何故、信じない。お前の他には、もう誰も要らない。
だから、みんな切ったのに。なのに、どうしてお前は信じない。
「嘘つき」
という言葉がきつかった。自業自得と言われてしまえば、それまでだ。
でも、本当に嘘じゃない。何があっても、手離したくないと思った女は初めてだった。
母親のだらしなさを骨身に沁みている俺には、女なんて適当に遊んで切り捨てるだけの玩具と同じだった。
でも、お前は違う。
俺の為に泣く女はいても、叱りつけた女は初めてだったんだ。
「俺を独りにするな」
お前の指が頬に伸びて、初めて泣いていることに気付いた――。
【終わり】
著作:紫草
だから、みんな切ったのに。なのに、どうしてお前は信じない。
「嘘つき」
という言葉がきつかった。自業自得と言われてしまえば、それまでだ。
でも、本当に嘘じゃない。何があっても、手離したくないと思った女は初めてだった。
母親のだらしなさを骨身に沁みている俺には、女なんて適当に遊んで切り捨てるだけの玩具と同じだった。
でも、お前は違う。
俺の為に泣く女はいても、叱りつけた女は初めてだったんだ。
「俺を独りにするな」
お前の指が頬に伸びて、初めて泣いていることに気付いた――。
【終わり】
著作:紫草