天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

「坂東薪車が語る!上方歌舞伎への誘惑」

2012年07月23日 | イベント・コンサート
昨日(7/22)梅田のサンケイリビングカルチャー倶楽部で催された1回講座「坂東薪車が語る!上方歌舞伎への誘惑」に行って来ました。

午後1時から3時まで、司会進行が講師林和清さん。途中10分の休憩をはさみ、途中サインがもらえる抽選会がありました。
年配の方から20代くらいの若い方まで、ほとんど女性、100名くらいの方の参加でした。

本当に、カルチャーセンターの一室で、ずらずらずらっとパイプ椅子がならんでいて(互い違いに並んでいたのが嬉しかったです。ええ加減南座や松竹座もそないしよし)、私は運よく3列目の真ん中に座りました。
テーブルに白い布がかけられたのがふたつ。ペットボトルの水が置いてあって、マイクの先のスピーカーはラジカセ(笑)。

1時から、司会の林和清さんのごあいさつが5分程度あり、お待ちかねの坂東薪車さん登場。

グレーのカジュアルっぽいジャケットに黒のインナー、で、深緑っぽいストール?をされてました。
舞台やお写真でみるより100倍かっこよく、なんか、戦隊モノの青か赤っぽい俳優さんみたいなかっこよさ。
びっくりしました。

しかも、普通、下手に聞き手、上手にゲストが座られるかと思うのですが、逆で、ちょうど私の席から誰も邪魔されることなく薪車さんが!
なんて幸運なことなんでしょう。

記憶を辿りに覚えている限り内容以下にまとめてみます。
あやふやで違うこともあるかもしれませんが、なんとなくということで…。


薪車さんが歌舞伎に入られたきっかけ
もともとジャッキーチェンにあこがれていて、アクション俳優になりたかったとか。
雑誌「月刊デビュー」に載っていたオーディションに受かってミュージカル(だったかな?)に出演してこの世界に。
北島三郎さんの舞台で殺陣の斬られ役もされていたとか。
そして、「ヤマトタケル」に本名で出演されたときに歌舞伎に魅せられて、竹三郎さんに「歌舞伎好きやなあ。」と声をかけられたのをきっかけに、入門、芸養子に。

本名は鈴木道行
ご両親が駆け落ちして初めてできた子だから「道行(みちゆき)」さんだそうです。

私、その時、「ほんまあ~。」って口に出てしまい(小さい声で)そしたら、薪車さんと目があってしまっていて、「ほんま、ほんまなんです。」って言われてました。いやん。

海老蔵さんの代役
海老蔵さんが松竹座のお風呂場で怪我をしたとき、仁左衛門さんがお呼びと弟子の方から呼び出しがあり「中日も過ぎてダメだしかあ。」と恐る恐る楽屋に言ったら、眉を引きながら「義経覚えとき(勉強しとき?)。」とひとこと言われたとか。「近いうちに義経できるのか。」と喜んで笑顔で台本を読んでいたら、大人数で抱えられて運ばれる海老蔵さんを見て、ことの重大さにその時気がついたとか。しかも本番は40分後。
普段から舞台は見ていたが、まさかこの役をするとは思っていなかったので別の役を見ていたとか。
近くで、隣で知盛の仁左衛門さんが見れて勉強になったとおっしゃっていました。

これまでの役を振り返って
ホワイトボードに主なお役の写真が飾ってあり、それぞれコメントをつけていかれました。
「義賢最期」の進野次郎では、腰からついている(?)びらびらっとしたの(名前をおっしゃいましたが失念)が5kgもあって、それを蹴り上げながら膝を上げて花道を進むのは大変だそうです。
おしまいは藤山直美さんと共演されたときの写真。夫婦の役だから、抱き寄せたりする場面もあったが、普段は女形さんを相手にしているので、女性をどこまで抱いたらいいのか力加減が分からなかったとか。
林さんに「直美さんを女性として魅力を感じたんですね?」みたいなこと言われて返答に困る薪車さんがかわいかったです。

薪車さんが一言書いたサイン色紙や薪車の会の手ぬぐいが当たる抽選会がありましたが、いつも通り当たりませんでした。何回もこんな会に参加していますが、一度も当たったことがありません。すごいな私。

10分休憩があったあと、第二部。
扇子を持ってちょっとした振りをつけて入ってこられた薪車さん。「洋服でするのは恥ずかしい。」とおっしゃっていましたが、一気に「ああ、やっぱり歌舞伎役者さんやなあ。」と思いました。

また、下手の席に座られて、相変わらず「きゃぁ~、目が合うじゃないのぉ。」な場所。
あんまりしげしげ見つめると、何度も合ってしまいそうで恥ずかしくて、時々下を向いてしまった私でした。

扇子でいろいろなお稽古
実際小道具で稽古するわけでなく、お扇子で代用されているとか。
煙草を吸うしぐさ、三味線を弾いたり、戸の開け閉めであったり。林さんが「お蕎麦食べてください。」と言われて、噺家さんみたいにずずぅーーっと。かわいい
そしてすかさず林さん「じゃあうどんは?」と言われて困る薪車さんがまたかわいらしかった。

薪車の会の演目について
忠臣蔵の五段目と六段目について林さんがフォローをいれながら、丁寧な解説。
「真実を知っているのはお客様だけ。」という薪車さんのお話に「なるほどなあ。」と感心してしまいました。
林さんが「切腹してから、長い長い、しゃべるしゃべる。無実やとわかったら医者呼べばいいのに。」というツッコミに笑ってしまいました。私も普段から思ってしまうことです。
今回の勘平は是非やってみたいお役だったそうで、しかし竹三郎さんからは「早すぎる。」と言われたそうですが、本来ならおかやを演じるところ原郷右衛門の役で、薪車さんの指導にあたられるそうです。

玉三郎さんについて
玉三郎さんの舞踊公演に船弁慶の義経役で出演されたときのお話から。
私、「見ました!」とまた、小声で出てしまい、その時薪車さんと目が合ってて、「ご覧いただけましたか。ありがとうございます。」と言われてしまいました。いやん。
過去の記事に書いておりますが、もう睡魔との戦いでしたが、薪車さん良かったと思いましたもん。本当。
当時はそうは思いもよらなかったんですが、大抜擢だったんですね。
「義経は1ミリも動いてはいけない。」といわれて大変だったそうです。動かないで話すと心が出ると。人はどうしても身振り手振りをしながら話すと。そうすると気持ちや心が出ないということだそうです。
私なんてオーバーリアクション気味なので改めようとその時考えてしまいました。
阿古屋でも出演された薪車さん。玉三郎さんは舞台ではピーンと張り詰めている、舞台裏では誰も笑い話などしないそうですが、素顔は優しい方だとおっしゃっていました。
それから、玉三郎さんはお客様が座られるまで、5分でも幕を開けるのを待たれるそうです。

普段の薪車さん
趣味がない、とインタビューで答えたりされているそうですが、子供のころレスリングをやられてたそうで、大の格闘技好きだそうです。しかし竹三郎さんに「品がないから言うな。」と言われて趣味がないということになったそうです。林さんは「こんな役者さんもおられてもいいんじゃないですか。」とフォロー。私もそう思いました。

好きな女性のタイプ
40歳、独身の薪車さん。「好きな女性のタイプは?」の林さんの質問に、「あわせてくれる人、何をしても見守ってくれる人。奥さん次第で上にも下にもいけるから。」みたいなお話でした。私の隣のおばさんは「今こんな人おらんわぁ。」とぼそぼそ言うてはりましたが、林さんもおっしゃっていましたが、役者さんの奥さんになろう方はやっぱりそれだけ大きな方でないと務まらないと思います。

あっという間の2時間でした。時おり大阪弁を交えた優しい語り口で声は田村亮さんのような甘ぁい感じ。ひたすら目が合ってしまう席でしたので(今回は思い込みではありません!本当です!)、恥ずかしいやら何やらでもう…いやん。

今年は薪車さんの会に行けなくて残念でたまりませんが、どしどし応援していこうと思った次第です。
ああ、かっこよかった。

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2 コメント

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Unknown (みずほ庵)
2012-07-24 10:47:54
腰まわりに付いてる、びらびらしたの。

草摺(くさずり)ですかね?

そんな重いもんなんですねー。
返信する
みずほ庵さんコメントありがとうございます (むく)
2012-07-29 11:17:04
亀レスすみません。

軽そうに見えるお衣装も実は重かったりするんですね。軽々しく動いてらっしゃいますからわかりませんね。すごいなあと改めて思いました。
返信する

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