思う・学ぶ・発達支援 心のケア サイト

特別支援教育の実践情報など。また,日々の喜びを見つけ、よくする手立てはないか考える、成長・教育のサイトです。

思いを受け止め,具体的な支援をする

2018年12月31日 | 教育
「保護者がしっかりしてくれれば」「この子ではしょうがないよね」といった言葉を
聞くことがある。そのような言葉や考えには、物事を変える力はまったくといってい
いほどない。それは、「責任は保護者にある」「責任は子どもにある」といっている
こととほぼ同じだからである。

「責任は適切な指導をできない、保護者に提供できない私にある」というスタンスか
ら始めないと、保護者との関係は生まれない。責任を保護者、子どもにおくと、次の
ようなことが起こる。

 例えば太り気味の子がいたとする。その場合、保護者に対して、「このままではた
いへんです。間食をさせないようにしてください。」と安易に指導しかねない。

 しかし、保護者にとって、そんなことは痛いほど分かっているのである。

 間食させたくはない、しかし、暴れる、泣き叫ぶといった状況が続いたとき、して
しまうのである。させたくないがさせてしまう。そのようなときに、「どのようにし
たら間食させられずにすむか、そして精神的に安定して過ごせるか。」その手立てが
必要なのである。必要なのは、保護者と子どもの置かれた状況を受け止め、生活の質
が上がる手立てを打つことである。そのための手順を考えていきたい。

1 保護者の心理を知り対応を図る

 保護者にアポローチするとき、まず保護者の心理状態が重要である。

【自信をなくしている保護者】

・自信をなくしている
・過剰に自分や子どもを責めがちである
・まわりに対して神経質になっている
・体を崩しがちになっている


 そのような場合、これまで保護者がどのような思いで子育てをしてきたか、共感的
に聞き理解する必要がある。その場合にはカウンセリング的な対応が求められる。

【苦しい状況ながら方策を探る保護者】

・何とか現状でがんばっている
・改善の方法を探っている
・助けを求めている


 そのような場合、段階を踏んで、積極的にアプローチを望みたい。以下は実際に対
応したケースから考えたものである。
 
2 具体的な実践 

 4月、まず行ったことは、以下である。

【子どものよいところをとにかく保護者に伝える】


 指導を行い、その過程で出た子どものよい面をとにかく保護者に伝える。子どもの
変化を受け止められれば、そのことを認める担任に信頼が生まれる。

【具体的な手立てを考える】

 そして、保護者と相談に当たる。その際、まず、話を聞くことが前提となるが、信
頼が生まれてきていれば、具体的な手立てを施したい。学校で行っていた手立てとし
て、

・一目で分かる視覚的な掲示を施す
・具体的な言葉で分かるようほめる
・一時一事の指示をする

といったことがあった。家庭でどのようなときに暴れてしまうかを確認した後、学校
での指導に合わせてできることを相談した。

【アイテムを渡す】

 よい行為、悪い行為なども箇条書きで掲示したが、家庭でほめられる行為を聞き、
それをパウチにして渡した。相談では「考えて見ます。」といってもなかなか忙しい
中考えられない。そこを手助けしたい。

【家庭訪問し、相談の上、その場で対策を立てる】

 家庭に行き、祖父母の話を聞く、兄弟の話を聞く。その中で見えてくることは山ほ
どある。その上で、相談して、以前にも考えた手立てをその場で施すのである。

 以前訪問した際には、視覚的掲示をするためにマジックや画用紙なども持参した。
話を聞きながら記入し、最後は本人が出てきて掲示した。家庭では対応に追われ、ま
た生活もあり、なかなか対策を図れない場合がある。そこは手助けが必要となる。

【関係機関を通しての手立てを考える】

・病院での診察を受ける
 一度も受診していなければ、保護者の理解と本人の承諾を得て,行くことが必要で
 ある。
・施設等のレスパイトサービスも検討する
 保護者、家庭の休息ということも生きていくうえでは重要である。将来的には考え
 ざるを得ない場合もある。特別支援学校などの場合、特に必要となる。

 学校では子ども安定を勝ち取り、力を伸ばすことである。子どもの成長こそが保護
者を安堵させてくれるものと思う。
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目と触覚で強く褒める

2018年12月31日 | 教育
「情報を整理して、その子に強く伝える」この意識が教師に必要である。発達障がい
のある子ども達は情報を整理することが極めて苦手である。多くの情報があると、頭
の中が交通渋滞になるのと同様である。

 では本人が自分で整理すればよいのか。それができないから困っているのである。

【脳の中枢神経における障がい】

 このことがずいぶん解明されてきた。その子がやろうとしないのではなく、できづ
らさを、まず理解しなければ、「何で聞いていないの?」「さっき言ったでしょ!」
と 叱るばかりである。

 ではどうすればいいのか。

【教師が情報をできるだけ整理する】

ことである。交通整理をするのである。

 伝えるうえで、もう一点、気を付けなければならない特性がある。それは、全体に
話したことは、自分に向けられた話として受け取りにくいことである。これは情報を
整理できないということに加え、大事なことに注意を向けられないことを意味する。

 では、どのようにすればよいのか。

【その子に伝わる特別な伝え方をする】


ことである。

 発達障がいのある子ども達は情報整理が苦手なために、雑多な情報があふれる中、
混乱の中に生きているようなものである。そのことを理解し、手立てを打つ。それは
教室で子ども達の力を高める教師の使命である。そのような話し方、伝え方は、間違
いなくユニバーサルなものとなり、「学級全員が分かりやすい」というベクトルに働
くものである。

1 シンプルな言葉で伝える

「教科書の三十二ページを開けて三番の問題をやりなさい」
 この言葉が、発達障がいやその傾向のある子ども達を混乱させることを、まず理解
していないと、発達障がいの子を指導するスタートラインに立てない。この言葉には

・教科書を出しなさい。
・三十二ページを開きなさい。
・三番をやりなさい。

と同時に三つのことが指示されている。
発達障がいのある子ども達はワーキングメモリーが少ない。一度に一つのことしか入
らない、もしくは最後の一つだけ残る、ということが起こってしまう。さらに、その
指示を達成するためには、ノートを開き、鉛筆を持ち、適切な位置より書き始める、
という動作が要求される。その時点で、先ほどの指示の保持は怪しくなってしまう。

【シンプルに一つ一つ伝える意識】

が必要である。「教科書を出します。」「三十二ページ。」「三番の問題をやりなさ
い。」このように区切り、間を二~三秒開けるだけで救われる子が、何人もいる。

 それでもついてこられない、混乱を呼ぶ子がいる。そのときには確認作業を入れ、
動かすのである。「教科書を出します」「出せたら『出しました』といいます」周り
の子が言うので、意識が高まり、行動が促される。「三十二ページ」「開けたら隣の
人と確認」。確認作業が入ることで、行動が継続する。「三番、指で押さえなさい」
「その問題をします」指で押さえることで確認作業が入る。

 指示を一つ一つシンプルに伝える。確認作業を入れる。これで教室の全員がまずは
問題に入ることが可能となる。

2 目で入れる

 学級全員に向けた言葉は発達障がいのある子には届きにくい。それは、ほめるとき
にも同様である。ではどうすれば届くのか。

【ほめるとき、ぐっと目を見る】

のである。例えば音読を例にとる。全員が読み終えた後、「よく声をそろえて読めま
したね」とほめるが、そのとき、発達障がいのある、または支援の必要なその子に対
しては、「ぐっと目を見る」のである。

 教師は笑顔で、心から「よく読めたね」という思いがほしい。全員をほめているが
その中にあって「君をほめているのだぞ」ということを伝える。そうすると、「あ、
ぼくがほめられたのだ」ということが伝わり、達成感となる。発達障がいの子は聴覚
的な指示だけでは伝わりにくい子が多い。目は視覚である。言葉を伝えながら、メッ
セージを「目で入れる」のである。

3 触覚で入れる

 先ほどは言葉と同時に目で特別な入力を行った。言葉を届かせるときに、もう一つ
有効なのは、触覚である。簡単に言うと、「触る」のである。「よくできたね」「そ
れでいいよ」「次の問題をやろうか」と言葉をかけるときに、

・肩を押す
・頭をなでる
・背中をさする


のである。「僕に言ってくれたのだ」ということが明確に伝わる。触覚から行われた
刺激は、中枢神経を通り、きちんと脳に伝わる。

 ただし、触覚防衛反応と呼ばれる過敏性がある場合、むしろ不快感を呼ぶ場合があ
る。その子が触覚に対して過敏性がないか把握しておきたい。また、高学年では気に
する女子児童もいるので、軽く肩を押し、笑顔で目を見るほうがよい。

 やり方であるが、指先でチョンと触ったり、ポンと叩いたりすると、防衛反応が働
き不快感となる。ポイントは、手のひらで圧をかけるようにペタッと触る、押す感じ
で触るようにすることである。ペタッと触ることで安心できる感覚入力となる。言葉
の指示がより明確に入る。

 言葉はシンプルに、目で入れる、触覚で入れる。この三つが基本である。このこと
を使いこなせれば、発達障がいの子に伝わるメッセージは計り知れない。ぜひ身に付
け、指導に生かしてほしい。
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子どもの本来の力を引き出す

2018年12月31日 | 教育
1 子どもが激変

 小学四年生の男の子。授業は始まりの五分ほど参加すると教室の外に出てしまう。
追いかけると、どんどん離れ、追いかけっこが始まる。水飲み場で休憩しているとこ
ろに声をかけると、「うるさい。おまえは嫌いだ、あっち行け!」と怒鳴る。児童ク
ラブでもトラブル続き。母親も困り果てていた。

 その子が激変した。教室で着席し、最後まで授業を受けるようになった。
「親への説明と薬の処方」がうまくいった例である。

 主にその子を見ている母親は学校側の説明もあり、医師に診てもらいたいと考えて
いた。しかし、父親はそれに同意しない。薬などいらない、子どもは、特にやんちゃ
なだけなのだという認識だった。

 そこで、父親に理解を図るため、話をする機会を持った。まずは、じっくりと父親
の話を聞く。聞いてみると、父親の子どもの頃とそっくりだという。また、父親はレ
スリング部に所属し、国体クラスまで行っている。その練習の過程は、厳しいもので
あったが、そのことが自分の力を最大限に引き出し、乗り越えてきたのだという自負
が感じられた。その背景があるから、必要以上に子どもに厳しく、医者などいらない
という思いがあることが分かった。

「すばらしいですね」そう言って受け止めつつ、「お子さんも同じように持っている
力を何とか開花させたい。今の薬は、行動をただ押さえるというのではなく、自分の
力をコントロールするものです」と話すと、「今度医者に診せる。薬の名前を教えて
ほしい」と言っていただいた。

2 薬の働き

 衝動性があり、行動のコントロール力の弱いADHD(注意欠如多動性障害)の場合、
「ストラテラ」(アトモキセチン)と「コンサータ」(メチルフェニデイト)が一般
的に処方される。処方される薬は、単に行動を抑制し押さこむというものではなく、
脳内の伝達物質の流れをよくして、正確な判断や行動を促すものである。

「ストラテラ」は伝達物質のノルアドレナリンを増やし、「コンサータ」は伝達物質
のドーパミンを増やす。

3 伝達物質の働き

 では、伝達物質の働きがよくなるとどうなるかである。
 「ノルアドレナリン」は選択的注意で情報を取捨選択し、記憶のメモリ台に載せる
働きを持つ。ノルアドレナリンが増すと、正しい物を選べる力が強くなる。記憶のメ
モリ台の上に正しい物を載せることができるようになるのである。

「ドーパミン」は取捨選択して選んだものから行動を決定する。ワーキングメモリ機
能を高めて行動を決定するのである。このワーキングメモリであるが、「外界から入
る情報」「予定記憶」「過去の記憶」などから、「選択的注意」によって、選ばれた
情報だけを一時的の保持しつつそれらを組み合わせて適切な行動に導くものである。

 ADHDの子がコンサータ、ストラテラを飲むと劇的に変わるのは、以上のようなメカ
ニズムによる。

4 医療にかかる瀬戸際で


 現在、二十歳を過ぎ行方が分からない。小学校のときから落ち着きがなく、衝動的
に行動してしまう、教室から出てしまう、話をまったく聞いていないといった様子見
られたが、注意をされるだけで適切な対処がされなかった。中学ではあまりにも勝手
なふるまいに「学校に来なくていい」と言われ、喫煙、万引きへと進み現在である。

 また、ある生徒は中学校で非行を繰り返し、とうとうトイレの便器をすべて破壊し
て補導された。その後ADHDと診断され、薬を服用することで精神的な安定と学習意欲
を取り戻して、普通学校へ入学することができた。

 前者は、どこかで適切な相談を受ける機会がなかったのか、医療とつなぐチャンス
はなかったのか、適切な対応と適切な薬の処方がなされていたら、人生は変わってい
たかもしれない。悔やまれる事例である。
後者は、ぎりぎりのところで救われた事例である。誰も対応できなかったその子は、
薬が幸い劇的に効いた。安定した気持ちと、集中力を取り戻し、学習がみるみる進ん
で高校進学までつながったのだ。

5 ストラテラで大きな変化

 発達障がいの子ども達のために、心のケアと周囲の理解を願って開設されたクリニ
ックがある。初診で、「育てのせいではない」と伝えると、ほとんどの母親は涙を流
すという。「子どもだけでなく、保護者、教師も一緒に救いたい」という鈴木医師が
語る、治療薬「ストラテラ(アトモキセチン)」の効用について紹介する。

 5ステップに薬の量を変え,その効用を探った。そこで明らかな変化が見られたの
である。学校では

・忘れ物がなくなった。
・ノートがきれいになった。
・登校班に入ることができた。
などの変化が表れ、家庭では、
・朝ぐずることがなくなった。
・スーパーで親と買い物ができた。
・耳鼻科で器具いたずらがなくなった。などの変化が表れた。

 服用に当たっては、慎重に子どもの体調を観察して行った。その子により、適切に
効果が表れる量があり、そこを探り当てることが大切だともいう。

 周囲の理解と環境の整備はもちろん欠かせない。その上で併用して薬物の療法も加
えていくことで、たくさんの子ども、親、そして教師を救えるのである。生物学的な
問題は医師に頼るしかない。

6 薬は医師、教育は教師

 医師の治療はどのようになされるか。それは、「診断―処方―経過観察」である。
それが医師としての「治療」である。病気であれば、それで元に戻ることで、回復、
完治ということになる。

 しかし、発達障がいの場合、医師により「治療」がなされた後、「教育」が必要と
なってくる。薬が処方され、伝達物質がうまく流れ、安定を取り戻した後が重要なの
である。安定して授業を受けるということや静かに学習するとはどういうことか、他
の人とのかかわり方はどうすればよいか。イライラしたときに気持ちを落ち着けるに
はどうしたらよいかなど、そこで学ばなければ、また元に戻ってしまう。薬を処方さ
れた後、本当の治療教育を行えるのは教師だけである。
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目力で勝負する

2018年12月30日 | 教育
特別支援の必要な子に目線、目力は欠かせない

 言葉の理解がままならず、会話がなかなか成立しない場合などは、目からのメッセ
ージが相手とのコミュニケーションの入り口ともなるためである。以下、その使いわ
けについてあげる。

1 温かな包み込む目線

 温かな空気が必要である。授業の中で、厳しいメリハリは大切であるが、全体を心
地よく流していくために、目から発せられる温かな目線が欠かせない。授業に余裕が
ないと、たちまち消えてしまう。温かな空気が特別支援の必要な子の精神的な安定を
促す。

2 わずかに長く目線を止める

 授業を安定させることが特別支援の必要な子の安定、集中につながる。そのために
は、きちんと目線を止めて全員を見なければならない。全員を見ていても流し目では
何もしないと同じである。ほんの0.8秒にも満たないわずかでもぴたっと止めるこ
とで、自分を見ていると意識が持てる。 

 そして特別支援の必要な子には「ほんの少し長く止める」のである。知的な遅れが
ある場合、脳の伝達速度は通常の1・5倍かかるといわれる。そのことを意識して、
クラスの全員に目線を止めながら、特別支援の必要な子には、わずかに長く目線を止
めるのである。

3 最後は目力で勝負する

 特別支援学校での授業を考えた場合である。その活動では、子ども達の心をぐっと
惹きつけて進めていく必要がある。

 IQが40以下、50、高くて60の子ども達を対象とした場合、距離を置いた状
態では授業に子ども達がついてこない。子ども達の心をぐっと引き寄せて、心をわし
づかみにするくらいの気持ちで行って、初めで授業が成立する。ここが、IQ75以
上の子ども達を対象とした場合の授業と違う点である。 

 ただ、このやり方は、通常学級でそのまま行おうとすると、クラスがぐちゃぐちゃ
になる。私は3年間の研修交流で小学校に勤務したが、その1年目に子ども達の心に
ぐっと入る対応をしていくと、逆に私の方にどんどん子ども達は入り込み、全員に対
応することはとてもではないができなかった。通常の学級では距離が必要である。教
師が統率者であるという自覚が必要である。

 しかし、時には、子ども達に入り込む対応も必要である。クラスの特別支援の必要
な子も巻き込んで乗せなければならない授業の場面、もしくは場合である。

 そこでは「目力」が勝負となる。教師のテンションを上げ、「やってみようよ!」
「挑戦してみたい?」と思いっきりの笑顔で投げかける。その勢いと目力に引き寄せ
られ、一歩を踏み出す子も多い。

 通常のクラスでは全員に目線を送り、その上で、配慮が必要な子には特別な目線で
対応することが必要となってくる。 
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どの子も覚える暗唱指導レシピ

2018年12月29日 | 教育
注意は一切せず,何度も何度も声に出す。
少し覚えるたびに,何度も何度も褒める。
この繰り返しで,一度も叱らずに覚えてしまう。


 名文の暗唱をするホームページはインターネットを開くといくつもある。その中で
自作の清少納言「枕草子」の暗唱を行うページを扱う。

1 指導の準備

 枕草子の春夏の季節を歌っている詩を印刷したプリントを渡す。スクリーンを見て
練習するが、分からないときには見てもよいものとする。

 教室にはパソコンの画面を映し出すスクリーンとプロジェクターを用意する。スマ
ートボード、もしくは大画面テレビでもパソコンとつなげればよい。適当なスクリー
ンがないときには、白い模造紙を黒板に二枚つなげて貼り付けても、十分見ることが
できる。

 トップページを写したら早速始める。

(※検索の窓に「枕草子 暗唱」と入れ、「名文の暗唱に挑戦」ページへ。)

 トップページには「清少納言・枕草子」という大きな文字と、春・夏・秋・冬のボ
タンが現れる。

2 指導のレシピ

「春というと何を思い浮かべますか」
 
 何人かに聞き、夏も同様に聞く。イメージを共有していく。

今日はそんな季節を歌った詩の暗唱に挑戦です。後について
読みます」


 後について読ませていく。

「今度はスピードを上げて読みます」

 同様に後追い読みをするが、児童が最後の一文字を読み終わる寸前に教師は次の一
行を読む。

「これから画面の文字が消えていきます。あると思って読みます」

 読み仮名と題名を消し、春の詩だけ読ませる。

「さらに、少しずつ消えていきます」

「あると思って最初から。さんはい」

 文字が少し消えるたびに「はい」といい、春の詩を最初から読ませる。十二回読ま
せたところで全文が消える。

「春の詩を完全に覚えたら先生のところに来なさい」

 春の詩を覚えて合格したら、夏の詩も覚えるものとする。

「夏の詩は自分で覚えます。プリントの下から下敷きで少しず
つ隠しながら覚えなさい」


 配ったプリント高く上げて見せ、下敷きで少しずつ隠すやり方を師範してみせる。
 春の詩を覚えたら、教師の前でテストを受ける。この際、

「つっかえ、言い直し、少しでも間違えたら不合格です」
 

 続いて夏の詩もテストを行い、早く合格した子から試験官を五名作る。

「合格した子五名までを試験官とします。先生でも試験官でも
どちらも合格となります」


 自信のない子も、友達が試験官なら気が楽にテストを受けることもできる。
 こうして、短時間のうちに多くの子が合格していく。この日、合格できない子も、
明日テストすることを告げ、がんばって覚えてくるよう励ます。

3 暗唱と枕草子

 文章を覚えて、すらすら音読することを暗唱という。暗唱は江戸時代、寺子屋で行わ
れていた優れた学習法であり、語彙が増え、言葉が豊かになる。

 「枕草子」は鴨長明の「方丈記」、吉田兼好の「徒然草」と並んで日本三大随筆と言
われる。その作りも天才的と言われ、内容も奥深い。自作ホームページの中には読み取
りのページもあるので、ぜひ、興味を深めるために扱っていただきたい。

http://www1.ttcn.ne.jp/~motokazu.K.home/meibunansyou.htm

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