もちつきうさぎ

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ハートのおもちつきでスマイル満開なエッセイブログ。

花の江戸子、なにわをゆく 21

2007-04-28 | 旅のおはなし(花の江戸子)
~ざりがにつり~

社宅のすぐ裏手にかまえる公園は(当時)
ただただ、ダダっ広いだけの公園で、
お世辞にも「緑の植え込みが美しい」とか
「ウォーキングにふさわしい」などとは言えぬシロモノだった。
(現在はガーデニングの参考になるくらい美しい公園に変貌を遂げたが…。)

それはそれで、
お江戸から来た私たちにとって
手付かずの魅力に溢れていた。

公園の奥のほうに
「若いお嬢さんの一人歩きは危険です。」的な一帯があった。
伸びきった草に計画性もなく植えられた木。

なにやらキツネでも出てきそうな場所だった。

そのまた奥に、良く言えば「ビオトープ」、
普通に言ってしまえば単なる「大きな水溜り」があった。


6月も半ばの蒸しアツい日の夕方、
プラプラ散歩に出かけた私と息子は
そこが小学生の男の子たちの「聖地」であることを知った。

無心で釣り糸をたらす男の子たち。

「何つってんの~?」と息子がきくと
「おまえ知らんのか~?」と男の子。

「ここはな、ざりがにがぎょうさんおるねん。」

ほほ~、そうなんだ。
正直、変な釣り方だなぁと思っていた私は納得。

・・・待つこと○分。
釣れた、釣れた!
黒いようで赤い、みごとなざりがにが釣れた。

このとき都会育ちの私ははじめて「ざりがにつり」を知った。
興味津々である。

そこにいた小学生の子にいろいろきいてみた。

「エサは何で釣るの~?」
「ほしたエビ。」
  ・・・・ふむふむ。

「釣ったざりがにはどうするの?」
「一匹だけ持って帰る。」(この子の場合)
「そんでな、脱皮したらまたここに戻すねん。」(これまたこの子の場合)
  ・・・・やさしいお兄ちゃんだ。


息子との散歩の帰り道、
「今度、釣りの用意してまた来よう!」と話した。

「ざりがにってさぁ~
 ざりガニっていうのにエビなんだよね~。」

当時からどこで仕入れたのか“うんちく”に詳しい我が息子。


ざりがにつり”に没頭する小学生になることを
彼はこのときまだ知らない・・・。

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2 Comments

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子供の頃良く取りました。 (fujimino)
2007-04-28 22:50:50
ざりがにつり、浅い所では編みなどで取ったことも・・。

食べた事もあったような・・。

そういえばアメリカンロブスターはざりがになんですよね。
返信する
fujiminoさんへ (ニーナ)
2007-04-29 00:23:59
えっ!食べたことあるんですか!?
(この話のずっと後)長男が小学生のとき、ざりがにを釣ってきて飼ってみましたが、なかなか人間くさいヤツでおもろかったです。何度も脱皮して、脱走して、
「オレはこんなとこにいたらあかんねん。」といいながらビオトープに帰って行きました。(笑)
返信する