第102話 冬至に思う
12月21日は冬至。これで毎日暗くなっていくのが早まるのが終わるかと思うとほっとしますね。窓辺ではクリスマスカクタス(かにサボテン)も咲きはじめました。クリスマスももうすぐです。窓に色とりどりの透明な折り紙で出来たスターをはり、小さなクリスマスツリーを仕立て、ワインレッドのクッションや、マットを買って、あたたかい雰囲気のクリスマスの部屋の飾り付けをしたところです。
今年は誰にとっても大震災で大変な年となりましたね。平和も豊かさもあんのんとしていてはいられない、なにも永遠ではないことを思い知らされたようで、一瞬一瞬が大切に感じられます。原発事故のことで、もっと意識的に考え、暮らしていくことが必要になってきたようですが、この原発事故が人類史の中での「冬至」であってほしい、ここからさきはすこしづつ明るくなっていく、と願うばかりです。
私の2011年を振り返ってみると、携帯電話のカメラできままに写真を撮り始めたことがひとつ。職場の周りの自然や、木や陽ざしを撮って遊んでいると、もりのこびとになったような気がします。クローズアップにするとどんな植物も美しいものです。
毎日お昼休みに同じ木の根っこに座ってピクニックして季節を定点観察しているのですが、春のブルーベルも、夏の雲も、秋の黄葉も、虹も楽しむことが出来ました。
それから、日本から友達が遊びに来てくれたおかげで、ナショナルトラストに加入して、さまざまなガーデンめぐりをしました。これまではリージェントパークのクィーンズガーデンのばらと、ハイドパークのバラ園が美しい、と思っていましたが、まだまだ目を見張るばかりのすばらしいガーデンがいっぱい。
テートギャラリーの会員にもなったので、ゴーギャンやミロ、マグリットの展覧会や、さまざまなモダンアートもみる事が出来ました。
晩秋になってからは、いえにこもり、20年も前のふるいセーターやカーディガンの穴やほつれの繕いを楽しむようになりました。縫い物をするようになったとは、私も落ち着いてきたものだなあ。
今日は霜が降りてとても寒い朝でした。フットボールフィールドの中のコンクリートのフットパスを自転車で行くと、霜のひとつぶひとつぶが朝日で輝いて、ぎんと金の道の上を体が浮かんでいるようで、不思議な体験をしました。
原発のことなど、落ち込みがちな心を、どう自分で明るくし、美しいもの、ほんとうに大切なものを見つめていくのか、日常の中の美を見つけていくのかが、3.11以降のこころのもちかたなのかなと感じています。
今年も本当にお世話になりました。いろいろ支えてくださってありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。
Merry Christmas.
(間美栄子 2011年 12月15日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)
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