一の工場は“感覚頼み”!?
トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の販売が好調です。今年上半期の世界における販売台数は約31万9,000台と3年連続で過去最高を更新しました。その好調を支えているのが「品質」への信頼。都内の販売店では、海外の高級車ブランドを迷っている客に「品質」をアピールしています。世界で販売される「レクサス」の半数以上を生産する「トヨタ自動車九州宮田工場」は、アメリカの調査会社から製造品質で世界最高の評価を獲得しました。不具合の発生を防ぐ最大の特徴が、人の感覚を使った「官能検査」です。検査工程では触覚・視覚・聴覚などを駆使し、機械の検査では限界のある、わずかな不具合がないか探していきます。こうして出荷される「レクサス」ですが、世界の販売台数ではドイツの高級車ブランドに大きく差をつけられています。レクサスの担当者は「品質をベースにスタイリングやデザインで世の中にアピールしたい」としています。取材先・トヨタ自動車九州宮田工場・トヨタ自動車レクサス国内営業部・レクサス高輪・J.D.パワーアジア・パシフィック

【好調レクサス・品質世界一の工場は“感覚頼み”!?】
トヨタ自動車の高級車ブランド・レクサスの販売が好調。今年上半期の全世界における販売台数は約31万9000台で、3年連続で過去最高を更新した。その好調を支えているのが品質への信頼。製造品質で世界一の評価を得た工場で目撃したのは人の感覚頼みの品質検査だった。

【SUV人気でレクサス好調・知られざる“世界一の工場”】
レクサスの国内販売の約6割を占めるSUV(多目的スポーツ車)。SUVの市場は世界的に好調で、今年の販売台数は2010年と比べて約2.5倍の約2510万台に成長する見通し(IHSオートモーティブ調べ)。このブームに乗ってレクサスもSUVモデルを相次いで投入。コンパクトタイプの「NX」やミドルタイプの「RX」、最上級モデルの「LX」と3種類揃え、好調の原動力となっている。レクサス高輪・茂木祐ゼネラルマネージャーは「客に品質がなぜそういう品質になっていくのか、モノを作っている現場の事から話して理解してもらう事が大事」と話した。

【米国・品質調査で世界一・レクサス工場・職人のすごい技】
世界で販売されるレクサスの半数以上を作っているトヨタ自動車九州宮田工場を訪ねた。宮田工場は今年、米国の調査会社から製造品質で世界最高の評価を獲得した。今回で4度目。評価の根拠は、米国市場で宮田工場が生産した車両は購入後90日間における不具合の指摘件数が最少だったこと。宮田工場の最大の特徴が官能検査。出荷前の検査工程では、手で触る事により人の手でしか分からないわずかなズレを探していく。作業員は毎日、ラインに入る前に建付官能訓練機でテストを受け、0.3ミリ以上の間違いがあれば検査ラインに立てない。塗装工程では視覚により色むらを見分ける。静穏ドームでは聴覚により、ドアを閉める事で部品の緩みによる振動音など不快な音がしないかをチェックする。こうした人の感覚を最大限活用した検査でレクサスは世界最高と言われる品質を実現している。

【レクサスvsドイツ高級車・魅力で対抗できるか?】
lexas.JPG製造品質では世界一と評価されたレクサス(トヨタ自動車)だが、その他の調査を見てみると、魅力品質という客の評価の中では5番目。JDパワー自動車商品魅力度調査(2016年/米国):1位・ポルシェ、2位・BMW、3位・メルセデスベンツほか、5位・レクサスほか。ブランド別世界販売台数(1~6月):メルセデスベンツ・約100万6600台、BMW・約98万6600台、アウディ・約95万3200台、レクサス・約31万9000台。トヨタ自動車レクサス国内営業部・渡瀬修部長は「1番の競合はヨーロッパの高級車メーカー。それらのメーカには歴史がある。レクサスは開業して日本では11年目で歴史がない。歴史がない分、新しいことにトライできる。スタイリングやデザインで世の中にレクサスという車をアピールしていきたい。」と話す。






■ニュース

豊洲新市場 問題続出 小池都知事 都幹部に調査を指示
toyosu.JPG築地市場の移転先となる豊洲市場で、東京都がこれまで説明してきた土壌汚染対策が事実と異なっていたと明らかになりました。経緯の調査、検証を前に次々と問題が続出しています。小池都知事は今日、都庁の幹部職員13人を前に「重大な局面」と話し、正しい情報公開を徹底するよう指示しました。かつては東京ガスの工場だった豊洲市場の地中からは、基準値の4万倍を超える有害物質が検出され、東京都は858億円を投じて土壌の改善に取り組んできました。その対策は、敷地全体で汚染された土壌を除去し、きれいな土を4.5メートル盛る、「盛り土(もりど)」をしたと説明していましたが、実際に主要な水産卸売り場の建物の下にあったのは、空洞でした。さらにコンクリート上に深さ約1cmの水があり、どこから流れて来たのかは不明。東京都は改めて専門家による安全性の検証をするほか、問題が起きた経緯についても調査する方針です。





政府「未来投資会議」を創設

【成長戦略の“新司令塔”が発足】mirai.JPG
安倍総理大臣が掲げる「アベノミクス」の成功の鍵を握る成長戦略。その新たな司令塔となる、政府の「未来投資会議」の初会合が開かれました。未来投資会議は安倍政権が成長戦略の具体策をまとめる為に新たに作った官民合同の会議です。1回目の今日は、情報通信技術(ICT)を活用して建設現場の生産性を2025年までに20%高める、人手不足に対応するという方針を早速決めました。
金融政策、財政出動に次ぐアベノミクス第3の矢、成長戦略。これまで政府には、経済政策や成長戦略を議論するための会議が乱立していましたが、今回、「産業競争力会議」や「官民対話」など複数の会議を未来投資会議に集約、司令塔を一本化してスピードアップを図ります。新たな成長戦略は来年半ばに取りまとめる計画です。経済界代表として民間議員を務める経団連の榊原会長も「今度こそは」と意気込みます。
「今までいろいろやってきたが、それが経済成長や投資拡大につながらないのはなぜか、しっかり検証しようというところから始める。成長戦略を加速させるために、積極的に参画していきたい。」
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【地方活性化「成果を数字に!」】《大浜キャスター解説》
これまで政府の中には経済政策や成長戦略を話し合う為に色々な会議が存在していました。これに対し「会議が乱立しすぎ」、「成長戦略が進んでいない」などの批判がありました。そこで経済財政諮問会議と一億総活躍国民会議は存続させ、規制改革会議は衣替えをする事になりました。その他の産業競争力会議や官民対話、第4次産業革命官民会議を集約して未来投資会議を作りました。成長戦略の実現を急いでいく為の会議という位置づけです。未来投資会議のテーマは「AI(人工知能)やロボット活用」「企業の制度改革」「医療・介護」「地方活性化(ローカルアベノミクス)」です。そんな成長戦略の1つ、アベノミクスの恩恵を地方に波及させるローカルアベノミクスを進めている現場を取材しました。

ローカルアベノミクスの柱の1つが観光です。貨物船やコンテナ船が行き交う熊本県の八代港が今、注目されています。その理由は中国などからの観光客を乗せたクルーズ船の急増です。政府は2020年に500万人のクルーズ客を受け入れる目標を掲げています。それを受けて熊本県は八代港でクルーズ船の受け入れ体制を強化する工事を進めています。クルーズ船が使える停留場所は現在1か所しかありませんが、これを2か所に増やし、現在年10隻程のクルーズ船を来年には一気に70隻に増やす目標です。

一方で、旅行客の使い勝手を良くする為に、港湾のクルーズ船受け入れ体制を強化する設備増強、専用ターミナルの建設などが必要との声があるものの、費用負担が発生する地元自治体は「うまく乗れるものなら乗る」と、やや慎重な姿勢です。国が旗を振る観光による地方の活性化にはまだ半信半疑の側面もあるようです。
《熊本県港湾課/弓削真也さん》
「4月の大震災を受けて、阿蘇や熊本城など有名なところが被災した。クルーズ船というのは1つの復興のシンボルになる。どういう内容なのか注視していく。勉強していくというところ。(設備投資については)施策にうまく乗れるものであれば乗らせていただいて、国と協業できれば問うふうに考えている。」
未来投資会議の下でローカルアベノミクスの検討を担う金丸恭文民間議員は「提言だけに終わらず成果が数字で表れるような政策を実現したい。アベノミクスの成果を問われる最後のチャレンジではないか。」と話しました。





lunch.JPGデフレの足音 ここにも?
会社員がランチに使う値段の平均が今年4年ぶりに下がりました。町で話を聞くと、500円の予算を定めたり、弁当を持参したりするなどしてランチ代を抑える人も。こうした中、日本マクドナルドは12日から400円の「バリューランチ」を始めました。ハンバーガーの「ビッグマック」もしくは「チキンフィレオ」にSサイズのドリンクが付いたセットです。単品で購入するより50円から80円安くしました。平日の午前10時半~午後2時までの時間限定です。消費者の節約志向が高まる中、外食業界では低価格メニューで対応するなど、デフレの傾向が強まっています。

【「ランチ代は増えたか」、実は株価に連動!?】
アベノミクスの効果もあり、日経平均株価は値上がり傾向が続いてきた。しかし今年に入り「曲がり角に来たのではないか」との指摘もある。そんな日経平均株価の動きに似た動きをするある指標がある。それは男性会社員の昼食代で、これまで景気回復の影響か上昇傾向だったが今年4年ぶりに減少に転じた(出典・新生銀行)。特に20代の落ち込みが大きいという。lunch2.JPG

【マクドナルドが“ランチ値下げ”、外食で燃える低価格メニュー】
日本マクドナルドが今日から平日のランチ限定で「バリューランチ」(400円)の販売を始めた。「ビックマック」か「チキンフィレオ」にSサイズのドリンクがついたセットで、単品で購入するより50~80円安くした。去年の12月以降、既存店の増収が続く日本マクドナルド。要因の1つがグランドビックマックの様な高価格の期間限定商品が好調だった事だが、今回はランチの値下げに踏み切った。こうした動きはマクドナルドだけではない。回転ずし大手のかっぱ寿司は、今日まで一部の店舗で一皿108円の寿司などを平日は97円で提供。吉野家も4月に牛丼より50円安い豚丼を復活させた。消費者の節約志向が高まる中、低価格メニューで対応する外食業界。今、デフレの傾向が強まっている。





クリントン氏 肺炎と診断
ニューヨークで開かれた同時多発テロの追悼式典を途中で退席した、アメリカ大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン氏が肺炎と診断されていたことがわかりました。主治医によりますと、クリントン氏は肺炎を患っているうえに、式典中は暑さのために脱水症状を起こしていたということです。今後クリントン氏は健康問題を焦点に、共和党の追求を受けるとみられ、大統領選の行方に影響を与えそうです。
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韓国国防省 「北朝鮮 新たな核実験の準備」
韓国国防省は5回目の核実験を強行した北朝鮮が、北東部・豊渓里(プンゲリ)にある核実験場の2つの坑道で、新たな核実験を行う準備を整えていると発表しました。こうした中、韓国のアメリカ軍は、きょう、天候を理由に延期したB1戦略爆撃機の韓国上空での展開を明日午前に実施予定であることを明らかにしました。







テスラ 日本でSUV発売へ
アメリカの電気自動車メーカー、テスラモーターズは、日本国内で初となる電気自動車タイプのSUV=スポーツ用多目的車「モデルX」を公開しました。この車の特徴は、後部座席のドアが鳥が羽ばたくように上下に可動し、狭い場所でも簡単に開閉できます。さらに、最上級モデルでは、1回の充電で542キロ走ることができます。今月16日に発売する予定で、日本でも人気のSUVで市場の開拓を図ります。



経団連が決定 来年の“就活”今年と同じ日程に
経団連は、2018年春に卒業する大学生らの就職活動について、企業が会社説明会などを始める時期を「3年生の3月から」とすると決定しました。また、面接の解禁は4年生の6月から、内定は10月からとそれぞれ今年と同じ日程に据え置きました。経団連の榊原会長は、会見で「2017年卒業の就職活動で学生に大きな混乱はなかったため総合的に判断した」と説明しました。



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伊藤忠商事が出資する企業 カナダ産豚肉の店を開業へ
伊藤忠商事が49%出資する、カナダ最大の養豚企業が手がけた豚肉を提供する店が東京都内に16日にオープンします。この豚肉「ハイライフポーク」は、開発・生産から流通まで一貫して管理されており、冷めても固くなりにくい柔らかさが特徴です。日本の豚肉の年間消費量は増加傾向にあります。伊藤忠商事は、近年のエネルギー価格の下落などを受け、食糧などの「非資源分野」に力を入れており、今回の出店で日本の消費者にPRする考えです。





スパ&ウエルネスジャパン 国内トップのスパ施設を決定
国内で唯一開催されている、スパ関連の展示会、「スパ&ウエルネスジャパン」がきょうから始まりました。展示会では全国に数あるスパ施設のなかから、一般ユーザーの投票による日本一のスパが発表されました。1位に選ばれたのは、フランス発祥の高級スパ「レスパスヨンカ表参道」です。植物療法を取り入れた、80種類以上の製品を客1人1人の肌質などに合わせて調合。リラクゼーション効果の高い風呂「ハイドロバス」で、代謝を促した上で施術します。価格はマッサージと併せて90分で2万円前後。こうした高級スパを代表とするスパ市場は、現在、7,000億円規模とも言われています。最近では、手軽に利用できる施設も増えてきていて、右肩上がりの成長を続けています。また、訪日観光客の増加で、更なる拡大が見込まれています。
《スパ&ウエルネスウィーク/岡田友悟代表理事》
「これから(訪日観光客数が)3000万人~4000万人となる中で、東京オリンピックまでには、現状の1割から1割5分くらい増えてくると思います。」





■【トレたま】漢字時計

小柳健一さんの本業はタクシードライバーで時計作りは副業。完成までには約10年かかり、100万円を費やした。好きな文字をオーダーメイド出来る。主にインターネットで販売。海外からのオーダーが多いという。

【商品名】漢字時計
【商品の特徴】1時間に1度、漢字が現れる
【企業名】アトリエ自由人
【住所】東京都目黒区中目黒1-1-72
【価格】18万円~
【トレたまキャスター】北村まあさ





■【コメンテーター】梅澤高明氏(A.T.カーニー日本法人会長)

・『AI×医療』、『AI×観光』・・・、ポイントは「掛け合わせ」

--今までもいろいろな会議で試行錯誤してきたわけなんですが、今度こそ(未来投資会議の発足により)成長戦略は前に進みことになるのでしょうか。

「少なくともミクロ分野の司令塔が1つになったというのは大きな前進だと思います。イノベーションを進めようとすると大事なのは、掛け合わせの視点だと思う。メディカルツールイズムという言葉がありますけれども、ここで言っている『医療・介護×地方活性化』、まさに掛け合わせです。それから最近医療分野の大事なイノベーションもAIが大きな役割を担っていて、例えば最近のニュースだと、IBMが作ったワトソンが急性白血病のタイプを10分で診断する事に成功したというニュースがありました。あるいは最近やっぱりこの分野で、細胞の画像から細胞の正常、異常をディープラーニングの技術を使って判定するという研究も進んでいます。これが完成するとファイバースコープで撮った画像で、その場でがん細胞を特定するようなことも、たぶん可能になってくる。そうすると生検をしなくても、あるいは切り開かなくても、ガンが特定できて、治療も大きく進む。というような掛け合わせをどれだけやっていけるか、いうことに本当に注力をしていきたいので、この1つの(未来投資)会議で分科会も4つできますけど、分科会も縦割りではなくて、それぞれから上がってきたテーマを掛け合わせるとどういうことができるか、という議論をする場になって欲しいと思う。」

--掛け合わせというのは、つまりは技術開発というのをどう社会に実装させていくか、ということでもあると思うんですけど、そのためにまず会議で決めるべき、必要なことは何ですか。

「おそらく国がバックアップしている会議ということなので、会議の出口は2つだと思います。1つは特に基礎研究の分野でどういう所に大きな投資を国としてするか。それから、もう1つは民間の投資を促進する為に、どういう規制緩和、規制改革をしていくか。この2つが結局、成果物になってくると思うので、そこに向けた議論をして欲しいと思う。」





・特集 好調レクサス 品質世界一の工場は“感覚頼み”!?

--最終的に人の間隔で品質検査をするわけですけど、それでもまだまだ魅力品質という部分では、何かが足りないのですか。

「感応検査という言葉がありましたけど、お客さんの感応に働きかけるような車作りというのが、特に高級車の場合は大事ですよね。」

--外は何が必要なんでしょうか。

《大浜キャスター》「日本流の高級車の魅力というのをずっと探してらっしゃて、1つはおそらく品質に辿り着いて、これから先のプラスアルファというのをどうやって日本独自というのを考えるんでしょうね。」





・アメリカ、官の役割大きく、基礎技術の発展をリード

--この米企業と民間の連携を強めているというのは、かなり戦略的なものなんですか。

「そうですね。アメリカは本当に民間修道で成長してきたというイメージが強いですが、実は官も相当大きな役割を担ってきているんです。例えば、国防総省にDARPAという組織があります。国防省賞の研究開発を後押しする組織なんですけど、ここは1960年代から70年代にやった研究が実はアーパネットと言われて、インターネットの元々の母体になったものがあります。あるいは2000年代にはこのDARPAが主催したグランドチャレンジというコンテストがあって、これは自動走行車の流れを作り出したコンテストです。2013年からはDARPAロボティクス・チャレンジということで、災害用のロボットのコンテストをやっています。ここから出てきた会社がグーグルに買収されて、グーグルのロボット部門になったりとか、そんなような流れができてきている。官が投資をする、そして民間企業の事業開発を後押しするという連携は、実は昔からあったのかなというふうに思います。」

--日本はそうした官の投資という部分でアメリカに学ぶべきところはありますか。

「日本も相当多くの分野で官が投資をしているのは事実、それから官民ファンドのようなものも、いろいろ作ってきています。ただちょっと戦線が広がり過ぎていて、一個一個が小粒かなという気がします。例えば、AI分野、あるいは医療分野と、もう明らかにこれから伸びていくというところであれば、アメリカだと1000億単位のお金がドーンと付くということがあるんですけど、日本だと100億円単位のものがいくつか付くみたいなことになりがちですね。」

--縦割りの弊害みたいなことがあるんでしょうか。

「例えば、人工知能の分野でいえば、経産省、文科省、総務省、それぞれが人工知能をどう後押しするかという政策を一生懸命に作っていたりする。やっぱり放っておくと縦割りになりがちなので、それをどう束ねて大きな投資にするか、というのが多分課題だと思います。」





・「スパ」はキラーコンテンツ

--日本のスパ市場はいま伸びているということなんですが、この先どうかというところですよね。

「インバウンドで高価格帯のところを伸ばそうというのは、狙いはいいと思いますね。私が1つ着目したいのは、旅館市場の再活性化にどれだけスパを使えるか。旅館市場は1.4兆円くらいなんですけど、横ばいです。スパは7000億円です。旅館はかなり長い時間を過ごしてもらうわけだし、おいしい食事とオモテナシだけではなくて、スパを併設しているところも結構出てきていますけど、これをもっともっとリッチなもの、より素晴らしい体験のものにしていくということができると、旅館の単価も上げていくことができる。これがひいては富裕層の客を東京や京都だけでなくて、地方に連れていってローカルアベノミクスにつなげる事も出来る。」

--さらにリピーターになるかもしれませんしね。

「そうですね。石川県の山代温泉にべにや無何有(ベニヤ ムカユウ)という老舗の旅館があります。かなりモダンなデザインに作り変えて、デザイン自体もとても素敵な温泉旅館なんですけど、ここの東洋医学のフェイシャルとかボディトリートメントとかを組み合わせたようなスパがあって、こんなところって外国人にすごく人気があって、リピーターの方がたくさん来られているようなんですね。温泉があり、東洋医学もありますから、西洋にはなかなか無いようなスパを作っていく。そうすると、もっと実は値段も上げられるんじゃないのかなと思います。今の例で90分2万円ですが、ニューヨークで同じようなものがあったら、たぶん5万円ぐらいします。そのくらい市場があるということです。」






2016.9.12 Newsモーニングサテライト

2016年09月12日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

9日のNY株急落m1.JPG
金曜日のNY株は、夏休み明けのまったり感も、一気に吹き飛ぶ急落でした。9月利上げへ不安が一気に高まりました。きっかけは、利上げに慎重なスタンスをとってきたボストン連銀のローゼングレン総裁が、早めの利上げに前向きな姿勢を示した事。7月半ば以降、小幅な動きに終始していた株価ですが、金曜日には50日移動平均を大きく下回りました。月曜にはハト派を代表するブレイナード理事の発言が予定され、注目度が高まっています。週後半の、小売売上高や物価指標の発表も市場のマインドに影響をあたえそうです。金曜日の株価終値です。ダウは3日続落、394ドル安の1万8,085ドル。ナスダックは続落、133ポイント下落の5,125。S&P500が3日続落、53ポイントマイナスの2,127でした。下げ幅は揃って、イギリスの国民投票以来の大きさでした。0 指標.jpg









月曜恒例専門家インタビューです。今週は、15日に8月の小売売上高が発表されます。エコノミストは、今回は、弱い内容を予想しますが、アメリカの消費は堅調だと指摘します。

《バンクオブアメリカ・メリルリンチ/エマニュエラ・エナネジャー氏》

【8月小売は軟調も消費堅調】
「8月の小売売上高は、自動車が不振で、前月比0.1%減となるだろう。自動車などを除いたコアは0.2%増と小幅ながら増えると見ている。ただアメリカの消費は非常に堅調だ。4-6月期の個人消費支出は強かった。消費の基礎となる賃金と雇用も、ゆるやかながら伸びている。8月の数字は良くないかもしれないが、消費は非常に強いとみている。」

この他、16日には、8月の消費者物価指数が発表されます。専門家は、物価は緩やかな上昇が確認されると見ています。

【米物価は緩やかに上昇】
「8月の消費者物価指数は全体・コアともに前月比0.2%上昇だろう。これはとてもいい伸びだ。また前年比では1.0%上昇を予想する。1.0%と上昇ペースが遅い理由は、ガソリン価格が大きく下落したからだ。しかし、最近ガソリン価格は回復し、家賃も上がっている。年末から来年初めにかけインフレ率は前年比で大きく上昇するとみている。」







【為替見通し】注目は「FRBブレイナード理事 発言」
解説は三菱UFJ信託銀行の酒井聡彦氏

--先週末のNY市場はドル買い円安の展開でしたね。
長期金利の上昇を背景にドルは対主要通貨で全面高の展開、ドル高と長期金利の上昇によりアメリカの株式市場は先週末、大幅に調整しました。

--予想レンジは、102.00円 - 103.60円、注目は「FRBブレイナード理事 発言」です。
アメリカ債券市場では先週から低金利環境を少しでも生かそうと大型の起債が相次いでおり、FRB のタカ派スタンスと相まってアメリカの長期金利が上昇しています。そうした中、本日はクリントン政権となった場合、次期財務長官の呼び声も高い FRB ブレーナード理事の講演が予定されております。もっともハト派とみられているブレーナード理事が FOMC ブラックアウト直前のこのタイミングで少しでもタカ派色を示すことがあれば、バーケットは 9月の利上げを織り込みに行く可能性があります。

--そうした場合ですと、日米の金利差拡大を見込んだ円売りドル買いの展開となりそうですね。
はい、来週にかけて 105円程度まで円安が進む展開を見ておく必要がありそうですが、ドル高とアメリカの長期金利上昇の組み合わせは、中国をはじめとするエマージング経済にネガティブに作用するため、FRB はその引き金を本当に引く気があるのか、本日のブレーナード理事の発言に注目しております。0 為替.jpg















【日本株見通し】注目ポイントは「曜日効果に変化?」
解説は岩井コスモ証券の林卓郎氏

--今日の予想レンジは、16600~17000円です。ニューヨークの急落を受けまして、週明けはどういうふうに動くでしょうか。
やはり厳しい寄りつきが想定されますが、一方で先週確認された日本株の底堅さ、また米金利上昇に伴う円安が下値を支えると思います。このところ月曜日のパフォーマンスが良好なことも支援材料となるかもしれません。nk1.JPG


--注目ポイントは「曜日効果に変化?」です。
(フリップ1:日経平均の「曜日効果」)
今週はイベントを控えてなかなか読みずらい局面が続きますので、今日は少し違った観点から相場を見てみました。曜日効果は相場のクセとも言われるアノマリーの一種でありまして、一般には古くから月曜日のマーケットが下がりやすいといったことなどが知られています。実際、日本株でも過去10年間のデータを検証すると、月曜日は平均してパフォーマンスが良くないことが確認できます。しかし今年に入ってこれが変化しておりまして、今年は逆に月曜日にこそ株価が強いという結果を示しています。

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(フリップ2:月曜の上昇確立高い)
実は上昇する確率や日中の値動きについても、一週間の中で月曜日が最も好成績となっていまして、さらにここ3ヵ月についてはその傾向は一段と鮮明です。こうしたアノマリーに反するようなパフォーマンスは、地合いの強さの表れとも言える変化でありまして、今後に向けて前向きな材料と考えています。








■【エマトピ】医療分野に商機ema0.JPG
経済状況が良好なオーストラリアですが、リーマンショック以降、消費者の節約志向が続いています。そのため、小売業者間での価格競争が進み、今後しばらくの間、低インフレ状態が続くと思われます。そんな中、新しい経済成長の基盤として政府は医療分野のイノベーションを進めようと考えています。市場規模を拡大することで新たな投資を呼び込みます。中には将来の可能性を見越してすでに動き出している日本企業も。解説は大和証券の藤井園子氏。


【好調なオーストラリア経済に忍び寄る低インフレの影】

--オーストラリアは先週、政策金利を過去最低の1.5%に据え置きましたが、国内の経済状況はあまり良くないのでしょうか。

「いいえ、オーストラリアの景気は穏やかな改善傾向を持続しています。
7月の雇用統計では雇用者数が市場予想を上回る前月比2.6万人増、失業率5.7%と悪くありませんでした。」

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--でも、そうすると金融政策が緩和的になるのは何か理由があるのでしょうか。

(フリップ1:インフレ目標届かず)
「オーストラリア準備銀行のインフレ目標2~3%なのですが、ここ2四半期連続でその下限を下回る状態が続いています。大きな要因の1つが小売店間の値下げ競争で、2大スーパーの「ウールワース」と「コールス」では値下げが常態化しています。その背景には、消費者の節約志向でシェアを伸ばしてきたドイツのディスカウントストア「アルディ」など外資系企業の市場参入があります。価格競争が緩和するまでにはだいぶ時間がかかりそうで、ほかにも住宅価格や賃金の伸び悩みなどの影響で、今後も消費者物価指数がインフレ目標の2~3%のレンジに戻る見通しは薄いと思います。」


【期待の成長セクター、医療分野に商機】

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--低インフレの影が忍び寄っているということですが、政府としては何か対策は考えているのでしょうか。

(フリップ2:豪は医療分野の先駆者)
「ターンブル首相は次の成長セクターを育てるべく、イノベーションに力を入れ始めました。その一つが医療分野です。あまりイノベーションというイメージのないオーストラリアですが、プラスチック製の使い捨て注射器、世界シェア70%を誇る人工内耳など、オーストラリアで実用化されたものです。」

--オーストラリアが医療分野で進んでいるというのは、意外な気がしますけれども、では具体的にどのようなことを始めるのでしょうか。

「政府は先月10日にバイオメディァルトランスレーションファンドを設置しました。オーストラリアはマーケットが小さいため、これまでは重要な技術が資金不足で商業化に至らないことや、海外企業に買収されるケースが多かったんです。今回、ファンドを設立することで、国内企業を支援し、技術の流出を防ぐことで、医療市場を拡大しさらなる投資を呼び込むのが狙いです。」

--医療セクターが成長して活性化すれば、日本の企業にもより多くのチャンスが訪れそうですね。

「はい、遺伝子治療薬の開発を行うアンジェスMGが、来年に高血圧DNAワクチンの臨床試験をオーストラリアで行う予定です。他にも次世代の創薬、医療ビジネスの早期実用化を支援するセルイノベーションパートナーズがバイオベンチャーのエラスタジェン(オーストラリア)に約8000万円を出資するなど、日系企業の動きは活発になっています。医療分野は今後のオーストラリア経済の成長を担う産業となりえますので、日系企業によるオーストラリア進出はさらに増えていくと思います。」





■中国 副業が当たり前?仕事をかけもつワケ
景気減速が鮮明となっている中国で、働き方に異変が起きています。いま中国では、働く人たちの間で「副業」を持つ人が増えています。中国の大手人材派遣の調査では、「副業を行っている」と答えた人が4割を超えました。多いのがネットショップの経営。そして、ウーバーのようなアプリを使った配車サービスなどのドライバーです。また、宅配業者のなかには副業の人材を活用して低コストでスピード配送のビジネスモデルを構築する企業も登場しました。背景には物価上昇で厳しくなる生活を少しでも楽にしたいという働く側の事情に加え、スマホなどの発達によって仕事を細かく発注、請け負うことができる技術革新がありました。中国でブームになっている「副業」の実態と背景を取材しました。

《2016年09月01日 WBS・ワールドビジネスサテライト再放送》
http://creampan.seesaa.net/article/441558810.html
特集 中国 副業が当たり前?仕事をかけもつワケ





■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
(期間:9月9日~11日、番組出演者35人)

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・ 今週末の日経平均予想
予想中央値(16800)先週終値(16965)

《ソシエテジェネラル証券/島本浩司氏》 
(16800予想)
「アメリカ株下落を受け、売り先行となるが、円安や日銀ETF購入で底堅く推移する」

《みずほ証券/三浦豊氏》
(16200円予想)
「リスク許容度の低下により、外国人の手仕舞い売りが出る」


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・今週末のドル円予想
予想中央値(102.50円)先週終値(102.72円)

《三菱UFJモルガン・スタンレー証券/植野大作氏》
(102.50円予想)
「日米の金融政策のイベントを控え、方向感が出にくい展開」

《ブラウン・ブラザーズ・ハリマン/伊庭剛氏》
(104円予想)
「マーケットはドル買いの材料に反応したがっている感がある」


・米利上げ時期予想
9月(9%)、11月(6%)、12月(77%)、17年3月(3%)、17年7月以降(6%)


・日銀追加緩和、時期予想
9月(51%)、11月(20%)、12月(6%)、17年1月(6%)、なし(17%)






■日銀 金融政策の行方は…
今月20日、21日に行われる日銀の総括的な検証。岡三証券・愛宕伸康氏(元日銀、景気・金融・物価分析専門)は2年で物価上昇2%の2年という期間を外し、金融政策でコントロールできない理由として、原油相場、インフレ期待、賃金、自然利子率などを強調するとしています。
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・モーサテサーベイによると・・・

【今回日銀が何を決定するか。】
  マイナス金利深掘り 55%
  2年で2%の物価目標の『2年』を外す 52%
  国債購入目標を柔軟化 48%
  買い入れ対象資産拡大 36%
  金融機関への貸出にマイナス金利 21%

最も多かったのは、「マイナス金利深掘り」。JPモルガン証券の菅野さんは、「黒田総裁などが肯定的な見解を示していること」を理由に挙げています。
続いて多かったのが、「2年で2%の物価目標の『2年』を外す」。バークレイズ証券の森田さんは、「従来のカレンダーベースのコミュニケーションは混乱のもとにしかなっていない」と指摘。
続いて「国債購入目標を柔軟化」。つまり国債の買い入れを70~90兆円などに柔軟化する案です。そして「買い入れ対象資産拡大」と続きます。また「金融機関への貸出にマイナス金利の適用」や「REITの買い入れ増額」「物価上昇2%目標の変更」などにも少数ながら回答が寄せられました。「その他」の回答の中には「マネタリーベース目標の撤廃」などという意見もありました。


--これは合わせ技というところも多いですが、例えば、マイナス金利の深掘りと期間を延ばすとか、いろんな答えが出てきて、これって市場も迷っている感じがしますね。

「そうです。私もそうです。」

--でも日銀にいらしたので、何となく雰囲気がつかめると思うんですけども・・・、では愛宕さんは今回何をしてくると・・・。

「このアンケートでもありましたけども、マイナス金利深掘り、2年撤廃、それから国債購入目標を柔軟化する、この3つは可能性が高いと思いますね。」

--そうですか。まずは2年で2%というところを外すと・・・。外すというのは、見通しの修正ということですけれども、ここに大きな問題があるわけですね。
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(フリップ2:総括的な検証の予想内容)
「やはり今一番混乱しているのは、マーケットとのコミュニケーションだと思うんですね。ですからそのコミュニケーションを修正してくるということが、今回最大のポイントになってくると思います。ですのでコミュニケーションの修正のためには、まず見通しの修正がキーになってくると思いますね。」


t3.JPG(フリップ3:日銀と市場の見通しにギャップ)
--そのキーになってくる見通しの修正がなぜ重要かというと、まず大きな要因はここなんですね。これ(赤色のグラフ)がコアCPIの実数で、日銀と市場の見通しにギャップがあるんだということです。黄色の点線が日銀が出している展望リポートです。

「展望リポートというのは年度の数字しか出ませんので、年度の数字を前提として、私が個人的に四半期展開したグラフになりますね。それとこのマーケットの見通し、ESPフォーキャスト(青色の点線グラフ)の直近の調査を見ていただくと、一目瞭然で、17年度の数字が大幅にかい離しているわけですね。」

--17年度、この辺りで1.8に行くだろうという見通しを立てているわけですね。

「そうですね。17年度中ということを今は言っていますので、17年度中ということは、18年の第1クォーターにこの辺り2%程度に到達するということが前提になっているわけですね。」

--ですからここのかい離(黄色の点線と青色の点線のかい離)があるというところが、結局、市場が「見通しに到達しないということは追加緩和をやるんだろうと・・・」

「そうですね。見通し通りにいかないということで、市場はそこに追加緩和の思惑ということで、毎回毎回、振れの原因になっているということになりますね。」

--ということは、そもそも金融政策というのは、ターゲットを決めると、そのターゲットが2年2%というものがあったから、こだわってしまうということになるんですね。そこを取っ払うと・・・。

「そうですね。」

--となると、そこを修正してきて次はどうですか。展望リポートがかかわってきますね、

「そうですね。11月に公表される展望リポートで、見通しが修正される。そのためにはその準備が必要ですので、今回の総括的な検証でその辺りが修正されてくるというふうに見ています。」

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--結局、その見通しのところは信頼関係ということですね。バーナンキFRB前議長がかつて「金融政策の98%は市場との対話」で決まると言いました。
(フリップ4:バーナンキ)
「そうなんです。いま各中央銀行はインフレターゲティングという手法をとっていますので、インフレターゲティングという手法というのは、ほとんどはマーケットとの対話(コミュニケーション)で成り立っている政策運営だというふうに言えます。」

--ただいま環境がかなり厳しい。アメリカも利上げに向かって市場が動揺してくる中で、万が一、例えば見通しをちょっと変更・修正すると、これはもしかして後退するのではないか、緩和しないのではないか、という見通しになる可能性がある。ですから先ほど追加緩和はこれだと仰いましたね。

t5.JPG(フリップ5:今月の会合で予想されること)
「いまですね、週末もそうだったんですが、マーケットが若干不安定な状態にありますので、そういった市場環境ですとか、日本も長期金利がちょっと上げっているわけですね。それからそもそも物価の環境が先ほどお見せしたように、足下ではマイナスになっている。その2つ、市場環境と物価の環境ですね。そういったところからすると、今回、追加緩和をしてきても、全然おかしくないというふうに考えています。」

--手法としては、①マイナス金利深掘り、それから②国債買い入れ70~90兆円に柔軟化する、というところですね。

「上の、マイナス金利の深掘り、というのはもちろん金融機関のコスト上昇になるわけですから、手法によっては基準比率という、ちょっとテクニカルになりますけれども、そういった操作をすることによって、金融機関のコストをなるべく抑えた形で、マイナス金利の深掘りというのは可能ですので、そうした工夫をしてくるのではないか、と考えています。」

--ということは見通しの修正と追加緩和のセットで、市場と対話をすると・・・。何か一言隠し玉の湯歐なものはないですか。

「どうでしょう・・・。1つ、私の希望でもあるんですけど、例えばコミュニケーションを円滑に行うために、スタッフの見通しを公表するなんていう手法も、あってもいいような気はしますね。いま政策委員会としての(審議員の)見通しは出ているわけです。(加えて)事務方の見通し、数字が出ると、非常にクリアじゃないかなと思いますね。」







■日経朝特急
休刊日のため、日経電子版からお伝えします。

① 変心、ミセス・ワタナベ、逆張りから順張りへ
日本の個人投資家の投資スタンスの変化について伝えている。ミセス・ワタナベというと、相場の流れと逆の、いわゆる逆張りというのが基本の投資スタンス。それがが変わり始めているようだ。記事によると、相場の流れに逆らう逆張り的取引が鳴りを潜め、上昇を見込む通貨の値上がり益で稼ぐ取引が広がっている。その背景として、逆張り投資が通用しにくくなってきたこと、またリスクを長期にわたって抱え込む逆張り投資より、賢く短期でコツコツ稼いだほうが儲かるとの認識が広がっているため、と記事は指摘している。



② 日銀、緩和の手法見直し検討
日銀は来週の会合で総括的な検証を実施し、物価上昇2%の実現に向けた金融政策の枠組みの見直しを検討する。銀行収益の悪化や年金の運用難といった副作用に目配りしながら、どう緩和を強化するかが焦点だ。ただ手法を読み取れない市場は困惑しており、「黒田流」の対話路線は手探りの状況にある。黒田総裁、中曽副総裁は先週の講演でこのような発言をしているが、多くの参加者は日銀への疑念を拭い切れず、金融政策は不透明との指摘がある。

【黒田総裁の主な発言】
 ・ 「総括的な検証」は緩和縮小という方向ではない。
 ・ 金融仲介機能への影響についても考慮する必要がある。
 ・ 量・質・金利、各次元での拡大はまだ十分可能。
 ・ 量・質・金利以外のアイデアも議論のそじょうに。
 ・ 意識すべきは限界ではなく、ベネフィット(効果)とコスト(副作用)の比較

【中曽副総裁の主な発言】
 ・ マイナス金利の効果は金融機関の収益を圧縮する形で実現
 ・ マイナス金利深掘りはなお必要とすることは十分ありうる
 ・ 9月会合で現在の政策の枠組みに修正が必要か、どのような修正が適当か判断






■日刊モーサテジャーナル

① 「利上げの恐怖で市場が大荒れ」
金曜日にダウが急落し、金利が上昇したことについて、ウォールストリートジャーナルの見出しは、「利上げの恐怖で市場は大揺れ」。「投資家は中央銀行の政策がもはや株高の材料にならないのでは、と心配している」と報じている。また週刊投資新聞バロンズは、「去年の8月も静かな相場が続いた後に急落した」と指摘し、「今年の夏も極端に静かな相場が続いてきただけに、今後も急落への懸念が続く」、と伝えている。ただ記事は、去年はFANG(フェイスブック・アマゾン・ネットフリックス・グーグル)などの限られた銘柄に牽引されていたが、今年はより幅広い銘柄が上昇相場を支えているので、去年ほどの反動は起きないのでは、という見方も掲載している。




② 「意図しない検閲社」フェイスブックに批判
欧米の新聞に大きく掲載されているのは、ベトナム戦争中に戦禍から逃げる裸の少女の写真。ピュリッツァー賞を受賞した有名な報道写真だが、あるノルウェー人作家がフェイスブックに投稿したところ、フェイスブックは、写真が児童ポルノに該当するとして削除。その後、フェイスブックは批判を浴びて削除を撤回したものの、ニューヨークタイムズの見出しは、「The Accidental Gatekeeper フェイスブックは意図せずに検閲者になっている」として、そのビジネスの在り方が岐路に立たされていると伝えている。記事は、フェイスブックは自分たちをメディアでなく、ハイテク企業と主張しているものの、投稿される写真や記事の取捨選択をすることで、ジャーナリズムを制限してしまっている、という声を掲載。世界で17億人を超える利用者を抱えているだけに、情報操作に対する影響力大きさに、懸念の声が出ているということだ。

【ひとこと】
今さらながら、何言ってるの、っていう記事だね。Wikipedia(ウィキペディア)だって、韓国に不都合な事実は全部クレームによって消されているじゃないか。Googleだって、嫌韓のサイトはクレームが来たら、検索順位を下げている。一方の言い分だけが極端に多くてしつこいというだけで、そちらが正義であるかのように判定しているのは、この記事にある「ジャーナリズムの制限」であり、「情報操作」に当たるだろう。今回はたまたま対象がピュリッツァー賞受賞作品だったから、投稿のほうが正義と判断されただけのことだ。欧米人の下衆な正義感がいかに底の浅いものかが分かる記事だ。ただこういうことを書くことによって、また検索順位を下げられるわけだが・・・。




③ 無人タクシーの実験、製鉄の街の行方は?
配車サービスを手掛けるウーバーが、今週にも公道での自動運転車による無人タクシーの実験を行う見通しだが、記事は、その実験が行われる都市ピッツバーグに注目。製鉄業の衰退が激しいピッツバーグがハイテク都市に変貌できるか、ほかの都市も固唾をのんで見守っているという。記事によると、ウーバーはピッツバーグで無人タクシー約100台をテスト。走行中のトラブルなどを監視する役が必要で、今後2~3年で、現在の500人から1000人に雇用が増えるという。ただ地元の人々からは「住民の安全を考えずにハイテク企業に譲歩しすぎだ」という批判の声も上がっているそうだ。






■ニュース

イラン ロウハニ大統領 国連総会へ
イランのロウハニ大統領がニューヨークで今月下旬に開かれる国連総会に出席することが11日、明らかになりました。オバマ大統領との初の直接対話が実現するかが注目されます。アメリカとイランは1979年のアメリカ大使館人質事件で断交して以来、去年、核問題で合意に達したあともトップ同士の直接会談は行われていません。



伊 モンテ・パスキ バンカメから新CEO
経営再建の行方が注目されるイタリアの大手銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの後任のCEOに、バンクオブアメリカ・メリルリンチのイタリア部門のトップ、マルコ・モレリ氏が就任する見通しだと、フィナンシャル・タイムズなどが報じています。早ければ来週にも指名されるもようで、再建計画にあった増資による50億ユーロの資金調達は、来年まで先延ばしすると見られています。



北朝鮮に「最大限の強い措置」
北朝鮮が5回目の核実験を行ったことを受けて、日米の政府高官が外務省で会談し、北朝鮮に対し、「最大限の強い措置」を取ることで一致しました。外務省の金杉アジア大洋州局長と会談したアメリカのソン・キム北朝鮮担当特別代表は、9日に核実験を強行した北朝鮮を厳しく非難するとともに、「北朝鮮の挑発的行動は脅威であり、地域の不安定化につながる」と指摘しました。その上で、「北朝鮮が安保理の決議違反を続ければさらに重要な措置を取る」と警告しました。こうした中、菅官房長官は新潟・三条市で講演し、北朝鮮に対し、日本としての独自制裁を検討する考えを重ねて示しました。菅長官は、北朝鮮の核開発技術の向上に懸念を示したうえで、政府与党で独自制裁の議論を進めていくと述べました。一方で、北朝鮮との間で「対話の窓は閉ざさない」として、引き続き、拉致問題の解決に取り組む考えを強調しました。



民進党代表選 最後の訴え
民進党の代表選に立候補している3人の候補者が、地方票の投票締め切りを前に最後の訴えを行いました。公開討論会ではアメリカ軍普天間飛行場の移設計画をめぐって、蓮舫代表代行が堅持する立場を示したのに対し、前原元外務大臣と玉木国対副委員長は、見直しを主張しました。代表選は蓮舫氏が優位とみられており、前原氏、玉木氏が決戦投票に持ち込めるかが焦点となっています。



両陛下「海作り大会」で稚魚放流
山形県を訪問している天皇皇后両陛下は、鶴岡市の鼠ケ関港で行われた「全国豊かな海づくり大会」に出席し、ヒラメやクロダイなどの稚魚を海へ放流されました。歓迎行事では、地元の住民がにぎやかに太鼓の演奏を披露する中、色鮮やかな大漁旗を掲げた多くの漁船と漁の方法が紹介されました。両陛下は、船上の漁師に向かって、笑顔で手を振って応えられていました。



米 同時多発テロから15年
アメリカは9月11日、2001年の同時多発テロからちょうど15年です。日本人24人を含む、およそ3,000人が犠牲となったあの惨劇から15年、アメリカ各地は追悼ムード一色となりました。国防総省で行われた式典にはオバマ大統領が参列し、改めてテロの脅威に屈しない決意を示すとともに、国民に団結を求めました。また、航空機が激突したニューヨークの世界貿易センタービルの跡地でも追悼式典が開かれ、厳重な警備態勢が敷かれる中、多くの遺族らが花束などを手に現場を訪れました。式典では、テロが発生した時刻に合わせ黙祷がささげられ、犠牲者の名前が読み上げられました。大統領選の共和党トランプ候補や民主党クリントン候補も参加。ただクリントン氏は途中で具合が悪くなり式典を退席する事態となりました。未曾有のテロから15年、こちら、デイリーニュースは特別号を出しています。犠牲となった人々の写真で世界貿易センタービルを表現、見出しは、「Haveweforgotten?」アメリカ国民は、15年前の団結の気持ちを忘れてしまったのか?と、大統領選などを巡って分裂するアメリカの現状に警鐘を鳴らしています。





■今週の予定

12日(月) 7月機械受注統計、8月企業物価指数
13日(火) 中国8月小売売上高、中国8月鉱工業生産
14日(水) ユーロ圏7月鉱工業生産
15日(木) 英中銀政策金利発表、米8月小売売上高、米8月鉱工業生産、米9月フィラデルフィア連銀景気指数
16日(金) 米8月消費者物価指数






■【コメンテーター】岡三証券/愛宕伸康氏(元日銀、景気・金融・物価分析専門)

・米注目の小売りと物価、利上げは12月か

--ニューヨークのマーケットが荒れてきました。そうした中で、指標も相次ぎますけれども、どういったところに注目されていますか。

「米国の小売りと消費者物価ですね。この辺りでしっかりした数字が出てきて、どの程度市場が追加の利上げを織り込んでいくか、その辺りを注目しています。」

--織り込みが進むと、やはりマーケットは動揺してくるというふうに・・・。

「多少はあるんでしょうね。ただ、ちゃんと織り込めば、動揺の度合いが小さくて済むということになりますので、ちょっとずつ織り込みが進めばいいというふうには思いますね。」

--となると9月というのは厳しいですか。

「私は12月かなと思っていますね。」






・中国 副業が当たり前?仕事をかけもつワケ

「所得をアップするということと、物価高というのと、追いかけっこなんでしょうね。」





・日刊モーサテジャーナル/「利上げの恐怖で市場が大荒れ」

--先ほど愛宕さんから、利上げを織り込ませないと、という話がありました。なんかマーケットが脆弱になっている印象があるなあ、とつぶやいていましたけど・・・。

「そうですね。先週末、ちょっと相場が荒れましたので、相場というのは日本も連動しますので、ちょっと今週が心配だなあという感じで見ています。」






・今日の経済視点 「折り合い」

「日本銀行とマーケットの折り合いです。今回の総括的検証で、どう日銀が結果を公表するか。それからその後の政策運営をどう柔軟化するか。この辺りでコミュニケーションがどう折り合うかですね。」

--日銀にとっても、そこのコミュニケーションをとる、例えば修正する大きなチャンス機会ではあるんですよね。

「そうですね。チャンスだと思います。」

--そしてマーケットもそれを期待している。

「そうですね。その後の運営というのが本当に重要になってくると思いますね。」