コロナ、とどまるところを知りません。
とにかく自分が感染しないように過ごすしかないということを実感する。
ワクチンの接種の予約はまだまだ先にしかできないようです。
熊本市も高齢者のワクチン接種予約で大混乱。
いやはや・・・・。
では、結果発表、いつものように2回に分けてお届けします。
★結果発表
五月晴電気自動車だけ走り 泉
◯(アネモネ)エコの時代到来ですね。
○(メイ)五月晴のいつか、こういうクリーンな日がくるのだろうか。
街に疲れて自転車で行く村暮春 道人
○(餡子)車を捨てて野に出よう!
〇 (多実生) 自転車だからこそ、見える物が有ります。
○(幹夫)情感を誘う。
○(宙虫)自転車というアイテムがいい景色を見せてくれそう。
さつき咲く眼裏にくっきり女身仏 敏
○(仙翁)女身仏、何となくいいですね。
選外(卯平)女身仏がこの句の中で生きているか否か。中七に緩みを感じる。
ママチャリの歌を追い越し春の風 めたもん
〇(楊子)かろやかな心情が伝わります。
○(餡子)るんるん、らんらん♪♪良い気持ちです。さわやかあああ!
○(卯平)ありふれた景で類似類句はあるだろう。しかし、中七のキレで詩になった。
○(幹夫)春の風が爽快に詠まれている。
◯(道人)鼻歌と春風が呼応し合っている。
〇(ちせい)春の風が神秘的に見えてきます。擬人化があるような。
○(宙虫)明るさ一番。スピード感も合わせて。
啄木の心を吸いし五月の空 餡子
〇(珠子)「不来方のお城の草に寝転びて空に吸はれし十五の心」をうまく取り入れています。5月の空は美しい。
◯(道人)「不来方のお城の草に寝転びて空に吸はれし十五の心」(啄木)愛唱歌です。五月の空がいいですね。
◎(敏)啄木作品のセンチメンタルなところと一種の清々しさが「五月」に通底しているのでしょう。
千木の指す古代の空や燕来る メイ
〇(楊子)千木という神聖なものから離れない詠みが格調高い。
○(餡子)古代の空も同じだったんでしょうね。余計な建造物が無い分、もっと広々として 気持ちよかったことでしょう。
〇(珠子)今回の写真で一番先に飛び込んできて離れなかったのは千木と青空。「古代の空」とは思いつきもしませんでした。
○(仙翁)古代の空ですか、そうかも知れません。
〇(めたもん)中七から浮かぶ歴史ある神社の佇まい。時の流れをバックに空の燕の初々しさが際立っています。
(選外)(道人)格調高い句ですが、「古代の空」がやや主観的かも。
(選外)(卯平)同じ詠み手と思うもう一つの「千木」の句と比較して此方は選外とした。理由は「千木」と「古代」が近いし説明的では。
自転車のタイヤに詰める春の音 まきえっと
◎(餡子)そうか、タイヤに詰める音にも四季折々の季節を感じるのですね。凄い発見だと思いました。
〇(瞳人)うまい表現ですね!
たましひの分別さるゝ卯月かな 卯平
○(あちゃこ)ゴミの分別は、魂の問題かも知れない。心にストンと落ちる一句。
○(メイ)資源ごみから「たましひ」に発展した感覚が衝撃です。
〇(ちせい)魂まで分別されるとは。卯の花を思い浮かべました。
マスクのなかの口笛五月充電中 宙虫
○(卯平)今のご時世。直截でないところがこの句の手柄。但し「マスクのなか」だから「充電中」と言う理を感じる。
◎ (多実生) 試練の事態続きですが、充電に転換とは見事。
○(泉)マスクのなかでも、口笛は吹けますね。余裕を感じます。
○(あちゃこ)マスクの中に目を向ける詩人の視点。マスクの中を想像すると面白い。
石楠花の眩しき垣根浮浪雲 仙翁
〇(藤三彩)久方ぶりにジョージ秋山の浮浪雲(はぐれぐも)を思い出した。のほほんとした空気を吸いたいよ。
欄間飾りは甚五郎作初夏の空 アゼリア
○(卯平)甚五郎作の欄間飾りとは贅沢だ。バックが夏の空であればその欄間飾りは更に輝く。
〇(春生)甚五郎作に発想を飛ばしたのには驚き。
コロナ禍も何んと石楠花にっこにこ 多実生
ゴミ箱に獣の仮面夏近し ちせい
○(卯平)ゴミ箱の中がドールであれば予定調和。獣の仮面がゴミ箱にあると言う「コト」と季語である「夏近し」との響き合いで棄てた人が見えて来る。
○(幹夫)肝試しに使うお面か?「夏近し」が適っていますね。
◎(仙翁)獣の仮面、唐突で面白いですね。
薫風の緑の安心飲み込める 藤三彩
僧若し石楠花似合ふ高野山 春生
◎ (アゼリア) 若き僧と石楠花と高野山、清々しい映画の一シーンのようです。
もしそれがあるなら石鹸玉の中 めたもん
〇(珠子)「もしそれがあるなら」って…。言葉では言い表せませんが不思議な魅力。多分手の届かないものなのでしょう。「それ」って例えば何だろう。凡人には思いつかなかったので◎を諦めました。
◎(幹夫)「それ」とは希望?掴もうとすれば壊れてしまう。
◯(アネモネ)ファンタスティック!
○(あちゃこ)それの指し示すものは?抽象的だけど、求めて止まない思いが伝わる。簡単には手に入らない探し物は、目には見えない何か。
○(敏)石鹸玉に夢や希望を託そうとしているのかも知れません。
◯ (アゼリア) それが何かなと色々想像を膨らませました。
かろやかに千木の高さを黒揚羽 アネモネ
○(餡子)あの、千木は目立ちますね。立派です。 方丈の大庇から出てきたのは春の蝶ですが、この場合は黒揚羽!取り合わせがいいです。
○(泉)黒揚羽の軽快な様子が、良く表現されています。
◯(道人)読手の目線が黒揚羽を追う作者の目線とピタリと重なりました。
〇(まきえっと)この青空のなか、いいですね。
○(仙翁)そんなに高く、アゲハチョウが飛んでいましたか。
○(敏)黒揚羽があたかも神社の屋根瓦の一枚のように思えてきました。
〇(春生)夏の蝶は力に満ちていますね。
〇(ちせい)揚羽蝶は稀に非常に高く飛びますね。
○(宙虫)かろやかにの上五が景を大きくした。
逆風へ踏み込むペダル新樹光 あちゃこ
◎(楊子)「逆風へ」が何かを突き破るような気持ちを表わしています。季語も煌めいて応援しています。
○(餡子)この逆風は、今辛いことに出合っているのでしょう。頑張れ!先には新樹の爽やかな光が見えるぞ!!
〇(珠子)例えば、バットを背負って自転車でグランドを目指す少年の脹脛へフォーカス。
○(泉)逆境へ立ち向かう、意気込みを感じます。
○(道人)同じような経験をし何度も句にしましたが、いつも作っては捨てる繰り返し。逆風へ「踏み込むペダル」とは中々詠えません。
〇(まきえっと)「逆風」がいいですね。頑張れ。
○(メイ)逆風へが、季語を際立たせて爽やか。
○(仙翁)元気に走っている様子が見えます。
〇(春生)元気いっぱいですね。初夏の生気を感じます。
〇(めたもん)新しい季節への意気込みを感じます。清々しい句だと思います。
(選外)(卯平)上五中七の措辞は少々平凡では。季語の位置も予定調和を踏み出していないのでは。
春塵は捨てて雲なき都会の空 幹夫
〇 (多実生) 一日二日は大荒れの結果の三日は本当の五月晴でした。
どしゃぶりの後の青空蚯蚓出づ 珠子
◎(アネモネ)蜥蜴も気持ちよさそうです。
◯(道人)「どしゃぶりの後」の措辞が効いている。
〇(瞳人)めなしみみずが青空恋しいとは
○(メイ)この青空と蚯蚓になつかしさを感じました。
〇(めたもん)確かに蚯蚓は雨上がりによく見かけます。気持ちの良い青空と蚯蚓の取り合わせには不思議なリアリティーがあります。
○(宙虫)今のコロナ禍に。一難去ってまた一難。蚯蚓は見方であってほしい。
春が行く車あずけて出かけよう 敏
◎(泉)「車あずけて」に、強く共感しました。
大気圏突入五月の宇宙塵 あちゃこ
〇(藤三彩)国際宇宙ステーションから宇宙飛行士の野口聡一さんが無事地球に帰還。無菌の宇宙から菌の蔓延する地上に。
〇 (多実生) 帰還が放映されました、人類の夢は無限です。
○(幹夫)5月4日、野口聡一宇宙飛行士半年ぶりに無事地球帰還!
LINEにて詫び状届く日昭和の日 瞳人
〇(楊子)時代ですね。何もかもLineですませる世の中になりました。
◎(卯平)採らざるを得ない句。詠み手の術に嵌まった。詫び状は向田の世界。それが現代ではLINEで届くと言う。その反語としての「昭和の日」。その対比で詩が立ち上がった。
◯(アネモネ)いかにも現代的。詫び状はライン。
〇(めたもん)「詫び状」という古めかしい言い方と「LINE」との間に時代のギャップがあり、それが季語「昭和の日」を上手く言い表しています。
◎(宙虫)時代とともに次々と姿を変える「詫び状」。昭和の頃の詫び状とLINEの詫び状。確実に軽いものになっていそう。
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