グランフロント大阪の地下に『世界のビール博物館』が入っている。
仕事の帰り、同僚とここに寄ったことがある。
このころはビールをジンジャーエールのごとく飲んでいた。
だがどうもワタシの体にビールはあまり合わないようで、この4月~7月あたりのハシゴ飲み(主にビール)が祟って、この年ワタシは肺炎で入院することになるのだった。
そうそう、かかりつけ医に行っても熱さましの薬しか出ず、帰宅した夜中に突然肺が苦しくなり、胸が痛くなり、息が出来なくなったのである。
もともと気管支炎、喘息、百日咳、マイコプラズマ肺炎と、呼吸器系の病気はほぼ1通り通過してきたワタシは、やっぱり呼吸器疾患にはすこぶる弱かったらしい。
人生ではじめて、自分で救急車を呼ぼうかと考えた夜であった。
ベルギーのエクストラがめちゃくちゃ美味くて、この4月の『世界のビール博物館』以降、ハマるビールを探してあちこち飲み歩いたのが悪かったんだろうなあ。
急変した翌朝、這う這うの体でかかりつけ医に再通院。「昨日の今日だぞ」というあのときの医者の目が忘れられない。
「胸が痛い。息ができない」と聞いた瞬間に医者の顔色が変わり、急遽レントゲンを撮ることになった。医者いわく「アカン、真っ白や」。
昨晩には「呼吸困難」は「胸痛」の症状はいっさいなかったのだから、医者を責めるわけにはいかない。つまりまあ、コロナウイルスでなくとも、このように急変することはあるわけで、非常にツライ。
だが仕事がある。「入院だけは勘弁してくれ」というワタシに、医者は「死ぬ。死ぬからダメ」と言う。その「死ぬ」という言葉が真実味を帯びるほどには、確かに苦しかった。
数か月前は呑気にこんなものを食べていたのだが(笑)
で、「ボクは薬を出さないよ。薬を出さないから、今すぐあそこの大病院に行きなさい。連絡しておくから」と言われ、(いやいやこれで薬なかったらまじで死ぬ)と思ったワタシはやむなく総合病院へ送りこまれたのであった。
そこで待たされているあいだに、症状は悪化するばかり。血液検査等々するにも1人ではもはや歩くことが出来ず、車椅子に乗せられて運ばれていく有様である。
診療室で主治医が行った一言は、今でも覚えている。
「えげつない数値ですよ、これは。下手したら本当に死ぬから、おとなしく入院してください。命と仕事とどっちが大事なんですか」
かくしてそこから10日間の入院となった。
まあ、言いかえれば10日間で退院できたわけだけれど、呼吸困難に近い症状は退院後も数か月にわたってワタシを苦しめた。
入院して数日はもちろん食べ物など喉も通らず、毎日のように40℃近くの高熱と頭痛が続き、悲しいわけでも泣こうと思っているわけでもないのに、ほたほたと涙がこぼれるようなツラさであった。
出てきた食事が流動食だったのも衝撃的だった。
肺炎になったことのない人には分からないかもしれないが、とにかく肺炎は本当に苦しい病気なのである。本当に死ぬかもしれない、と思うのだ。
そういうわけで、コロナウイルスの脅威を軽視している人はくれぐれも気をつけていただきたいのです。大半の人なら風邪程度ですむことが、ある人の命の脅威になるということを、ぜひ意識していただきたい。
コロナウイルスに感染したら、たぶんワタシは死ぬんじゃないかと思っている。