アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第117話  旅で聞く音楽

2012-09-15 22:23:43 | 海外旅行

 

      フィレンツェ

 

 

* 日本ではまだ残暑が厳しいとのことですが、こちらは日暮れも急に早くなって、もう来るべき冬のことを考え始めている (あたらしいオーバーがほしいな)。

今夏わたしは一度も海に行くチャンスがありませんでした。それでも、FaceBook に、新潟小針浜の海カフェ ネフさんが毎朝の日本海の写真や、美しい夕焼けの写真をポストしてくれるので、それですこしはなぐさめられています。

このおやすみは、ロンドンのなずなの新しいスチューデントハウスに泊めてもらって、ホリディ。テートモダンでムンクの展覧会を見てきます。

 

第117話  旅で聞く音楽

 

なずなと二人、イギリスでの永住権を獲得したお祝いに、パリに行ったのは、4年ほど前。パリで最も古いちいさな教会、サンジェルマンデプレ教会で、ピアノのリサイタルを聞きました。わたしの好きな、ラカンパネラや、ポロネーズを聴きながら、「ビクトリー…」と涙ぐんで感動していたのを思い出します。イギリスにリュックひとつで移住して以来、ずっと、10年間の長期滞在を理由とする、永住権申請を目指して、苦学しながらがんばってきたので、本当にうれしい夜でした。

 

そういえば、移民といえば、ローマのウオルターのホステルから別の場所に案内されるとき、一緒に歩きながら、バングラディシュ人のアシスタントの男の人にいろいろ質問し、教えてもらったのですが、中国人はビジネスビザで、小さなブティックなどの店舗をかまえ、自分たちは、肉体労働などで働いているが、そのビザのために毎年イタリア政府に高額のお金を分割で払っているとのこと。ローマの路上は、それらの移民であふれ、いったいどこの国にいるのか、わからなくなるほどですが、お金のためにビザを大量発行していると、いつか、国が滅びるだろうなあと感じられました。(わたしのように居つく人がいますからね)

 

さてさて、今回のイタリア旅行でも、さまざまな音楽を耳にしましたが、路上で演奏するカルテットをはじめとする音楽家たちのうまさには驚きました。

フィレンツェでは白い大理石のドゥオモと夜空の濃い青の美しいコントラストを眺めながら聞いた、響き渡る「マダムバタフライ」の歌声。

広場で演奏するジプシーバンドの後ろで、小さな男の子が胸の前で両手を忙しく動かしアコーディオンをひいているつもりになっているのは、おかしくて、たまりませんでした。

 

それから、ミケランジェロ広場のフォーク歌手。

フィレンツェの町を一望できる丘の上のミケランジェロ広場はなずなのお気に入りの場所。一昨年の友達とのイタリア旅行で来ていて、わたしが訪れた10日ほど前にも、ボーフレンドと一緒に再訪したばかりで、まるで映画「レイクハウス」みたい、と思ったのですが、なずなは、ここの、同じ場所に座っていたんだなあと思いながら、階段に座り、音楽を聴いていました。

夕日を眺め、聴いたAdele  の「Someone Like you」。おもわず涙がにじみ出てしまいました。旅と夕日と音楽はひとをメランコリックにさせるものですね。

http://www.youtube.com/watch?v=7AW9C3-qWug

 

(間美栄子 2012年9月15日   http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef



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