アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第五十五話 フィンドホーンの実践

2009-12-18 08:01:01 | フィンドホーン

(ユダヤ人夫妻のジュリエット&ラリーがプレゼントしてくれたモロッコのランプ)

*街角では、大人の身長ほどの高さの生のクリスマスツリーが売られており、それらを買い求めては運んでいる人々もみられる季節となりました。
今年も一年大変お世話になりました。わたしにとってはフルタイムのセラピストの仕事を得て、おおきな転換期となったよい年でした。皆さんにとってはどんな年でしたか?
このメール通信も、はや3年目、書き溜めた小話も尽き、新年からはいよいよ、リアルタイムのお手紙となります。また、どうぞ懲りずにお付き合いください。それでは、よいお年をおむかえください。

第五十五話 フィンドホーンの実践

思えばいくつものクリスマスをむかえ、すごしてきたものです。季節は巡り、また同じところに戻ってきたような錯覚はあっても、それは一回り高くなっているスパイラルを描いていて、よく見てみれば、何かを経験し変化している自分に気づくでしょう。

変わらないことは、12年間「Opening Doors Within」という、フィンドホーンをはじめたアイリーンの365日、日々の瞑想の本を、毎晩眠りに着く前に読んでいるということでしょうか。大きな力と一体であって、安心していられること、不可能なことは何もないこと、すでに力は豊かにあって、それをひきだせばいいということ。それらの言葉が何度も繰り返されるうちに体にしみこんでいくようです。

フィンドホーンで得たことを自らの持ち場で、普通の生活の中で実践していくこと。それがこの12年間だったのではないでしょうか。
私は、外国で暮らし、お金の無い、不安定な場所に身をおくことで、なんでもお金で買ってしまうのではなく,人とのつながりの中で与えられていくことを学びました。失敗を数多く繰り返しながら、それでも不可能なことはなにも無いと信じ続け、小さな奇跡を目の当たりにしてきました。

実は、今の職場の病院の面接に行くときも小さな奇跡がありました。

「どやどやと汽車に乗り込んで来た小学生たち、半分以上は黒人の子供たち。
どの子もみんなうきうきとはしゃいでいる。おとなしそうなインド人の女の子は若い引率者とチョコレートをシェアーして話している。
彼らを微笑ましく眺めていた私の目に突然涙が溢れ出て来た。私も小学校の先生になろうと思っていた頃があったんだった— 外国でセラピストになろうなんて、思えばずいぶん遠くまで運ばれて来たものだ。
それまでの朝からの緊張が急に緩んだのか、涙腺も緩んでしまったようだ。
そうだ背伸びをしてもしょうがない、ここまで来れたことをよしとしよう。ありのままの私を話してこよう。」

こんな一瞬を奇跡とよぶことができたら、わたしたちの普通の日々や一年は小さな奇跡にみちたものとなるでしょう。

(間美栄子 2009年 12月15日)



最新の画像もっと見る

post a comment