「保護者がしっかりしてくれれば」「この子ではしょうがないよね」といった言葉を
聞くことがある。そのような言葉や考えには、物事を変える力はまったくといってい
いほどない。それは、「責任は保護者にある」「責任は子どもにある」といっている
こととほぼ同じだからである。
「責任は適切な指導をできない、保護者に提供できない私にある」というスタンスか
ら始めないと、保護者との関係は生まれない。責任を保護者、子どもにおくと、次の
ようなことが起こる。
例えば太り気味の子がいたとする。その場合、保護者に対して、「このままではた
いへんです。間食をさせないようにしてください。」と安易に指導しかねない。
しかし、保護者にとって、そんなことは痛いほど分かっているのである。
間食させたくはない、しかし、暴れる、泣き叫ぶといった状況が続いたとき、して
しまうのである。させたくないがさせてしまう。そのようなときに、「どのようにし
たら間食させられずにすむか、そして精神的に安定して過ごせるか。」その手立てが
必要なのである。必要なのは、保護者と子どもの置かれた状況を受け止め、生活の質
が上がる手立てを打つことである。そのための手順を考えていきたい。
1 保護者の心理を知り対応を図る
保護者にアポローチするとき、まず保護者の心理状態が重要である。
【自信をなくしている保護者】
・自信をなくしている
・過剰に自分や子どもを責めがちである
・まわりに対して神経質になっている
・体を崩しがちになっている
そのような場合、これまで保護者がどのような思いで子育てをしてきたか、共感的
に聞き理解する必要がある。その場合にはカウンセリング的な対応が求められる。
【苦しい状況ながら方策を探る保護者】
・何とか現状でがんばっている
・改善の方法を探っている
・助けを求めている
そのような場合、段階を踏んで、積極的にアプローチを望みたい。以下は実際に対
応したケースから考えたものである。
2 具体的な実践
4月、まず行ったことは、以下である。
【子どものよいところをとにかく保護者に伝える】
指導を行い、その過程で出た子どものよい面をとにかく保護者に伝える。子どもの
変化を受け止められれば、そのことを認める担任に信頼が生まれる。
【具体的な手立てを考える】
そして、保護者と相談に当たる。その際、まず、話を聞くことが前提となるが、信
頼が生まれてきていれば、具体的な手立てを施したい。学校で行っていた手立てとし
て、
・一目で分かる視覚的な掲示を施す
・具体的な言葉で分かるようほめる
・一時一事の指示をする
といったことがあった。家庭でどのようなときに暴れてしまうかを確認した後、学校
での指導に合わせてできることを相談した。
【アイテムを渡す】
よい行為、悪い行為なども箇条書きで掲示したが、家庭でほめられる行為を聞き、
それをパウチにして渡した。相談では「考えて見ます。」といってもなかなか忙しい
中考えられない。そこを手助けしたい。
【家庭訪問し、相談の上、その場で対策を立てる】
家庭に行き、祖父母の話を聞く、兄弟の話を聞く。その中で見えてくることは山ほ
どある。その上で、相談して、以前にも考えた手立てをその場で施すのである。
以前訪問した際には、視覚的掲示をするためにマジックや画用紙なども持参した。
話を聞きながら記入し、最後は本人が出てきて掲示した。家庭では対応に追われ、ま
た生活もあり、なかなか対策を図れない場合がある。そこは手助けが必要となる。
【関係機関を通しての手立てを考える】
・病院での診察を受ける
一度も受診していなければ、保護者の理解と本人の承諾を得て,行くことが必要で
ある。
・施設等のレスパイトサービスも検討する
保護者、家庭の休息ということも生きていくうえでは重要である。将来的には考え
ざるを得ない場合もある。特別支援学校などの場合、特に必要となる。
学校では子ども安定を勝ち取り、力を伸ばすことである。子どもの成長こそが保護
者を安堵させてくれるものと思う。
聞くことがある。そのような言葉や考えには、物事を変える力はまったくといってい
いほどない。それは、「責任は保護者にある」「責任は子どもにある」といっている
こととほぼ同じだからである。
「責任は適切な指導をできない、保護者に提供できない私にある」というスタンスか
ら始めないと、保護者との関係は生まれない。責任を保護者、子どもにおくと、次の
ようなことが起こる。
例えば太り気味の子がいたとする。その場合、保護者に対して、「このままではた
いへんです。間食をさせないようにしてください。」と安易に指導しかねない。
しかし、保護者にとって、そんなことは痛いほど分かっているのである。
間食させたくはない、しかし、暴れる、泣き叫ぶといった状況が続いたとき、して
しまうのである。させたくないがさせてしまう。そのようなときに、「どのようにし
たら間食させられずにすむか、そして精神的に安定して過ごせるか。」その手立てが
必要なのである。必要なのは、保護者と子どもの置かれた状況を受け止め、生活の質
が上がる手立てを打つことである。そのための手順を考えていきたい。
1 保護者の心理を知り対応を図る
保護者にアポローチするとき、まず保護者の心理状態が重要である。
【自信をなくしている保護者】
・自信をなくしている
・過剰に自分や子どもを責めがちである
・まわりに対して神経質になっている
・体を崩しがちになっている
そのような場合、これまで保護者がどのような思いで子育てをしてきたか、共感的
に聞き理解する必要がある。その場合にはカウンセリング的な対応が求められる。
【苦しい状況ながら方策を探る保護者】
・何とか現状でがんばっている
・改善の方法を探っている
・助けを求めている
そのような場合、段階を踏んで、積極的にアプローチを望みたい。以下は実際に対
応したケースから考えたものである。
2 具体的な実践
4月、まず行ったことは、以下である。
【子どものよいところをとにかく保護者に伝える】
指導を行い、その過程で出た子どものよい面をとにかく保護者に伝える。子どもの
変化を受け止められれば、そのことを認める担任に信頼が生まれる。
【具体的な手立てを考える】
そして、保護者と相談に当たる。その際、まず、話を聞くことが前提となるが、信
頼が生まれてきていれば、具体的な手立てを施したい。学校で行っていた手立てとし
て、
・一目で分かる視覚的な掲示を施す
・具体的な言葉で分かるようほめる
・一時一事の指示をする
といったことがあった。家庭でどのようなときに暴れてしまうかを確認した後、学校
での指導に合わせてできることを相談した。
【アイテムを渡す】
よい行為、悪い行為なども箇条書きで掲示したが、家庭でほめられる行為を聞き、
それをパウチにして渡した。相談では「考えて見ます。」といってもなかなか忙しい
中考えられない。そこを手助けしたい。
【家庭訪問し、相談の上、その場で対策を立てる】
家庭に行き、祖父母の話を聞く、兄弟の話を聞く。その中で見えてくることは山ほ
どある。その上で、相談して、以前にも考えた手立てをその場で施すのである。
以前訪問した際には、視覚的掲示をするためにマジックや画用紙なども持参した。
話を聞きながら記入し、最後は本人が出てきて掲示した。家庭では対応に追われ、ま
た生活もあり、なかなか対策を図れない場合がある。そこは手助けが必要となる。
【関係機関を通しての手立てを考える】
・病院での診察を受ける
一度も受診していなければ、保護者の理解と本人の承諾を得て,行くことが必要で
ある。
・施設等のレスパイトサービスも検討する
保護者、家庭の休息ということも生きていくうえでは重要である。将来的には考え
ざるを得ない場合もある。特別支援学校などの場合、特に必要となる。
学校では子ども安定を勝ち取り、力を伸ばすことである。子どもの成長こそが保護
者を安堵させてくれるものと思う。