ハナカマキリのプライド

次男と近くで催されている
「小さな昆虫展」なるものに行ってみた。

そんなに広くないスペースに
くぬぎやこならやくすのきなどの森がつくられており、
そのあちこちで世界を代表するクワガタやカブトムシが展示されている。

　　　　　　　

タランドゥスツヤクワガタ
コーカサスオオカブト
セアカフタマタクワガタ・・・・etc。

遊びに来た子どもたちの目はキラキラだ。

そんな展示に並び、
「えっ、花だけ～？」というケースが端っこに・・・。


マレーシア、インドネシアなど熱帯雨林にいるとされる
「ハナカマキリ」のケースである。

花に似て天敵から身を隠すとともに
花とまちがえて近寄ってきた昆虫を捕らえて食べるという
「悪い女」みたいなヤツである。

それにしてもハナカマキリさん、隠れすぎである。


みなさん、一度は覗いてみるのだが、
「わかんな～い。」
といって立ち去ってしまう。

・・・・さびしい展示ケースである。


あれなんだろ？と思い中をのぞいてみても
確かに「花」しか見えない。しかも・・・「造花」。

　私：「ハナカマキリって書いてあるけどいないね。」

しかし、どちらかというとしつこいタイプの次男は食い下がる。

・・・・すると、

次男：「いた～！ココ！ココ！」
　私：「おぉぉ～！こんなところに！」

その声をききつけたのか、あれよあれよと人が集まってくる。

　「どこ？どこ？」

なぜか、ガイドをはじめる私と次男。
お年寄りには画像の写真を見せて場所を確認していただいた。

ハナカマキリは動作が緩慢でほとんど動きがないといわれるが
このときばかりはうれしかったのであろう、

ちょっとだけカマを振ってみせた。

「あたしゃ、ココよ」

ハナカマキリのプライドを感じた一瞬であった。





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