不可思議な空間に、身を置く――。
火の焚かれる匂ひと、翳。まどろみと静寂。
吹く筈のない風が、部屋に起こる。
揺れる燭の、焔の揺らめき。
浮かびあがりしは…
艶めかしい女の姿、そしてその陰。
無意識に差し伸べる腕、撥ねつけられるような圧迫。
ふいに女が動いた。
伸ばしていた腕を絡め取られ、引き寄せられる。
甘い薫りに幻惑され、女は一瞬にして俺の躯を虜にした――。
【終わり】
著作:紫草
火の焚かれる匂ひと、翳。まどろみと静寂。
吹く筈のない風が、部屋に起こる。
揺れる燭の、焔の揺らめき。
浮かびあがりしは…
艶めかしい女の姿、そしてその陰。
無意識に差し伸べる腕、撥ねつけられるような圧迫。
ふいに女が動いた。
伸ばしていた腕を絡め取られ、引き寄せられる。
甘い薫りに幻惑され、女は一瞬にして俺の躯を虜にした――。
【終わり】
著作:紫草