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合理的配慮2 自分から漢字の練習をする生徒

2024年06月30日 | 教育
コース制の高等部
1~4コースがある。
4コースは就労を目指す生徒たちのクラスである。
1コースは生活介護の福祉施設に行く子供たちのクラスである。
1コースの生徒は言葉の出ない子もいる。

その1コースの子が漢字を勉強したいという。
漢字の練習ノートを買ってもらったようで、
字は書いているが、ひらがなばかりで、
大小いろいろになっており、ぱっと見ではなかなかわかりづらい。
でも、友達や先生の名前を漢字で書きたいという。

合理的配慮をしたことで、毎日、
「今日も勉強したいです」と言ってノートを持ってきては
漢字をたくさん書いている。
どのようなことをしたら、毎日喜んで書いて勉強しているのか。

・まず、先生や友達の名前の表をタブレットで大きく見せた。
・そして、書きたい友達の名前や先生の名前を選んだ。
・その漢字の名前を、通常一マスずつ書くところ、
 四マスで一マスにして□で囲って一文字分とした。
・苗字と名前の間は一マス分開けた。
・その中に大きく薄く、名前を書いた。
・2人目の名前の時には、一マス分開けて見やすくした。
・名前の文字はタブレットで大きくして目の前に置いた。
・なぞり終えたら、一文字ずつ赤丸を付け、最後に花〇をあげた。
・「すごい!」「うまいね」とほめ続けた。

これで、その子は毎日、漢字の勉強をせがんでくる。
合理的配慮を施せば、どの子もできるのである。

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合理的配慮1

2024年06月30日 | 教育
特別支援学校高等部
現場実習が終わり、現場先の企業へお礼状を書く。
長い文をきちんと間違わず書くのでかなり厳しい。
何度も何度も書き直す。
しかし、知的障害の生徒たちは不器用な子が多い。
特に、「書く」という行為は、手先の巧緻性が要求され、
記憶の力と合わせた処理速度が強く要求される。
通常の中学、高校と違って、
このことに関しては合理的配慮が必要である。
特別支援学校の教員は、以前とは違い、特別な支援について、
かなり配慮ができるようになった。
一律厳しいだけの指導はなくなったように思う。
ある程度、精神の不安定に負荷をかけないことがスタンダードになってきた。
ただ、まだ専門的かというとそこは難しい。
厳しい指導に一律なってしまうところがある。

車いすで過ごす生徒がいた。実習が終わり、一日お礼状を書いていた。
帰りに見るとまだ、書き直して書いている。
合理的配慮はなされているのか。
車いすで生活しているので、脳性麻痺も考えられる。
上半身は問題なく動くようだが、下半身の状態からすると、
協調性運動障害も考えられる。
視知覚的な問題で見え方も不安が考えられる。
・枠を大きくする。
・難しい文字は薄く書いたものをなぞるでよいとする。
・一行ずつ書かせ、確認しながら少しずつ進む。
・適度な休みを取らせるようにする。
このようなできることをすべきだ。
そのようなこともせず、ただスパルタでやらせるだけの教師は、
勉強不足の教師であり、プロではない。



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