長崎めぐみ教会 tearoom 2

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「神を見る生活」ロイ・ヘッション著(湖浜 馨訳)から-8-

2019-05-14 14:12:37 | 読書

4.真理としてイエスを見る (1)

 p46

 

 イエス・キリストが私たちの必要を満たすおかたであることを知って、私たちは心からの感

謝をささげた。では私たちの最初にして根本的な必要とはなんであろうか。それは真理ーー私

たち自身および神についての真理ーーを知ることである。それがわからないうちは、私たちは

鎖国の領域に住んでいることになり、恵みの世界については無感覚である私たち自身と神に

ついての真理がはいって来て、私たちが住んでいた錯覚の建物が破壊されることが、失われた

人にとっては救いであり、キリスト者にとっては信仰復興のはじまりである。自分自身につい

ての真理を見て、その挑戦に十分な回答を与えないうちは、イエス・キリストの顔にある神の

恵みを見ることができないのである。

 

 この「真理」という言葉は重要な言葉である。この章に大きな貢献をしている使徒ヨハネの

書簡文では、特にこの言葉がたいせつな役割を果たしている。それは彼の用いるかぎの言葉で

あり、彼がしるした福音書と三つの書簡文では少なくとも42回は出て来る。ヨハネは真理を証

明するのに、「偽り」すなわち悪魔の偽りと対照してしるしている。彼は悪魔について「彼は

・・・真理に立つ者ではない。彼のうちには真理がないからである。彼が偽りを言うとき、いつ

も自分の本音をはいているのである。彼は偽り者であり、偽りの父であるからだ」(ヨハネ8・

44)と言っている。これによって、ヨハネが用いているこの言葉の意味がはっきりしてくる。

それはキリスト教教理の本体という意味での真理ではなく、偽りのない現実の姿、そのものの

ありのままの啓示、といった意味での真理である。

 

 悪魔の最大の武器の一つは、いつでも偽りの宣言であった。彼はそれを用いて、人を不従順

に導くのである。彼はエデンの園で、人の回りに偽りというくもの巣を巻き付けた。それ以来

ずっと彼はそのようにしている。彼は、人が罪を犯しても危険な状態に陥らないと偽った。

「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう」(創世記3・4)「だいじょうぶだ。何も心配す

ることはない。その木の実を食べても、決して罰せられることはない」と彼は言ったのであ

る。また悪魔は、神がその木の実を食べるのを禁ぜられたのは、神に卑しい下心があったから

だと、神についての偽りの証言をした。「それを食べると・・・神のように善悪を知る者となる

ことを神は知っておられるのです。」(創世記3・5)。「神はあなたがたがご自分のように神

になることを望んでおられない。神はいつまでも、あなたがたを下積みのままにしておかれる

のだ」と言ったのである。悪魔はこのように人間をおだて上げ、神を中傷したのである。悪魔

の偽りを信じ、その偽りを土台として行動したところに、人の悲劇がある。その結果は、私た

ちが知っているように、人間の堕落をもたらしたあらゆる悲惨である。

 


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