真夜中の来客
「千葉、先に寝ていなさい」
明日は東京に戻るという日の夜中に突然飛んできた神虎。
当然、乗っているのは黒髪ロン毛の総司令。
神虎から降りた彼はわずかに足を引きずりながら、あのダモクレス戦で神経を痛めた、藤堂の傍に走ってきた。
(今夜は最後の晩なのに)
布団の中で愚痴る千葉。
女心を知らない男2人は冷茶を点てながら、軍略を語っている。
「上海勢力は8割以上消滅した。今ならこちらに取り込むことも可能だ」
「ダモクレスの置き土産だな」
ルルーシュはフレイアで中華のあちこちを殲滅した。
それが、星刻にとって天敵とも言える上海勢力の拠点ばかりだった事を知ったのは、ルルーシュが死んでからだ。
薩摩切子のグラスに冷茶が注がれる。
月の光の下で、その色は淡い。
「天子様はどうされている」
冷茶を一口飲んで藤堂は問うた。
自己抑制が強すぎるこの青年には道をつけてやる必要がある。なにも軍事関係の話をしに休暇中の自分を訪ねたわけではないだろう。
「帝王学を学んでいらっしやる」
「もう、14歳だったな」
「まだ、14歳だ」
星刻の表情は硬い。
あの愛らしい天子に対してこの青年がどういう感情を抱いているか藤堂は知っている。
星刻も本当はわかっているのだろう。だが、それを無意識に忠義に置き換えている。
といっても藤堂もラクシャータに親切丁寧に教えられて、ようやく理解納得したのだが。
「愛とはむずかしいものだな」
額に立て皺を1本深く刻みつけて、深く頷く藤堂にラクシャータはひそかに疑った。
(まさかこの男この年で奥手とか純情とかどーてーとかいわないでしょうねぇ)と疑ったことは千葉だけには言ってない。
「千葉、先に寝ていなさい」
明日は東京に戻るという日の夜中に突然飛んできた神虎。
当然、乗っているのは黒髪ロン毛の総司令。
神虎から降りた彼はわずかに足を引きずりながら、あのダモクレス戦で神経を痛めた、藤堂の傍に走ってきた。
(今夜は最後の晩なのに)
布団の中で愚痴る千葉。
女心を知らない男2人は冷茶を点てながら、軍略を語っている。
「上海勢力は8割以上消滅した。今ならこちらに取り込むことも可能だ」
「ダモクレスの置き土産だな」
ルルーシュはフレイアで中華のあちこちを殲滅した。
それが、星刻にとって天敵とも言える上海勢力の拠点ばかりだった事を知ったのは、ルルーシュが死んでからだ。
薩摩切子のグラスに冷茶が注がれる。
月の光の下で、その色は淡い。
「天子様はどうされている」
冷茶を一口飲んで藤堂は問うた。
自己抑制が強すぎるこの青年には道をつけてやる必要がある。なにも軍事関係の話をしに休暇中の自分を訪ねたわけではないだろう。
「帝王学を学んでいらっしやる」
「もう、14歳だったな」
「まだ、14歳だ」
星刻の表情は硬い。
あの愛らしい天子に対してこの青年がどういう感情を抱いているか藤堂は知っている。
星刻も本当はわかっているのだろう。だが、それを無意識に忠義に置き換えている。
といっても藤堂もラクシャータに親切丁寧に教えられて、ようやく理解納得したのだが。
「愛とはむずかしいものだな」
額に立て皺を1本深く刻みつけて、深く頷く藤堂にラクシャータはひそかに疑った。
(まさかこの男この年で奥手とか純情とかどーてーとかいわないでしょうねぇ)と疑ったことは千葉だけには言ってない。