* 新年明けまして、おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。景気後退もなんのその、大晦日には近所でもたくさんの花火が上がっていました。今年も良い年になるといいですね。わたしたちは101ウィシュを更新し、また新たなる望みの実現に向けてがんばりたいと思っています。
さて、お正月といえば年賀状、年賀状といえば富士と日の出。今回は富士にまつわるお話です。
第三十二話 ラフカディオハーン;もっと高いところに
私に影響を及ぼした本の中に、ラフカディオハーン、日本名小泉八雲の「心」がありますが、この本には彼が日本で出会った、いろいろな人のエピソードが綴られています。そのひとつに、明治初期の激動のさなかの日本を旅立ち、ヨーロッパを放浪したある一人の若き侍がどう苦学し西洋から日本を見つめなおしたのかを描いた物語があります。
長い年月を経て、その若者が日本に帰る船が日本の陸地に近づき、甲板は外人が富士を見ようと騒がしくなっています。
ところが彼らには富士が見えません。すると船員が、「目線が低すぎる。もっと高いところをみるのだ。」と教えてくれます。富士は雲の中にその頂をそびえていました。
異文化の中で暮らし、さまざまな価値観や考え方を学んだ彼が、この瞬間、日本文化の精神性の高さを富士を象徴として理解し、ついに帰郷したことを涙して味わうのです。
新聞も読まず、インターネットもせず、テレビも見ないで(明治初期のよう)10年を過ごしてきた私は、まるでもう日本のことを忘れてしまったかのようでしたが、心の深いどこかには、「もっと高いところにあるはずの日本」への気持ちを潜ませてきているのだと思います。もしわたしにそれが見えないなら、目線が低いということでしょうか。ニュースには現れない、日本文化の精神性の高さがどこかにまだあると信じ、いつかそれを探してみたいと思っています。
(間美栄子 2009年 元旦)
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