
週末に吹き続いていた大風が止み、穏やかな月曜日を迎えました。
12/21土曜日は南寄りの風で、12/22日曜日は北寄りの風が吹いていました。
その風が地上の空気を綺麗にしていった様で、海の向こうには富士山がよく見え、更に城ヶ島の橋まで見えていたのには驚きました。

しかし今年は富士山の初冠雪が遅かった事もあり、山頂の雪がいつもの年よりも少なく、12月下旬とは思えないくらいです。
暖かな日射しとひんやりと冷たいそよ風の吹く海岸をゆっくりと歩きます。
満潮時の打ち揚げラインには木片等の植物由来の漂着物がたくさんありました。
浜の様子がこんな感じの時は、何かが珍しいものがありそうな雰囲気です。
砂浜にしゃがみ込む様にして、貝殻を探し始めました。

そんな漂着物の上にポツンと置かれていたベニシボリ!
標準原色図鑑全集3によると、ベニシボリは房総以南、潮間帯の海藻の間に生息するそうです。
かなり広い範囲に分布し、比較的浅い所にいるのですが、貝殻を見かける頻度はとても低い感じです。
とても小さくて薄い貝殻は、脆く壊れやすいからかもしれません。

その他には二枚目や微小貝等をビーチコーミングで見つけました。

波打ち際近くにブイが打ち揚げられていました。
長い間漂流していたブイには海藻やフジツボ、カルエボシが付着し、海に浮かぶ小さな町のようです。

残念ながら砂浜に上陸してしまい、その町に棲む住人は息絶えていました。

キンセンガニも打ち揚げられていました。
磯や砂浜で見かけるカニと違って脚にはヒレがあり、泳ぎが得意なカニの様です。
普段は砂の中に潜っていて、いざという時にはヒレのある脚で海中を泳ぐそうです。

海上にはカンムリカイツブリの姿がありました。
潜って魚を探していたり、海面で羽づくろいしたりと全部で4羽いました。
冬の始まりはとても暖かく、富士山の冠雪も少ないですが、野鳥達は今年も同じように南房総へ越冬しにやって来ています。
今年は海の中では水温が高いため、南の方の魚が多いと漁師さんが仰っていました。
南房総の冬が暖かいのは海水温の高さと関係があるようですが、目に見えて海中の変化が現れているとすれば、いずれは陸上でも生き物達の行動が変わってくるのかもしれないと思いました。
打ち揚げられた木片等の漂着物もそのままで、たくさんの貝類の生きていた痕跡も見られる自然な海岸は素晴らしいです。
しかし手付かずの場所の様に見えるこの海岸ですが、6月頃になると海水浴場開設の為に、漂着物が全て一掃されます。
更に長い海岸線の両端が護岸されているのも残念です。
人の生活やレクリエーションの為に、小さな生き物達が犠牲になっていることが無くなるような、人と生き物の調和のとれた海岸が理想的だと感じました。