ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年2月2日。ウクライナ侵攻から345日目

2023-02-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年2月2日。

 ベラルーシ大統領はジンバブエ公式訪問を終え、今はアラブ首長国連邦へ長男と三男を伴い訪問しています。そして大統領同士の会談。
 特に経済面で、ロシア一辺倒にならないように第三者の国と経済協力関係を押し進めていると思われます。ベラルーシもロシアばかり見つめている場合ではないということです。

 ロシア大統領は今日、ボルゴグラードを訪問し、スターリングラード攻防戦80年記念式典での演説で、ウクライナでの戦争を巡りロシアが再びドイツと対峙していると述べました。
 さらに「ロシアは80年前と同じようにウクライナで勝利すると確信している。」と発言。80年前に勝ったのはドイツなんですが。
 そして核兵器を含むあらゆる兵器を使用する用意があると改めて表明しました。また核兵器使用の可能性を排除しないという姿勢を示していますが、要するにちらつかせています。
 実際には使用してほしくないです。

 ウクライナ国防相はロシアが新たな大規模攻撃の準備を進めており、早ければ侵攻開始から丸1年となる今月24日にも仕掛けてくる可能性があると警告しています。開戦1周年記念攻撃ということですね。この可能性は大いにありと思います。
 
 IOCは今日、2024年のパリオリンピックへのロシアとベラルーシの選手の参加についてはまだ決定が下されていないと表明しました。
 IOCが両国の参加を前提にしたようなことを言い出したので、反発する国やあからさまにボイコットするという国や選手が出てきて、今もめていますからね・・・。IOCはロシアとベラルーシの国は中立の立場で参加すればいいと言い出すと、その中立っていうのが分からないと言い出す人もいます。 

 オリンピックのあり方自体を考え直す時期がきたのかもしれません。
 政治とスポーツは切り離すべきなのか否か。国別にメダル数をカウントするのもやめるほうがいいのか。入場行進も国別にしないほうがいいのか。
 私から言わせると、代表に選ばれたいからと国籍を変えて出場する選手がいるので、国別に出場するのも実際には確たる区別にもうなっていないと思います。
 ○○国の選手と言いながら、実は○○人ではない代表選手もたくさんいます。
 ポーランドに亡命したツィマノウスカヤ選手もベラルーシの代表選手にはもうなれないので、ポーランド代表になろうとしています。
(この人に関しては日本でも「応援している。オリンピックに出場して走る姿を見たい。ポーランドの代表に選ばれたらパリ五輪で見ることができる。」と思っている日本人が多いのではないでしょうか。ところが、この選手がもし日本に亡命して、国籍を取ろうとしてそれは日本代表に選ばれるためと言ったら「ずるい。このベラルーシ人が選ばれたら日本人が一人代表になれなくなる。」と反対する日本人が多くなるのではないでしょうか。)
 

壺井栄ロシア語訳作品集をグロドノ市立図書館に寄贈しました (2)

2023-02-02 |   壺井栄
 (1)からの続きです。

 グロドノ市立中央図書館で行われた寄贈式には近くにある第6中学校1年生のみなさんも来てくれました。
 「二十四の瞳」は学校の先生の物語ということで少し詳しくご紹介しましたが、やはりこれから人生をどうしていくのか、家がお金持ちだと運がいいとは思うけど、だから絶対に幸せになれるとは限らない、日本だと男女差別がベラルーシより多いので、女性に生まれると運が悪かったという印象をこの物語から受けるかもしれないけれど、必ずしもそうではないということをお話しました。
 やはり壺井栄文学は中学生かそれ以上の年齢の人や、女性に読んでほしいですね。人種を越えて共感を得られると思います。
 
 寄贈式の後、司書の方々と話をしましたが、「二十四の瞳」の冒頭、小さい田舎の村に自転車に乗ったハイカラな女の先生がやってきて、浮いてしまったという点で、
「ベラルーシもこういうところ、あるわよ!」
という意見が出て、「現代的な若い女性が頭の固い田舎で目立ってしまって噂が一気に広がる」というのはベラルーシでも「あるある」だそうです。
 司書さんたちからは、共感が得られてよかったです。
 感想がいただけたら改めてご紹介したいと思います。

 惜しみなくご協力いただいたグロドノの司書の方々と記念撮影をしました。大切にしたいと思います。

 グロドノ市立図書館は中央図書館のほか、10の分館があるため、全部で11冊寄贈しました。
 これもチロ基金支援者の皆様のおかげです。
 協力してくださっている皆様全員に深く感謝しております。


壺井栄ロシア語訳作品集をグロドノ市立図書館に寄贈しました  (1)

2023-02-02 |   壺井栄
 2月2日、ポーランド国境に近いグロドノ市へ壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」を寄贈しました。

 古い歴史のある町、グロドノ。(べラルーシ語読みではフロドナ)
 2003年には茶の湯の紹介にも行ったのですが、あっと気がついたら20年ぶりの訪問になりました。ミンスク以外の町で茶の湯の紹介をしたのはグロドノが最初の町ですが、そもそものご縁は「ノンちゃん雲に乗る」のロシア語版(石井桃子著。三浦みどり訳)をグロドノ市立図書館に寄贈したからでした。
 この「ノンちゃん雲に乗る」も翻訳者である故三浦みどりさんの自費出版によるもので、モスクワで印刷。三浦さんの友人でモスクワ身体障害者協会会員の方が販売して、売上はこの協会の収益の一部になっていたものをチロ基金が購入し、ベラルーシ国内の図書館に配っていたのです。
 20年以上前の本がグロドノの図書館でちゃんと保存、そして読みつがれていました。
 三浦さんと石井桃子さんがご存命だったらお知らせしたかったです。
 この本は空を表す水色の表紙ですね。いっしょに写真が撮れてよかったです。

 他にも新美南吉ロシア語訳童話集「ごんぎつね」ベラルーシ語訳童話集「手袋を買いに」もちゃんと保存されていました。(こちらは日本文化情報センター日本語教室の生徒が翻訳しました。)
 また「おりづるの旅」(うみのしほ・作 狩野富貴子・絵 PHP研究所・出版)もありました。市立中央図書館で平和教育のために繰り返し活用されているそうです。こちらのお願いしたいことを汲み取ってくださっていて、本当にありがたいことです。

 今回は新たに壺井栄ロシア語訳作品集が仲間入りでき、また一つ喜ばしいニュースを増やせました。

 本の寄贈式には地元テレビ局も取材に訪れました。ニュース映像はYoutubeで視聴できます。
 グロドノ・プラスのリンク先はこちらです。
 グロドノ・テレラジオカンパニーのリンク先はこちらです。

 またグロドノ市立図書館の公式サイトでもご紹介いただきました。リンク先はこちらです。
 

 (2)に続きます。