ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年2月21日。ウクライナ侵攻から364日目

2023-02-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年2月21日。
 ミンスクは牡丹雪が降っていました。

 ロシア大統領は予定通り今日、モスクワで「年次教書演説」を行い、米露間の核軍縮枠組み「新戦略兵器削減条約(新START)」の履行停止を表明しました。
 核兵器を縮小する努力をロシアは停止するということです。
 これから核兵器を使うかもね、と匂わせています。が、ただの脅し文句であってほしいです。
 
 ウクライナ侵略を正当化し、ウクライナへの軍事支援を続ける米欧を批判しました。「戦いに至らしめたのは西側諸国であり、ロシアは常に紛争を止めるために尽力している」と強調。
 「併合」を一方的に宣言したウクライナ東・南部4州は「ロシアの新しい部分」として、返還せずに支配を続ける意向を示しました。

 例えばウクライナ人の子どもがロシアへ連れてゆかれ、ロシア人の養子になっていると西側は報道していますが、ロシアの報道では、ウクライナからの攻撃により、ロシアに併合された地域で、親に死に別れた孤児が大量発生。かわいそうなので、ロシアで保護し、ロシア人の養親が責任を持って育てる覚悟をしたという美談となっています。
 この孤児たちの中にはロシア系、つまりウクライナ生まれのウクライナ育ちだけれど、実はDNAはロシア人だという子どもが多いような気がします。(私からすれば、本当に天涯孤独の身になった孤児なら、人種問わず助けてあげてほしいし、養親になろうとする人のことは尊敬しますが、本当は親がいるのに、サマーキャンプに招待してそのままロシアへ、というのは人権を蹂躙していると思います。)

 とにかく、ロシア側の報道では、ロシアは尽力しているのであり、悪いのはウクライナで、もっと悪いのはその後ろで操っている欧米諸国。戦争を続けて当然だよね、という意識を国民に植え付けています。
 ロシア大統領の演説を聞いて、これは本当だ、すばらしいと思うロシア人も国内には大勢いると思います。


 ベラルーシの国会では、公務員が国家反逆罪を犯した場合、死刑になるという法案が可決されました。
 ベラルーシはヨーロッパで唯一死刑制度が残っている国。この調子では死刑制度が廃止しましょうという雰囲気すらないです。日本と同じですね。