容疑者たち⑥ 真央

　　　　　　　　わたしはな～んにも隠すことなんてありまちぇん
　　　　　　　　ほ～ら、見てよ
　　　　　　　　ぽんぽんも、おしりも、ぜ～んぶ潔白でしょ


　　　　　　　　……はいはい、真央ちゃんは潔白ですよ。
　　　　　　　　お父さんが、『世界一かわいい』なんて甘やかすから
　　　　　　　　このポーズとれば、何でも許されると思って


　　　　　　　　２００１年４月２０日生まれ
　　　　　　　　直吉と心美の兄弟

　　　　　　　　まだお外にいる時に、避妊手術をしたよね。
　　　　　　　　どうせなら、そのときにおうちに入れてあげればよかった。
　　　　　　　　でも、お外にいたから、心美が忘れていった赤ちゃんを
　　　　　　　　育ててくれることができたんだよね。
　　　　　　　　その子は半年ほどで、死んじゃったけど
　　　　　　　　ありがとうね

　　　　　　　　あんまり丈夫じゃないから、ちょっと心配だな。
　　　　　　　　具合が悪かったら、すぐに言うんだよ

泣いちゃいました…

　　　　　　　　今、『虹の橋』、バロンちゃんの闘病記を読んでました。
　　　　　　　　いつのまにか涙があふれ出てきてました。
　　　　　　　　胸が苦しくて、哀しくて、切なくて…。
　
　　　　　　　　将太が虹の橋へ行ってから、まる４年。
　　　　　　　　いろんな病気をしていたことが、ひとつひとつ鮮明に
　　　　　　　　頭に浮かんできて…。

　　　　　　　　１９８６年６月１４日、お母さんの職場の駐車場で、
　　　　　　　　ウロウロしてたのを、連れて帰ってきた。
　　　　　　　　それから２００１年１１月２２日に旅立つまでのこと。

　　　　　　　　１５年９ヶ月の間で、病院のお世話にならなかったのは
　　　　　　　　たぶん、１年分もなかっただろうね。
　　　　　　　　『将ちゃんは病気のデパートだね』って、
　　　　　　　　先生に言われるほどだったもんね。

　　　　　　　　過保護すぎて、たいしたことなくてもすぐに
　　　　　　　　先生にところに連れて行って、
　　　　　　　　本当は嫌だったよね。
　　　　　　　　
　　　　　　　　ごめんね、でも心配で心配で…。
　　　　　　　　
　　　　　　　　腰のヘルニアもなったよね。
　　　　　　　　でも、バロンちゃんほどひどくはなかった。
　　　　　　　　バロンちゃんの痛み、苦しみは想像もできない…。

　　　　　　　　オシリのポリープは、６回手術したね。
　　　　　　　　だんだんお年になってきて、麻酔かけるだけでも
　　　　　　　　心配で、先生からの電話が来るまでは、うろうろしてたよ。

　　　　　　　　脾臓摘出のときは、本当にある程度の覚悟をしたよ。
　　　　　　　　たまたま健康診断しただけなのに、
　　　　　　　　腫瘍が見つかるなんて…。
　　　　　　　　その腫瘍、一週間で２倍にも大きくなって。
　　　　　　　　
　　　　　　　　初めて、一週間も離れて、夜は眠れなかったよ。
　　　　　　　　でも、将太は頑張って元気に退院してきてくれた！
　　　　　　　　
　　　　　　　　とうとう、肺がんにまでなっちゃって。
　　　　　　　　細かい病気は数え切れないんじゃない
　　　　　　　　
　　　　　　　　あぁ～、でも将太がいてくれてよかったな～。
　　　　　　　　楽しかったなぁ～

　　　　　　　　将ちゃんも、虹の橋で待っててね
　　　　　　　　お父さん、お母さん、お姉ちゃんも
　　　　　　　　必ず、行くからね

　　　　　　　　さあ　いつまでも泣いてられないな！
　　　　　　　　将太の弟分たち１０人が待ってるか