ミシン屋さんの洋裁教室には
若かりし頃 鹿児島で大島紬を織っていた方がいらっしゃいます。
その生徒さんは 御年 8△歳
教室に来られるようになって 約2年ほど。
最初は 帽子作りから始められ バッグ・リュック・ベスト・っと
徐々に 高度で 手のかかる作品に 挑戦されるようになり
ジャケット(裏無し)パンツ・・そして とうとう 先月 コート(裏付き)を完成されました。
型紙は サンプルの有り型を使いましたが
生地も配置や柄合わせなど 全部 自分で決められ
毎回 自分自身の”こだわり”をもって作品づくりを楽しまれています。
そして 教室の皆さんに披露して みんなに褒められると
更に 次の作品への意欲!をもやされ
「がんばるぞぉ~!」
っと雄叫び?!をあげられることも・・
本当に愛らしい生徒さんなんです
そして もちろん 他の生徒さんも その意欲に刺激をうけ
自分もっ!っと次の作品へ臨まれます。
毎回、この生徒さん同士の”相乗効果”に私自身 いろんな意味で
刺激をうけ 時に 助けられ 勉強をさせてもらっている
そういつも 感謝してます
教室の生徒さんは ほぼ 私の母か それ以上の年齢です。
当然 目も乏しく まっすぐ縫えない方もいらっしゃいます。
手もまた同様で ミシンをうまく動かせないこともあります。
よくみれば ステッチも曲がっていたりします。
なので たしかに・・
作品の完成度としては あまり高くはないかもしれません・・・が
その物づくりには それ以上の大きな”意味”があるのかも・・。
実は・・・
ある生徒さんは 教室に通い始めた頃
お嫁さんと あまりうまくいっていなかったそうです。
お嫁さんは 生徒さんの洋裁教室通いも あまり快く思っていなかったそうですが
ここ数年 生徒さん自身が バッグに洋服といろんな物を作るのをみて
最近 お嫁さんが その作品たちに関心をもってくれるようになったそうです。
そして・・ついに
「うちの嫁が この携帯ポーチ 欲しいって言ってくれたのよ。
」
そう言って せっせとミシンを踏み 嬉しそうに話してくださいました。
お嫁さん自身に心の変化があったのか?
生徒さん自身が変わったのか?
それは わかりませんが
なにかしらの”きっかけ”が必要だったわけで
義母である生徒さんとお嫁さんの仲を取り持つその”きっかけ”が
生徒さんが せっせと作った携帯ポーチだったということが
嬉しくもあり
また
私にとって
新しい発見でもありました。
この携帯ポーチは もともと ある生徒さんから
「法事の時に 親戚にプレゼントしたいから 簡単にできるもの考えて
」
っと頼まれて作ったのが最初でした。
その後、6月にある法事に向けて その生徒さんも 只今 せっせと制作に励まれてますが
作るそばから お友だちが どんどん「欲しいっ
」と持って行ってしまうので
まだ 法事用の携帯ポーチが追い付いてないの・・っと先週 照れ笑いされていました。
実は 島原の生徒さんも まったく同じで
すでに 10個ほど作ったものの
全部 人にあげてしまったので
今 更に 追加で せっせと作っている最中とのこと。
ご近所さんに おかずをもらった時
ちょっとお世話になった時など
ちょっとしたお礼に あげるのに ちょうどいいのだそうです
”お付き合い”が希薄になる昨今
素敵なことだなぁ
しみじみそう思います。
たぶん 繋がる形は 人それぞれ・・
お菓子作りが得意な方は お菓子で。
パッチワークの方は パッチワーク小物で。
絵が好きな方は 絵手紙で・・などなど。
いろんな繋がり方がある中
生徒さんたちは ”洋裁”の物づくりで 繋がっていらっしゃる。
横で 生徒さんの 困った困った
っといいつつ
嬉しそうなお顔をみていると
私も 嬉しくなりますね。
今日は 土砂降りの雨の長崎。
先ほど 用事で出かけたら
国道で 大きな事故があってました・・・。
隣のおじさんが 近所のやんちゃ坊主君がバイクで出かけようとしているのをみかけて
「事故があってるから気を付けろ!」
そんな注意をしてました。
やんちゃ坊主君は 見た目も ちょっとやんちゃで
中学では トップクラスを誇る?!やんちゃをしていたそうですが
おじさんの言葉に 自分を気遣ってくれることを ちゃんと理解して
「うん。わかった。ありがとう
」
ちょっと恥ずかしそうに 照れながら バイクで出かけていってました。
これが おじさんなりの ”付き合い”であり 近所と繋がる”きっかけ”なんですよね。
”形”で 表すのも
”言葉”で伝えるのも そこにあるのは 相手を思いやる”心”の表れ。
大切なことなのに
それを 上手に伝えるのも 相手の心をくみ取るのも 苦手な時代になってきているような気がします。
私は ”洋裁”を教えながら
生徒さんたちの姿に
”大切なもの”を
毎回 学ばせてもらっている
人生の先輩であり 先生でもある 生徒さんたち。
あんな素敵な歳の重ね方 私もしていきたいなぁ
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