思う・学ぶ・発達支援 心のケア サイト

特別支援教育の実践情報など。また,日々の喜びを見つけ、よくする手立てはないか考える、成長・教育のサイトです。

支援級にいる知的に重い子の対応と今後の就学について

2019年04月27日 | 教育
1 主訴

・食事で嫌いなものが多く,口に入れてから出してしまう。
・教師の胸にタッチしようとするなど性的な関心が出てきている。

2 様子

・IQは50以下。小1から支援学級に在籍している。
・会話は2語文。(トイレ行きたい,プールいく等。)
・動物パズルが好きで,30分着席していられた。(いつもは15分くらいで
 ハンカチを噛み始めることが多い。)
・国・算・理・社は支援級で行っている。
・お尻がうまくふけない。
・給食では野菜類など一度口に入れて出してしまう。
・ごはんはレンジで熱くしないと食べない。

3 対応

・性的な部分は,今後父親の協力が必要。面談などで直接相談できるとよい。
・分かりやすい表示を心がける。次の授業を気にして,「プール?」など聞い
 てくるので,移動の時には場所の写真など,掲示して自分で気付いて見通し
 がもてるようになるとよい。
・いけない行動は叱ったり,怒ったりするのではなく,よくない行動であるこ
 とをきちんと伝え,正しい行動を見せたり,やらせたりしてよい社会スキル
 に変えていけるとよい。
・給食は少しずつ食べられるようになっていければよい。一度にやらせようと
 するとトラウマになったり,フラッシュバックとして残ってしまうので,一
 粒ずつでもいいからチャレンジして,できたら褒めるようにしてはどうか。
・時計は,ご飯を食べる時間,テレビの時間,おやつの時間など,日常の場面
 と併せて,マッチングで指導できるかもしれない。


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離席が多いアスペルガーの児童(小2)

2019年04月24日 | 教育
1 主訴

・落ち着いて授業を受けることができず,支援学級でも10分くらいで離席してし
 まう。一般学級での授業も多く,どのように対応したらよいか。

2 学習の様子


<支援級>

・漢字の学習では,やりたくない様子を見せ,2つ漢字を書いて音読の後,15分
 くらいで教室の後ろに行った。支援員と室内バトミントンを始めた。

・休み時間は支援級の友だちとサッカーゴールの所でシュート練習をした。

・3時間目九九の練習では,やりたくない様子が見えたが,支援員に抱きついたり
 かくれんぼをしたりする場面もあったが,最後は着席して取り組んだ。

<一般学級>

・体育では縄跳びを行った。前跳びはできるが後ろ跳びは難しい。
 長縄跳びでは,一人だけ跳べなかったが,頑張っていた。

3 環境や指導について

<環境面>

・前の本棚を白カーテンで覆っていることがよかった。子どもたちの気を散らさな
 い工夫。
・別な学年の子と学習の場を分けているパーテーションがよかった。
・学習の流れを黒板に書いてあるのが分かりやすくてよかった。

<指導面>

・「あと○分です。時計を見てください。」と時間の経過を言ったり,時計を指さ
 して注目させたりしているのがよい。

・どうしても学習に乗れないとき,「室内バトミントン」「かくれんぼ」など,楽
 しい学習が途中にありよい。

・かけ算,引き算の繰り上がりをしっかり書いてあるのが分かりやすくてよい。

・室内バトミントンは,方向のコントロールするなど力の調整力が付き,とてもよ
 い。

4 課題

・IQ62である。認知的には,幼稚園の年中さんと小2の子が同じクラスで勉強し
 ている状態である。相当配慮しないと,学習についていけない。

・全体に話をして,みんながやり始めたら個別に声をかけてフォーローすることが
 必要。全体に向けた話は聞きもらしたり,よく分からないでいることが予想され
 る。

・今後,社会や理科の学習に入ると思考する,話合うといった学習も多くなり,つ
 いていけないことが予想される。ここだけは写す,どうしてもわからないとき,
 追いつかないときには,資料集を見ていてよい,書かれたものを貼りつけるなど
 負担をかけないよう配慮することが必要となる。

・IQ62の結果は,一人で精いっぱい集中した場合の値なので,実際,集団のなか
 では,それよりもさらに少し下がる値の学習が達成感を生み,意欲につながっていくの
 で,配慮していってほしい。
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ADHDの診断を受けた児童3

2019年04月23日 | 教育
1 家庭

・養育をしている祖父母とも,一時無理な勉強をさせないようにしていたが,
 落ち着いてきたのでまた,かなり頑張らせ始めている。

2 様子

・一般学級での授業では,前半で出てしまったが,支援学級での算数の学習では
 6cm×6cmのサイコロを描いてつくる学習で,45分間座って授業を受け
 ることができた。

・給食では,友達と楽しそうに話しながら食べることができていた。出歩かなく
 なった。

・先生や友達の残したサケの皮を勝手に食べようとするので,その都度,「聞い
 て,いいよ,と言われてからもらうんだよ」と笑顔で伝えると,その通りにし
 た。

3 今後について


・4月のほとんど学習できない状態からすると,ずいぶん,座って,落ち着いて
 学習ができるようになっている。

・7月にWISCの検査をして,2年生の学習が難しいことが分かり課題を下げたこ
 と,はっきりと支援学級で学習できる体制を組み,本人に合った学習課題を与
 えたことがよかったとのことである。

・給食の時,笑顔でやり直しをさせると,一つ一つやり直しが効いたので,日頃
 から,その場に合わない行動をしているときには,正しい言葉やふるまいを教
 え,できたら褒めることで身に付けさせていけるとよい。

・6cmの正方形を自由に描かせ,間違っては消し,間違っては消しをしている
 うちにイライラをためていた。(トライ&エラー学習になっている。)

①方眼を6個数える
②点を打つ
③線を引く

 という具合に,作業を分けてスモールステップで進め,成功体験を積み重ねる
 学習がよいことを話した。(エラーレスラーニング学習にする。)

・祖父母が高齢で,数年後も心配である。祖父母の了解を得て,福祉課にも家庭
 の状況を話して,相談にのってもらうようにするとよいことを話した。

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ADHDの診断を受けた児童2

2019年04月21日 | 教育
1 巡回後の経過

・視覚的な支援を加えることで,通常学級での授業を前半は受けることができる
 ようになってきた。支援学級での学習もできるようになってきた。

・養育者の祖父母は,以前は周りの子に追いつかせようと,勉強,勉強という感
 じだったが,本児の特性を理解して,無理に勉強させることがなくなった。

・それに伴い,以前は「甘やかしている」と厳しい態度を示していた支援員さん
 に対して,よく見てくれる人という気持ちに変わった。

・家庭で,暴力や暴言がなくなった。

2 学校生活

・通常学級で,学習の前半は席についていられるようになった。

・音楽で,歌の時には,歌詞を指さしてもらいながらよく歌ったが,ピアニカに
 なると1番だけがんばり,後は後ろで粘土をした後,支援級に行ってしまった。
 (難しさ,苦手さが本児にとって高かったようである。)

・その後,すぐ近くの自宅に戻ってしまったが,給食で誘うとまた教室に戻った。

・給食はみんなと食べ,離席がなくなった。

・昼休みのキックベースボールはみなファジーなルールでやっていたので,一緒
 について遊べていた。

・5時間目は支援学級で国語の学習をした。その時間やることがB6くらいの紙に,
 番号を振って書いてあり,1つ終わると花丸をもらうシステムになっていた。
(このようにしてから,すぐに着席し,終わるまで離席しなくなった。)

・掃除では,床の雑巾がけを最後まで頑張っていた。

・帰りの会も着席して待つことができた。

3 今後の支援


・黒板に音楽でやることを箇条書きでかいてあること
・音楽のリズムとテンポ
・シーンとしてベルが鳴るまでする歯磨き
・帰りの持ち物の5点セットカードを黒板に貼る

といった,視覚的ガイドや音を使った合図がとても素晴らしく分かりやすいと伝えた。

・全般的に落ち着きが出て学習に乗り始めている。できる課題を大事にして増やし,
(急に課題をあげて負荷をかけない)やろうとしたり,できたときにはほめることを
 心がけるようにし,成功体験を増やして,学習により意欲を持たせることが学習の
 定着につながると思うと伝えた。

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ADHDの診断を受け児童(小2)

2019年04月20日 | 教育
1 主訴

・多動傾向で授業中に教室から出てしまう。やりたくないことがあると怒り出す。

2 経過

・相談後,医療機関に受診した。その結果ADHDの診断が下りた。

・養育の中心である祖母はとにかく勉強をさせようとしていたが,障害の特性から
 無理にさせない方がよいことを理解することができた。

・ドクターより,うまくかかわっていくことで,しっかりした子になるという話を
 聞き,安心できたとのことだった。

・ドクターからは,とにかく怒ったり叱ったりせず,笑顔で「ごめんね,○○して
 くれる?」という言い方で対応してください,と言われたそうだが,なかなかそ
 のように急に接することはできず,困った気持ちもあるようだった。

・月に一回通院して状況を話すこととなった。

3 対応


・ドクターのアドバイスを尊重しながら,WISCの数値を基に学習支援の具体的なお
 話をした。

・祖母,担任,特別支援学級担任,支援員とともに,祖母の話を聞きながら共通理
 解を図った。

・祖母は無理に学習をさせることはしないようにすると話されていた。

・学級では,スモールステップでの学習を意識したり,スケジュールをよく確認し
 たりと,分かりやすさを意識していくこととなった。




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