アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第七十話 ちょっと退屈な、イギリスで家を買うお話

2010-07-31 17:08:28 | イギリスでの暮らし

*私の勤務する病院は樹齢の古い、大きな木が多くある広いガーデンに囲まれているのですが、ある患者さんとはいつも同じ一本の樫の木の根元に腰を下ろしてアートセラピーをしています。
ふたりでそばにあるニワトコの葉や花を観察し、スケッチしていた夏も過ぎ、今は緑色の実をつけています。もうすぐこの実も紫色に変わるでしょう。刻々と季節が移りゆくのを感じます。

第七十話 ちょっと退屈な、イギリスで家を買うお話

この夏は3年ぶりに日本に帰省して、両親に顔を見せたり、同窓会に出たり、旧友たちとカラオケに行ったり、さらには、東京でアートセラピーのワークショップとトークをする、という予定まであったのですが、トンブリッジウェルスで家を購入するプロセスが思うようにはかどらず、飛行機が予約できず、今回は日本行きをあきらめることになりました。

こちらの「家を買う」というのは、日本の「マンションを買う」みたいな感じでしょうか。家を新しく建てるということが無い国なので、みんな家族の大きさの変化にしたがって何回も家を買い換えていきます。私は定年65歳までの18年住宅ローンを組んだのですが、支払額は借家を借りる月々の家賃と変わらないので、若いカップルでも家を借りるより買う、というのが普通のようです。弁護士が売買の中に入り、契約の書類を作るので、費用はかかりますが、ストレートにことが運んだ場合は3ヶ月で手続きできるので、簡単といえば簡単かもしれません。

私の場合、一人暮らしになるわけですから、誰の都合を考えることもないし、どんなサイズでもいいので、条件はただ一つ、「広い庭があり、森に面している」ということで、インターネットで探し、物件を実際見るのに一日使い、その場でこの家、と決定。予算をはるかにオーバーしていたのに無理押し。

普段暮らしているときにはあまり意識しないものですが、なにかことが起きるとき、決断をしなければならないとき、人の性格というものははっきりと見えてくるものです。私は、自分の向こう見ずなところ、オプティミスティック、という面を再認識したわけですが、まあ、そうでないと、この森に面した家は買えなかっただろうから、弁護士の費用がどのくらいかかるとか知らないでいて、かえってよかったのでしょう。

ところが運悪く、評判の悪い大きな弁護士のカンパニーにかかってしまい、プロセスはスローダウン。オプティミスティックすぎて、ブリストルの借家からトンブリッジウェルスの新しい家に直接引っ越せると当てにしていた私は、まだ引越しの準備もしておらないのに、5日のうちに借家を明け渡さなくてはならなくなってしまいました。

あわてて、貸し倉庫にピアノや洗濯機などを入れて、古いセカンドハンドの家具や山のように積み上げられていた自分が描いた絵など、資源リサイクル場に5往復もして捨ててと、おかげで大々的な「ふりだしにもどる」ことになりました。でも、これでなんとか過去を後にして、新しい生活を始めることができそうです。リュックサックひとつでイギリスに移住したときのことを思い出します。

自分自身の、物を捨てない、掃除をしない、という悪癖は今度こそ直さなければならないなぁと思い知らされた次第です。

(間美栄子 2010年 8月1日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)



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2 Comments

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こんばんは (miekoaida)
2011-02-28 03:37:14
私はブリストルに長く住んでいたので、まだケントのことはなにもわからないので、今度よいところがあったら教えてください。
M&SHOMEの近くに住んでいます。M&Sのえびシュウマイとえび春巻きおいしいですよ。おすすめ。
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Twで探している最中 (romi)
2011-02-26 08:15:15
ケントで12年暮らし、東京に戻り6年ぶりくらいにイギリスに戻ってきて、昨日からTWで家を物色中です。
ご縁があるかもしれませんね。
よろしくお願いします。
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