どこ吹く風

旅のことを主に書く。

建築金物

2005年07月25日 06時48分07秒 | 旅-スイス
 この文章を建築関係の方に読んでもらいました。
返事は「知恵の輪の解説を読んでいるようだ。」でした。つまり読んでも理解できないということでしょう。
でも伝えたいと思い敢えてアップします。

意味が分からないでしょうが、スイスに出かけたら窓かドアのレバー錠を下横上に向けてから引いて下さい。
私が書いたことが分かるでしょう。
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 最初の夜、ホテルのベランダへ出るために親々ドアを開いた。バルコニーは小説や映画に出てくるものと同じ作りで、国旗をデザインした布を垂らすと似合うだろう。そこから通りを眺め、向かいの建物を見てヨーロッパに来た実感を味わった。

ドアのことだが、私の知識では左側のドアはフランス落しで固定されているのが当たり前である。
ところがロックを外すと両方のドアが開く。よく見るとレバーを回すと上下に鉄砲錠が飛び出して固定する。そして親ドア2ヶ所でロックされるようになっている。

初めて見た仕様に幾度もドアの開け閉めを繰り返した。一度の操作で両扉の開閉が出来るなんて素晴らしい。

 数日後山小屋風のホテルに泊った。二段ベットが4台とシングルベットが置かれている部屋だった。全てが新しく感じたので新築あるいは改装したのだろう。
通された部屋の窓には両開きのドアが二組取り付けられている。親ドア(右側のドア)の上部が手前(室内側)に傾いて換気用になっている。

 換気用になっている窓を閉めてレバーを横向きにした。(それまでは上向きになっていた。)すると窓は通常の窓のように開いた。もちろん両開きで。レバーを下向きにするとロックが掛かる。
 面白いので開け閉めを繰り返して、さらに窓枠に立って金具を見た。レバーを操作する事により兆番が外れて別の金具が連結されて、前に傾いたときのストッパーになる。レバーの向きによって爪が掛かったり外れたりする。

 このような兆番プラスαの役目をする金具は初めて見た。日本でも使える金具と思うが見たことが無い。何故だろう。

 またドアの作り方だが、ドア枠に戸当たりを三方回してドアはインセットで、ドア枠内に収まるようになっている。ところがスイスでは、さらにドアがドア枠にカブセとなっている。つまりドアが二段になっている。二段とは、ドア枠内に収まる部分とドア枠をカブセで覆う部分とである。
寒気を遮断する目的なのだろうか。

 スイスの風景で、赤や緑に塗装された鎧戸が開いている写真は見たことがあるでしょう。隣の家、背景の山ともマッチしてそれなりに風情がある。その鎧戸は結構な厚みがある、その戸を壁に開いた状態で固定する金具もあった。戸と壁との離れ具合や厚みが調整でき、その形もいろいろあった。また鎧戸の開き具合を調整し固定する金具もあり、考えられている。生活の必要性からそうなったのだろう。

 山を見に行ったのだが、建築金物や建具を見るタノシミもあった。
蛇足ながら防犯の面から見ると、ドアを換気用に傾けたままにしても侵入するには、一旦ドアを閉めてからレバーを操作せねばならないので、易々と侵入を許す事にはならないと思われる。