葉織る。

言葉の中にそれを紡ぎ織った人が見えても、それは虚像かもしれない。

痛気持ちいい刺激。

2006-07-17 01:25:48 | 仕事
 現在の日本のあんま・マッサージ・指圧師は、その大部分が按摩の技法を中心にして施術をしていると思われます。例え看板が「マッサージ」だったとしても。

 その理由は非常に単純でして、オイルやパウダーなどの滑剤を用い、肌に直接触れて施術する治療院や施術者は、ごく少数派だからです。「適度に滑る」という前提条件が成立していない以上、マッサージの本領を発揮するのは相当困難です。

 考えてみれば、湿度の高い日本でベタベタしたオイルを塗るというのは、案外ハードルの高い要求です。全身にオイルマッサージを受けた後は、シャワーを浴びたいと感じる人は少なくないはずです。そうなると、治療院にシャワー室等の設備が必要になります。

 しかし、現実にはそこまでして採算が合うほど、本来の「マッサージ」の需要は多くはないようです。なぜなら「滑り」を生かしたマッサージは、「快痛」、いわゆる「痛気持ちいい」刺激を与えるのが困難だからです。殆んどの日本人にとっては、リズミカルで滑らかなマッサージは、刺激が少なくて物足りないのです。

 ただ、エステやアロマテラピー等のように美容やリラックスを主な目的とする場合は、必ずしも強い刺激が必要ではないので、却って本来の意味でのマッサージをやろうと思えば出来る環境にあるようです。しかし、エステもアロマテラピーも、あんま・マッサージ・指圧師の資格を持った施術者がいる所は少数派でしょう。

 だからエステやアロマテラピーでは、「マッサージ」ではなく、「トリートメント」や「セッション」といった言葉を使ってますし。(資格を持たない者が『マッサージ』と名乗ると違法なので)

 やはりマッサージは、空気がカラッと乾燥した西洋でこその手技療法なのかもしれません。

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