金属中毒

心体お金の健康を中心に。
あなたはあなたの専門家、私は私の専門家。

上海事変14

2009-03-17 16:00:43 | コードギアス
上海事変14
星刻が精神的な意味で副官を失った頃、藤堂はゼロが消えた状況を詳しく報告させていた。
さすがに、前回のトーキョー決戦のときに懲りたので、腹心をゼロに内密で張り付かせていた。旧日本軍時代からの部下、四聖剣とは違う意味でずっと藤堂についている。
その彼女が持ってきた報告は彼女の言葉でなければ信じられないような陳腐で荒唐無稽なものだった。
ゼロはナイトメアのエネルギーシステムを無効化する研究を進めていた。その研究施設がブリタニア軍の極秘施設と聞いたときには藤堂すらゼロを疑った。それでもその先に聞いた驚きよりはまだ度合いが低かった。ゼロの写真それも素顔の写真を彼女は示した。日本人でない事は承知していたが、「これは」藤堂の言葉が止まる。
ブリタニア皇帝家の紫だった。そしてつややかな黒髪。その条件に当てはまる皇族はただ一人。
(君だったのか)
亡き桐原の言葉、そして異常なほどナナリー皇女にこだわるゼロ、その理由は完全にわかった。ゼロがほしいのは日本ではない。妹ナナリーが優しい微笑を浮かべて暮らせる世界。それだけなのだ。


プロポーズ小作戦

2009-03-17 14:59:18 | コードギアス
「よろしいですわ。日本に帰る前に天子様の恋を推し進めて必ずやプロポーズまでこぎつかせましょう」
「え、えぇ」
涙に濡れた大きな瞳をパチパチさせて天子はこの頼りになる姉を見上げる。
「天子様の恋は泣き夫の悲願。蓬莱島で眠る夫によき知らせをもたらすのは妻の勤めです。さぁ、天子様。神楽耶にお任せあれ」
大きく両手を広げ神楽耶は悠然と微笑む。

小説4巻を読んでからストレスを書き連ねる プロポーズ小作戦

2009-03-17 14:46:29 | コードギアス
神楽耶のいる離宮でお茶を飲みながら、天子は幼い恋の悩みを打ち明ける。
「星刻が会ってくれないの。私に会いたくないって、私、何かしたのかしら」
もう先月の事になる。身内だけの会合が終わった後、立ち上がろうとした星刻はそのまま崩れ落ちた。
1ヶ月たった今でさえも病名すらはっきりせず、床に伏したままだ。神楽耶か゛それを知っているのは会合に出ていたためだ。
今のところ天子は星刻が病床にあることを知らない。教えれば天子様は動揺する。ようやく慣れてきたばかりの公務に差し支えてはならない。それが会合に出ていた全員の意見。
そのときは神楽耶も内密にした方がいいと思った。だが、1ヶ月も顔さえも見せないとは。このところ天子は毎日のように神楽耶のところで泣く。聞けば電話すら音声だけでそれもすぐ切られてしまうという。
ひっくひっくと泣く天子をあやしながら、神楽耶はどうしたらいいかと思案に暮れる。天子が悪いわけではない。全てはあの男が無駄な意地を張っているせいだ。
「会いに行ってもよろしいのでは」
「だって、星刻私に会いたくないって」
また大粒の涙が落ちる。
実のところ、神楽耶はそろそろ日本に戻ろうかと思っている。
皇コンッエルの経営も気になる。そろそろマスコミも自分を天皇に据えるのをあきらめただろう。

日本の天皇家の血筋はすでに絶えた。20年ほど前の事だ。当時最後の天皇は京都六家に後をゆだねると遺言した。迷惑したのは六家である。確かに天皇家の血筋ではあるが、とっくに関係は絶えている。何だかんだと話し合いの後、当時まだ赤ん坊だった神楽耶と幼いスザクを結婚させ、その生まれた子供を天皇にすると決まった。しかし、ご存知のようにスザクは死亡。神楽耶の意思を確かめた扇は「天皇家の断絶」を宣言。しかし、納得しない者たちがいて、何かとぶっそうな情勢が続いた。星刻が天子様の話し相手としてしばらく中華に来てはと言ってくれてのは「渡りに舟」だった。とうぜん、政治的な思惑や取引も絡んだが、神楽耶はその程度の事は承知の上である。

小説4巻目を読みました

2009-03-17 14:04:10 | コードギアス
小説4巻目を読みました。文句は無いけど、不満はある。星刻の消息あいまいなままですよ!
ついでに言うと結局出なかった。厳島の戦い。それと藤堂星刻の地方征伐。絶対一度くらいは話題としてでも触れてくれると思ったのに。自分と同じ「英雄」や「奇跡」の名をこれから一生背負う立場の星刻に藤堂さんが手を差し伸べる。戦闘で受けた傷を自軍にも隠す星刻。藤堂にはその姿が厳島の直後の自分の姿と重なる。「君にとって自軍は休める場所ではないだろう」とか言って、一晩同じ寝台で・・・。ちょつと誤解しないでください。うちの星刻は天子様だけですよ。安心してゆっくり休ませられる場所がそこしかなかっただけです。
でも、たまたま出先から帰ってきて、いつもどおり藤堂の部屋に飛び込んだ朝比奈が見つけたりすると楽しいです。
あぁ、誰か書いてくださらないかしら。他力本願です。

で、妄想タイム。
星刻なら残った時間をどうするか。
ゼロ・レクイエムの後、一応世界は話し合いを先にしてみようかと動いただろう。しかーし、現実を見れば解るように、平和的話し合いとはイコールすでに力を持っているものが一方的に正義を押し付けるものだと。その意味で言えばシャルル侵略皇帝の正義と変わりない。いったんは悪逆皇帝に全責任を押し付けてまとまった世界は、またすぐばらばらになる。下手すると一応まとまっていたEUさえも、北や南など分裂して、てんでんバラバラになりかねない。その中でスザク・ゼロに何ができるのか。
シュナイゼルに『ゼロが命じる』と命令して、一つ一つの紛争を止めさせるか。あるいはもはやそれでは間に合わなくて全世界を平和にする方法を考えろと命じるか。
そしてシュナイゼルが答える。最も効率的で犠牲の少ない平和的な方法として、ダモクレスを再開発していると。それを否定できないスザク・ゼロ。
いちおう、超合衆国はまだ現存している。しかし、すでに話し合いで解決法を探るという当初の理念は失われ、強国が利権を公認させるための機関に変質した。今はある小国の党首が代表を勤めている。
 合衆国連合からいち早く抜けた国はなんと中心たる中華。インドとチベットの内乱に対する連合国からの内政干渉に抗議してのものだが、すでに変質しかけていた連合に見切りをつけたというのが真相。中華が抜けた責任をとる形で神楽耶が代表辞任。天子様の大事なお友達にひどい仕打ちのようだが、実質的には神楽耶の名誉や命を守ることになった。後に3代目の代表は数カ国のテロリストに襲われ惨殺されている。

大司馬の公館の病床で中華の工業化を急がせていた星刻は、侵略帝シャルル以前に戻ったかのような世界を静かに見ている。
星刻の腹案ではインドは独立させる。中華がインドを支配する事はもともと無理があったのだ。それができていたのはインドの藩王達の都合。支配するには採算が合わない地域を中華の植民地として押し付けたから。
「インドがひとつの国として独立してくれれば、我が中華にとってよき隣人となる」
星刻は公式の言葉として、インド独立を支持している。
もう一方の隣人である日本に対しては、公式のコメントは無い。
だが「天子様のご友人の安全を守るために」と称して、神楽耶を中華にとどめている。扇からは私的に帰国の要請があるが、星刻は神楽耶に取り次いですらいない。
もともと地政学的に中華にとっての日本は、のどに刺さった骨。うっとうしいがのどに手を突っ込んで抜くのは痛いし・・・。
一番いいのは日本を中華が支配する事。ただ、そうなるとブリタニアと太平洋を挟んで直接にらみ合いになる。だから、日本は調整役として形式的には中立を保ってもらう。必要なときだけ中華のよき隣人であればよい。