今回はCPU2台・人間2人の1vs1対戦についての持論を記す。
余談だが、当連盟ではSDIN四人将棋のCPUはレベル1が最も強いとされており、
公式戦でも空席の穴埋めにはCPUレベル1を採用している。
1vs1対戦での配置パターンは「人間同士が対面」「人間同士が隣り合わせ(自家が相手の左)」「人間同士が隣り合わせ(自家が相手の右)」の3つ。
以下「対面」「左」「右」と略す。
この中で最も自家が有利な配置はどれだろうか。
まず対面の場合。
これは手番の差以外は平等である。立ち回りとしては早めに下家を寄せるのが肝心。
ただし下家をあえて詰まさず、マジックの踏み台にする作戦も有力。
下家に王手をかけつつ相手の駒を奪う狙いだ。
この作戦を採用するなら下家のCPUに過激手を指されても文句は言えない。
また、逆に相手からマジックをかけられないように気をつけたい。上家側に駒を進めるときは要注意。
次に左の場合。
この場合は下家が人間なので養分を確保するのが難しい。妥協して上家のCPUを養分にするか、下家の相手を攻め続けて相手にCPUと戯れ合う余裕を作らせないようにするか、もしくは飛車先の歩を伸ばして対面にと金を作りおこぼれを拾うのが良いだろう。
いずれにせよ序中盤は二番手の地位に甘んじることになりそうだ。
更に、相手にマジックをかけられないのも痛い。マジックの性質上、それで下家の駒を取ることは不可能なのだ。
最後に右の場合。
この場合は速攻で下家を詰ましてしまうのが良い。
下家を詰ませることで右辺に玉が逃げられるようになり、相手からの攻撃を肩透かしにできる。
また下家を退場させると、対面に王手をかけつつ相手の駒を奪うマジックが成功しやすくなる。
下家が存命中だと、対面に王手をかけても下家に妨害されてマジックが不発になる可能性がある。
もちろん下家の玉を的に相手にマジックをかけることもできるのだが、基本的にマジックは隣合った者同士の間に干渉することで起こりうるものであり、下家を利用して上家の相手にマジックを決めるには飛車を使うしかない。
以上の考察から結論をまとめると、自家にとって理想配置は右>対面>左である。
これらの考え方は対局者が3人以上の場合でも応用できる。
しかし人間が多い程より複雑になり更なる理論の発展が求められる。
4人対戦における立ち回りの考察はまたいつか書こうと思う。
一般社団法人日本四人将棋連盟
藤川智之理事