サイコパス☆ランチ

40代の新米パパ・1級建築士で宅地建物取引士【ゆりかご打法・中川修一朗】が、住宅関連を熱く語る暴走日記

住宅知識(2)

2005-11-26 19:02:49 | 建築でバンザイ★
(1)の続きです

この画像は(1)の画像の一部分をアップにしたものです。いったい何かと尋ねたら… 何のことはない、ただの【ビニールのフィルム】なのです
なんだよ~別に大したことなさそうじゃん!と思うでしょうが、これが結構大事な役目を果たしているのです

何十トンもの重さがある住宅の最下部にビニールが敷かれているってのも、なんだかお花見の宴会のような感じで笑えますよね でもこのフィルムの効果はまさにその通りの効果を発揮しているのです

もちろん住宅は何十年も存在し続け、雨風に耐え続けなければなりません その間に雨は幾度となく振り、雨は地面に吸収されることとなります。吸収された雨は地下へと浸透し続けるものもあるでしょうが、これと同時に【湿気】として、その多くが大気中に放射されているのです

先程は花見の宴会なんていいましたが、宴会をやってる最中にお尻が湿気で濡れちゃったら…楽しい気分も冷めちゃいますよね? 住宅もそうなんです 住宅が健康な状態であり続けるには、下から放射される湿気を抑える必要があるのです 下から沸いてきた湿気は、基礎最下部のフィルムに跳ね返され、土中に浸透していくことになります。

基礎自体の鉄筋やコンクリートに注意を払うのは当たり前のことですが、それ以前の処置も極めて重要です
住宅に携わる同業の方々が世間を騒がせているニュースには、怒りを通り越しただただあきれるばかり… これから建築業界として重要なのは、ここで襟を正して一つ一つの当たり前のことをコツコツと積み上げていくことと、こういった完成までのプロセスを多くの人に知ってもらうことだと思います
 



住宅知識(1)

2005-11-26 18:42:48 | 建築でバンザイ★
たまには建築の話をしないと、まるで職業が馬券師みたいな感じですよね(笑)

住宅を作る上での工程をちょいちょい抜粋して、基礎的な説明なんかができたらなぁ~と思います 必ずしも工程の順番どおりにならないのはあしからずです できるだけつぶさに説明できたらなぁと思います

この画像は、先日更地状態でアップした『上高田』という現場の現況写真です 建物の基礎工事に入る前の、地業工事(土を漉き取ったり、地均しをしたり、地面を締め固める)の後の状態で、これから基礎工事に入っていきます

木造住宅の基礎は大きく二つに分かれ、【布基礎】と【ベタ基礎】のどちらかに分類されるのがほとんどではないでしょうか。両者の説明に関しては割愛させていただきますが(本屋さんに売っている建築関係の本でも違いが分かるかと思います)、この物件は後者のベタ基礎の予定です。より強度が高く安全性も高いので(コストも高いですが…)、ハウスメーカーや建売業者のほとんどが、この工法を採用してると思います
で、今の状態は【捨てコン】と言われる状態です。これは何を目的としているかというと、基礎全体の位置や各部位の長さを正確に出すために、本チャンで基礎のコンクリを打つ前に先立ってコンクリートを薄く打っている状態なのです。このコンクリートが乾燥すると、コンクリートの上に直で配置をマーキングします(建築の言葉では「墨を出す」と表現します) お分かりかと思いますが、土の上に配置を正確に書き込もうとしても、ペンやチョークや枝の先っちょでは消えてしまうからです(笑)
必ずしもこのやり方ばかりが正しい訳ではなく、各社のノウハウによっては違った施工方法を取ることもあるでしょうが、捨てコンを打って配置を出すという方法は極めてオーソドックスな手法です  土木分野でも使われています。

まさに【基礎】というだけあって、この上に立つことになる土台や柱に大きく影響するものです 人間も住宅もやはり基礎がしっかりしていてこそ、安定し成長していけるものなのでしょうね