今日はネット接続の調子がほぼ1日中悪かったです。
今日のニュースの中で一番大きなニュースはおそらく、ベラルーシ正教会が、ルカシェンコ大統領を清教徒から破門したことでしょう。
もともとルカシェンコ大統領は正教徒であり、クリスマスイブや復活祭などの大きな祝日には教会のミサに参列して、その様子が国営テレビで生中継されていました。
ルカシェンコ大統領が生まれたのはソ連時代ですから、正教徒として洗礼を受けたかどうかは分かりませんが、もともと正教徒の家庭に生まれたので、宗教的な立ち位置はカトリックではなく正教ということになります。
このようにキリスト教の祝日には教会のミサの中にいる大統領の姿を生中継するぐらいなので、自分が正教徒としてまじめな信仰心を持っているところを国民にアピールしていたわけです。一方でマスコミの取材には、自分は無神論正教徒だと答えたりしているので、実際には信仰心は薄く、教会のミサに行っているところだけテレビ番組で宣伝して、政治利用していたのだろうなという印象です。
日本人でも、ふだんから熱心に念仏など唱えていないけれど、きかれたら「ああ、うちは○○宗です。」と答える人が多いのと同じ感覚です。つまりルカシェンコ大統領も熱心なクリスチャンではなく、冠婚葬祭のときだけ思い出すタイプだったのでしょう。
そのルカシェンコ大統領をベラルーシ正教会は、「前大統領」と呼び、現大統領とは認めていないことが分かりました。さらに「独裁者、殺人者であり、ベラルーシ国民に苦痛を与える者」と強い表現で避難しました。そして破門を言い渡しました。
またベラルーシ正教会は、反政府デモに参加したために拘束されている人々の健康を祈っていると付け加えました。
もともと信仰心の薄い人に破門を言い渡しても、本人は心が痛むことはないでしょう。
ただこれから、自分の宗教的立場を政治利用することができなくなりました。来年1月6日の正教のクリスマスイブにはどこの教会のミサにも行けないでしょう。
ソチ五輪で3個の金メダルを獲得したベラルーシの国民的オリンピック・チャンピオン、ダリヤ・ドムラチェワの兄、ニキタ・ドムラチェフが、反政府デモ集会のそばを自転車で通りかかっただけで、治安部隊に激しく殴られ怪我をした事件。結局「やっぱり反政府デモに参加していた。」という理由で逮捕され、今日の裁判で罰金刑(540ベラルーシ・ルーブル)を言い渡されました。ドムラチェフ側の言い分は無視されました。
今日は月曜日恒例の年金生活者の反政府デモ行進がありました。そして身柄拘束です。72歳の男性と女性が拘束されましたが、数時間後に解放されました。よかったです。ベラルーシ人の平均寿命は短いので、「72歳の高齢者が治安部隊に拘束されて、警察に連行された。」というのは、日本人の「82歳の高齢者が・・・」というのと同じ感覚です。
58歳の男性と70歳の女性は拘束されたままです。70歳の女性は白いコートに赤い帽子とマフラーをしていたので、拘束されたようです。
今日も大学生、大学の教員が身柄拘束されました。独立系メディアのジャーナリストが逮捕され、弁護士が接見しようとしても許可が出ません。
人気音楽グループ「スタールィ・オルサ」のリーダーがウクライナに出国しました。
勾留されていた「レーハ」のリーダー、タキンダングさんは昨夜釈放されました。
人気アーティストが、反政府デモをテーマにした新曲動画を次々発表しています。ユーチューブで見られます。
拘束する側は「しばらく刑務所にいたら、目が覚めるだろう。」と思っているようですが、逆に留置場にいたことで反省するとか、今までの考えを180度変えました、というような人はほとんどおらず、逆にますます反政府活動に没頭してしまう人のほうが多いようです。だいたい、家族や友人が、刑務所のそばでがんばれと応援し、出所するときには花束や拍手で迎えてくれるので、「これからは政府の言うことを聞くよい子になります。」と言った心境にはならないでしょう。今まで刑務所で我慢したぶんを無駄にしないためにも、これから頑張るぞ、という人もいるし、外国に出国しても何もしないのではなく、外国に散った反政府デモ活動家に合流して、外から反政府活動をする人になってしまいます。だから反政府活動参加者を警棒で叩いて鎮圧したとしても、結局鎮圧にはなりません。
野党のチハノフスカヤ氏がロシア政府代表と対話をしたそうです。詳しい内容は明らかではありません。
ベラルーシの大統領と高官の家族に制裁を発したEUに対し、ミンスク市が制裁を発表しました。またロシア政府もEUに対して制裁をする予定と報道がありました。どうなるでしょうか。
ここ3ヶ月の間、ベラルーシの住宅価格は急落しています。新しいマンションの建設が止まり始めました。