ここのところ、スーパーにいくと、山のような売れ残りが出ている
商品が、いくつかある。
みなんさんも、知ってのとおり、震災後、放射能濃度の高い野菜が各地で
発見され、スーパーの野菜売り場は、おろか、八百屋の軒並みに並ぶ、
いくつかの野菜には、誰も、見向きもしないという現象が、起きている。
ところがっ! である。
こんなときこそ、極貧猫山の出番では、あーりませんかっ!
そうです!いつも、行く、八百屋へと、なぜか半分、スキップをしながら、私は、向かったのであった。
そこで、私は、困り果てた顔で、野菜を売る、八百屋の親父の顔を覗き込む。
”おにいさーん、このほうれん草、売れてないねえー。”
親父は、ちょっと、びっくりしたような顔で、私のほうを
みると、”うーん、おかしいんだよね、他の野菜は、売れてるんだけどねえ”
(おいおい、八百屋の親父よ、しらばっくれても無駄じゃい!
理由は、あんたも知ってのとおり、放射能が沢山入った、野菜は誰も口にしたくないに決まってるだろう。)
私が、心の中で、文句をいっていると、そこへ、見知らぬ婆さんが、
現れた。
婆さんは、突然、私たちの会話に入り込んでくる。
”ちょっと、あんた!これ、みんな湘南産ってかいてあるけど、本当なのかい?”
婆さんは、意外にも、いいところに眼をつけていた。
実際、2,3日ほど前から、八百屋だけでなく、スーパーの店先に並ぶ野菜は、どれも湘南産なのだ。
それまでは、茨城産や、栃木産、福島さんの野菜が沢山あったのに、それらの姿は、どこを探しても、みあたらない。
だが、八百屋の親父は、悪ぶれるそぶりもなく、婆さんに、
”もちろんですよ!”といってのける。
なんだか、怪しい、怪しすぎる!
そこで、私も、すかさず、聞いてみる。
”おにいさん、これ、ほんとに大丈夫なのかい?”
八百屋の親父は、間髪いれず、答える。
”大丈夫ですよー。全部、ハウスものだからね。”
(おい、おい!親父よ、答えになってないだろう!
つまり、あんたは、ハウス物だから放射能濃度が低いとでも、
いいたいのかい!)
そこで、横にいた婆さんの値切りが始まった。
”売れてないんだから、買ってやってもいいけど、これ しなびてるわよね、安くしてちょうだいよ。”
八百屋の親父は、すんなりと婆さんの要求を受け入れ、3束、100円という値段に落ち着いた。
そこで、私も、すかさず婆さんと同じ値段で、買えないものかと、
親父に訪ねると、すんなり交渉は、成立したのであった。
久しぶりに食べられるほうれん草の袋を抱え、
ニコニコしながら、歩いていると、さっきの婆さんが、目の前から
歩いてくるでは、ないか!
婆さんは、私の顔をみると、にんまりと笑って言った。
”あたしゃ、後、何年、生きられるか、分からないからねえ。”
そこで、私も、”そうだよねえー。そんなに(放射能とか)心配しなくても、後、何年でも、ないでしょ”
その次の瞬間、婆さんは、更なる、笑みをうかべ、ニヤ-ッと笑いかけたかと、思うと、最後にこう言い放ったのだ。
”あんたもだよー。”
婆さんのこの世のものとは、思えない薄気味悪い微笑みに、とてつもない
恐怖を感じずには、いられなかった
商品が、いくつかある。
みなんさんも、知ってのとおり、震災後、放射能濃度の高い野菜が各地で
発見され、スーパーの野菜売り場は、おろか、八百屋の軒並みに並ぶ、
いくつかの野菜には、誰も、見向きもしないという現象が、起きている。
ところがっ! である。
こんなときこそ、極貧猫山の出番では、あーりませんかっ!
そうです!いつも、行く、八百屋へと、なぜか半分、スキップをしながら、私は、向かったのであった。
そこで、私は、困り果てた顔で、野菜を売る、八百屋の親父の顔を覗き込む。
”おにいさーん、このほうれん草、売れてないねえー。”
親父は、ちょっと、びっくりしたような顔で、私のほうを
みると、”うーん、おかしいんだよね、他の野菜は、売れてるんだけどねえ”
(おいおい、八百屋の親父よ、しらばっくれても無駄じゃい!
理由は、あんたも知ってのとおり、放射能が沢山入った、野菜は誰も口にしたくないに決まってるだろう。)
私が、心の中で、文句をいっていると、そこへ、見知らぬ婆さんが、
現れた。
婆さんは、突然、私たちの会話に入り込んでくる。
”ちょっと、あんた!これ、みんな湘南産ってかいてあるけど、本当なのかい?”
婆さんは、意外にも、いいところに眼をつけていた。
実際、2,3日ほど前から、八百屋だけでなく、スーパーの店先に並ぶ野菜は、どれも湘南産なのだ。
それまでは、茨城産や、栃木産、福島さんの野菜が沢山あったのに、それらの姿は、どこを探しても、みあたらない。
だが、八百屋の親父は、悪ぶれるそぶりもなく、婆さんに、
”もちろんですよ!”といってのける。
なんだか、怪しい、怪しすぎる!
そこで、私も、すかさず、聞いてみる。
”おにいさん、これ、ほんとに大丈夫なのかい?”
八百屋の親父は、間髪いれず、答える。
”大丈夫ですよー。全部、ハウスものだからね。”
(おい、おい!親父よ、答えになってないだろう!
つまり、あんたは、ハウス物だから放射能濃度が低いとでも、
いいたいのかい!)
そこで、横にいた婆さんの値切りが始まった。
”売れてないんだから、買ってやってもいいけど、これ しなびてるわよね、安くしてちょうだいよ。”
八百屋の親父は、すんなりと婆さんの要求を受け入れ、3束、100円という値段に落ち着いた。
そこで、私も、すかさず婆さんと同じ値段で、買えないものかと、
親父に訪ねると、すんなり交渉は、成立したのであった。
久しぶりに食べられるほうれん草の袋を抱え、
ニコニコしながら、歩いていると、さっきの婆さんが、目の前から
歩いてくるでは、ないか!
婆さんは、私の顔をみると、にんまりと笑って言った。
”あたしゃ、後、何年、生きられるか、分からないからねえ。”
そこで、私も、”そうだよねえー。そんなに(放射能とか)心配しなくても、後、何年でも、ないでしょ”
その次の瞬間、婆さんは、更なる、笑みをうかべ、ニヤ-ッと笑いかけたかと、思うと、最後にこう言い放ったのだ。
”あんたもだよー。”
婆さんのこの世のものとは、思えない薄気味悪い微笑みに、とてつもない
恐怖を感じずには、いられなかった