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写真は350歳のYew Tree (Tunbridge Wells)
*うちのキッチンの窓辺では秋に植えておいたピンクと白とむらさきのヒアシンスが咲きはじめて強い香りを漂わせています。
お昼休みに職場の近くの森にピクニックにいくと、冬は下草のネトルも茂っていなくてどこでも好きに森の中を歩けるので、見つけた倒木をベンチにひなたぼっこ。もう少しすると、ブルー-ベルの芽が出てくるので、このようには歩けなくなるでしょう。冬には冬のよさがありますね。雪国そだちのわたしには、土があらわれているこの地の冬には春の訪れが早くやってくるように感じられます。
第104話 「聖地」めぐり
正月早々なずなと口争いをしてしまい、いかに自分がストレスをためていたかを認識したのですが、それを契機に、「急がなくてもいい」、「形あるものは古くなったり、壊れたりする」、「人は失敗をする」、という3つのことを呪文のように繰り返し唱えてひとつひとつの行為をマインドフルに行うようにこころみています。
コンピュータを消して、友人が日本から送ってくれた梨木香歩さんの「ピスタチオ」をゆっくり読みました。ライターの主人公の日本での暮らしが描かれている前半と、ウガンダを旅する後半がつながりを持っている、不思議な精神、無意識の世界を描いた小説です。
読後、わたしにも、わたしの精神、無意識の旅路があったのだった、と思い出しました。そして今わたしはどこにいるのか、まだ旅の途中なのか、考えてみました。
フィンドホーンを皮切りに、Forest of Dean、ウェールズのバイオダイナミックファーム、カンタベリー大聖堂と旅した一番最初の一人旅。
友達とレンタカーを借りて回ったコンウォール。アーサー王伝説のティンタジェル、
セントマイケルズマウント。ドーナツ型の岩が立っているMen- an-Tol.
さまざまな教会や、動物や植物のエネルギーにあふれた彫刻も目にしました。キルペックチャーチ、ロザリンチャペル、ヨーク大聖堂。
ストーンヘンジをはじめとする数々のスタンディングストーン。豊潤を祈願する、チョークの丘に刻まれた巨人の絵。
グラストンベリー、バース、いずみ湧き出る数々の聖地。
これらの地を訪れ、太陽を拝み、岩に触れ、空気を吸い、水を飲みながら、古代からの人々の「祈り」に思いをはせ、大きな力とつながることができたむかしの人間の素直さを感じていたわたしでした。
それから数年がたち、フルタイムで病院勤務になりレポート書きに追われ、家を購入したりしているうちに、心忙しくすごし、そんな「祈り」をわすれてしまっていたようです。
3.11、ことに原発事故で、おごり高ぶっていた人間のありさまを知らしめさせられたわたしたちは、いまもう一度、地霊との結びつきを取り戻すことが必要なのかもしれません。「聖地」といわれる土地だけではなく、すべての場所にいきづいている木の霊、水の霊をまた感じ始め、畏れ敬う、そんな時なのかもしれません。
14年前わたしがリュックサックひとつで日本をたつとき、携えてきたものに、明治生まれの民俗学者宮本常一さんの一冊の本がありました。この本を今再び手にとってみて、「ああ、わたしは日本の庶民の精神文化に帰っていくたびの途中なのか。」と、悟りました。
(間美栄子 2012年 1月15日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)
上記の聖地の詳細は、25年間世界の聖地を旅している Martin Gray のホームページを。写真が美しい。
http://sacredsites.com/sacred_places/index.html
偶然見つけた「レイラインハンター日本の地霊を探訪する」の著者のブログ「祈りの風景」シリーズ、ぜひご覧ください。
http://obtweb.typepad.jp/obt/2011/05/pray.html
シュタイナー幼稚園に関して検索しておりましたら、間様の記事が目にとまり読ませて頂きました。
今は英国にお住まいなのでしょうか?
今年初め、リヒター展を観るために23年ぶりにロンドンに参りましたが、あまりの変わりように驚くばかりでした。
15年程前でしょうか、私もフィンドボーンに行きたいと願っておりました。
間様は、行かれたのでございますか?
この度は、短い滞在でしたが、むくむくそたらに住みたいと気持が湧いてきております。
わたしは14年前にフィンドホーンを訪れ、イギリス移住を決意しました。そのあと、ストラウド、ブリストルと暮らし、娘をシュタイナースクールに通わせて、いまは仕事の関係でタンブリッジウェルスにすんでいます。
フィンドホーンは今年は創立50年記念なので、わたしもまたいってみたいです。ぜひ訪問してみてください。
間美栄子