『君戀しやと、呟けど。。。』

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『その先の…』

2009-07-30 21:39:44 | 作品b 【掌編】
 不可思議な空間に、身を置く――。

 火の焚かれる匂ひと、翳。まどろみと静寂。
 吹く筈のない風が、部屋に起こる。
 揺れる燭の、焔の揺らめき。

 浮かびあがりしは…

 艶めかしい女の姿、そしてその陰。
 無意識に差し伸べる腕、撥ねつけられるような圧迫。

 ふいに女が動いた。
 伸ばしていた腕を絡め取られ、引き寄せられる。
 甘い薫りに幻惑され、女は一瞬にして俺の躯を虜にした――。
                  【終わり】

                       著作:紫草
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