ポーキーはヤメにしよう

　自分のことを「ポーキー」と呼ぶと、どうも自虐、自己憐憫のにおいがして、気分がよくない。
　自分に誇りをもって生きられない。困る。

　なので、ポーキーを自称するのはヤメにする。

　以後は、トリックスターと自称する。

　ふふふ！　中二病ここに極まれり。
　雪月れんげは、寂しがり屋の構ってちゃん、中二病患者にして、トリックスター！！

　あてどもなく旅し、境界を越え、物語を発動させるもの。

　……私はいつからトリックスターだったんだろう？　そしていつか、トリックスターでなくなる日も来るんだろうか？　全然わからない。

　トリックスターの弱点である、「秩序を乱す」「正しい部分と同時に邪な部分も持つ」というところには、じゅうぶん注意するよ。
　もう、自分が何者なのかわかったからな。

　タロットカードでいえば、『愚者』がトリックスター的な性格を持っているんだった。
　『愚者』は、常識や固定観念にとらわれない自由な発想、動きができる長所を持っている一方で、これから自分が踏み込もうとする世界について無知であり、挫折する危険もある。

　常識や固定観念にとらわれないのは良いことだが、だからといって、常識や慣習を「学ばなくていい」ということにはならないし、他人の感情を無視していいことにもならないんだ。

　……また、中学生が気づきそうなことに今更気づいているな。

　しかしまあ、こうやってプライドも何もかなぐり捨てて自分を見つめなおせるのも、『愚者』やトリックスターの長所であると思うぞ。自分で言うのも何だけど。

　うん。雪月れんげはトリックスター。そういうことにしておいてください。