極貧糖尿生活始まる

極度の貧乏と、戦いながら、糖尿に打ち勝つことを決めた中年男の徒然日記

悲しみのバイト研修

2011-03-27 10:21:54 | 日記
先日、バイトの研修へ行ってきた。
以前にも、何度か、やったことのある、簡単な選挙事務所の仕事である。

ところが
私の左目は、例のごとく、眼底出血をおこしてしまい、パンク状態
視力のほとんどない、右目だけをたよりに、やっとのおもいで、道を歩いているような感じなのだ。

とは、いうものの、バイトは、やめられない。
完全に、金が入ってこなくなっては、今度は、生命の危険にさらされてしまう。

とうことで、研修会場で、いつもどおり、パソコンのボードを使って
打ち込みをやらされることになった。

私の目の前には、3台のパソコンがあり、その前に、私と中年女性2人が
座らされた。

そして、次の瞬間想像を絶する悪夢の時間が、私に訪れることとなった。

なんと、恐ろしいことに、私の目の前にある、パソコンのスクリーンが、まったくみえない

さらには、パソコンのボードの文字なんて、これっぽちも、みえないのである
打ち込みをしようにも、これじゃあ、どうすることも、できないだろう!

いつもならば、簡単にすらすらと出来る仕事なのに!
なんてことだろう

そして、そうこうしているうちに、私の背後に人影が、現れる。

やっ、やばい!やばすぎるうー!

絶対絶命の危機を強く感じると同時に、背後から、男の野太い声が
聞こえてきた。

あのー、もしかして、みえないんですか?”

私は、その野太い声に、必死の形相で、答える。
”ええ、みえないんです。4日ほど前から、急に左目が
駄目になってしまいましてねえ。”

それを、聞いた男は、なんと、私よりも、すごい形相で、
半分、にらみ付けるような眼で、聞いてくる。
ほんとに、見えないんですかあ! 大丈夫なんですか、仕事、できますか。
男は、驚きを隠せなかったのか、大きな声をあげ、私にどんどん、
質問をしてくる。
他のバイトたちも、軽蔑するような視線を私にむけてくるでは、ないか。

ひどい、ひどすぎる
神様なんて、いないかもしれないけど、でも、なんてひどい仕打ちを神様、あんたは、俺にするんだいっ!

なんだか、奈落の底に突き落とされたような気持ちになってしまった。

涙を流したい気持ちを抑え、苦しみながら、できもしない、打ち込みを
必死に続ける。

すると、後ろから、また野太い男の声が、聞こえてきた。
それでは、時間です。みなさん、席にお戻りください。
みなさん、予定通り、選挙のほうは、行いますので、今回も、どうぞ、
よろしくお願いします!”
なんて、調子のいいことを、言っておきながら、
そいつは、私から、必死になって目をそらしていたのであった。

それから、数日後、残念ながら、私の左目からの出血は、止まらず、
私は、バイトをあえなく断念することにした。

バイトの管理会社に電話し、事情を説明すると、軽快な声で、
親父が、受け答えをしてきた。

”いやー、大丈夫でしょう!、猫山さん、できますよ。
今、スケジュール確認してるんですけど、猫山さん4月から、
ばっちり働いてもらう予定になってますよ。”

私も、”いや、でも、見えないんですよ。ほんとに。”と答える。

それに対して、親父も、即座に聞いてくる。
”それは、治らないんですか?”
治るも治らないも、今、俺の左目からは、血が流れ続けているんだよーー。そう、電話ごしに、叫んでやりたかった!

私が、親父に、そんな事を伝える間もなく、
眼が治り次第、連絡をください!お電話、待ってます!
と、親父は、なんともなかったように、さわやかな声で、電話を
切ってしまった。

かくして、私の眼底出血との戦いは、まだまだ、続くのであった。