M様邸、大工さんがえらく高いところで作業中です。
何をしているのかと言えば…
この分厚い板を、軒先に付けているのでした。
これは「樋隠し」というものですが、無添加住宅の独特な部材です。
屋根に葺く天然の玄昌石「クールーフ」とセットなパーツです。
樋隠しは、雨樋を見せない美観のためという目的の他に
もうひとつ大切な役割を担っています。
玄昌石は、その性質からまれに表面が剥離することがあります。
施工後に万が一剥離が生じて、破片が滑落することがあった場合に備え
路面に飛散させない防護壁としての役割をするのが、樋隠しなのです。
ですから、驚くほど厚みのある板を、頑丈な金物でしっかりと取付けます。
今回、M様邸では道路境界のきわきわにこの樋隠しが迫っていますので
軒先からサゲフリを垂らしての、慎重な作業をしてもらっています。
熱いコーヒーを淹れて、岡村棟梁を労ってきました。
さてさて、外壁の方も仕上げのしっくいが塗られ
いよいよ白いおうちが姿をあらわしてきました。
柿渋のほんのりピンクも、日に日に薄くなってきています。
すっかり乾いた頃には、結晶がキラキラと輝くのです。
足場や養生シートが取り外されるのも、もう間もなく!
楽しみですね。
(神戸ショールーム 田端広子)