日本四人将棋連盟

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プロの使命

2016年09月07日 | コラム
「棋士は無くてもいい商売だ。だからプロはファンにとって面白い将棋を指す義務がある。」  
これは稀代の名棋士、升田幸三の名言である。  
私は過激手や四人将棋の哲学・マナーに理解を示しつつも完全には賛同しかねている。
勝つための手を指して何が悪い・・・と。
しかしファンを魅了する棋譜を残すことには努めていきたいし、これはプロの使命だと思う。  
四人将棋の哲学も根本的にはこの名言と似通った考え方なのだろう。

ファンを魅了する将棋を心がけているうちに自然と四人将棋の哲学を受け入れられるようになるかもしれない。  
そして我々には対局以外にもう一つ重大な使命がある。そう、四人将棋の普及活動だ。  
魅せる相手がいないことにはこの商売は成り立たない。十分な数のギャラリーを集めて初めて本物のプロを名乗れる。
将棋に限らずあらゆるジャンルのプロは熱心に普及活動しているが、
本来なら知名度の低い我々の方がより普及活動に勤しむべきだ。  
正直に言うと現状は自分自身の抱えている問題で精一杯だ。
それでも戦後GHQの将棋廃止命令に直談判で抗い将棋の伝統を守り抜いたかの名棋士のように、
私も何者にも動じない屈強な精神で立ち向かっていきたい。

「全局のことでも、また局部、局部のことでも、その一手の差を慎重に、そして最善を尽くす人が、『勝ち』にゆくわけで、一手ぐらいなどといって、気楽にしとる奴が、結局は敗北に繋がる。」

一般社団法人日本四人将棋連盟
藤川智之理事

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