No.253 2006/3/19作成
Titan's Medium Resolusion Mosaic (labeled)
これは3月10日にNASAの土星探査機カッシーニが土星最大の衛星タイタンに接近したときに撮影された画像をもとに作ったもので、オリジナル画像No.252 http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/409698243ec454e1c82867f2c0daf8dcにラベルを書き加えたものです。
灰・黒のラベルはタイタンに与えられた公式な地名です。
緑のラベルは説明のためにやぎが勝手に名づけたものなのでご注意を。
計80枚を超える画像を使って作りました(笑)。
タイタンは窒素を主成分とする厚い大気に覆われており、もやのせいで可視光線では地表の様子を見ることができません。
そのため、吸収されにくい特定の波長域の赤外線でしか、地表の様子を撮影することはできません。
今回撮影された地域は北半球の中~高緯度地域で、昨年までは詳しい観測が行われていない地域です。
左下は昨年までに撮影された画像だけを使ったシミュレーション画像です。
弧線で囲んだ右下の領域は既に解像度の高い画像が得られていますが、その他の地域、特に高緯度地域はあまり撮影されてこなかった領域です。
最近、カッシーニは土星の赤道面(≒多くの衛星の軌道面)から離れた軌道をとっており、そこから土星やタイタンの極地方の観測が行われています。
その結果、タイタンの北半球では数多くの湖の存在や、高層に北極地方を覆う巨大な雲があることもわかっており、この地域の今後の観測に注目が集まっています。
引っ掻き傷のような模様(Scratch-like pattern)や、蜘蛛状の模様(Spider-like network)、明るい線状の地形(Bright linear feature)など、これまで知られていなかったような地形が多数写し出されています。
Scratch-like pattern
北極に近い領域に、まるで猫が引っ掻いた痕のような線状の模様があります。
この領域は今回より高い解像度で撮影されており、既にオリジナル画像No.249 http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/d80c79ade0f7ba18bee5b7f7a180afd7で紹介しています。
また、他の波長でも撮影されており、それらを合成した擬似カラー画像をオリジナル画像No.250 http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/8374c711d6fc7a2f492d33ba2e11a1c2で紹介しています。
Spider-like network
中緯度地域に蜘蛛のような網目状の模様があります。
この部分の拡大画像は既にオリジナル画像No.252 http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/d3cb7b77f5ecc4e07001f29851aa405fで紹介しています。
Bright linear feature
これも北半球の中緯度地域に見られる地形で、真っ直ぐ延びた明るい線状の地形です。
その正体が何なのかはまだ分かりませんが、恐らくタイタンの地殻活動によって作り出された地形だと考えられます。
明るい雲のようにも見えますが、別の日に撮影された画像でも確認できるので、その可能性は低いと思われます。
元の画像:NASA/JPL提供
Titan's Medium Resolusion Mosaic (labeled)
これは3月10日にNASAの土星探査機カッシーニが土星最大の衛星タイタンに接近したときに撮影された画像をもとに作ったもので、オリジナル画像No.252 http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/409698243ec454e1c82867f2c0daf8dcにラベルを書き加えたものです。
灰・黒のラベルはタイタンに与えられた公式な地名です。
緑のラベルは説明のためにやぎが勝手に名づけたものなのでご注意を。
計80枚を超える画像を使って作りました(笑)。
タイタンは窒素を主成分とする厚い大気に覆われており、もやのせいで可視光線では地表の様子を見ることができません。
そのため、吸収されにくい特定の波長域の赤外線でしか、地表の様子を撮影することはできません。
今回撮影された地域は北半球の中~高緯度地域で、昨年までは詳しい観測が行われていない地域です。
左下は昨年までに撮影された画像だけを使ったシミュレーション画像です。
弧線で囲んだ右下の領域は既に解像度の高い画像が得られていますが、その他の地域、特に高緯度地域はあまり撮影されてこなかった領域です。
最近、カッシーニは土星の赤道面(≒多くの衛星の軌道面)から離れた軌道をとっており、そこから土星やタイタンの極地方の観測が行われています。
その結果、タイタンの北半球では数多くの湖の存在や、高層に北極地方を覆う巨大な雲があることもわかっており、この地域の今後の観測に注目が集まっています。
引っ掻き傷のような模様(Scratch-like pattern)や、蜘蛛状の模様(Spider-like network)、明るい線状の地形(Bright linear feature)など、これまで知られていなかったような地形が多数写し出されています。
Scratch-like pattern
北極に近い領域に、まるで猫が引っ掻いた痕のような線状の模様があります。
この領域は今回より高い解像度で撮影されており、既にオリジナル画像No.249 http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/d80c79ade0f7ba18bee5b7f7a180afd7で紹介しています。
また、他の波長でも撮影されており、それらを合成した擬似カラー画像をオリジナル画像No.250 http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/8374c711d6fc7a2f492d33ba2e11a1c2で紹介しています。
Spider-like network
中緯度地域に蜘蛛のような網目状の模様があります。
この部分の拡大画像は既にオリジナル画像No.252 http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/d3cb7b77f5ecc4e07001f29851aa405fで紹介しています。
Bright linear feature
これも北半球の中緯度地域に見られる地形で、真っ直ぐ延びた明るい線状の地形です。
その正体が何なのかはまだ分かりませんが、恐らくタイタンの地殻活動によって作り出された地形だと考えられます。
明るい雲のようにも見えますが、別の日に撮影された画像でも確認できるので、その可能性は低いと思われます。
元の画像:NASA/JPL提供
この画像作るのに80枚もの画像を使ってるんですか?気が遠くなりますね。。。
機械翻訳だけの片手間ブログに訪問して頂けただけで十分です。
初コメントですが、去年は週に3回以上見てました。
今まで以上に濃い内容を期待します。
TBありがとうございます。
びっくりしました。
やぎさんの記事、充実してます。
ありがたく読ませていただきました。
>Qさんへ
忙しくて更新があまりできませんでしたが、久しぶりに再開しました。
タイタン特集、ってわけではないんですが、最近のカッシーニは土星とタイタンの間を行ったり来たりするような軌道をとっているので、撮影される対象も限られてるんですよね。
手馴れてきたとは言え、ローテクな画像処理ソフトを使ってるので時間がかかってしまいます。
タイタンは厚い大気に覆われているので、鮮明な画像を作るには手間をかけなきゃなりません。
これからも試行錯誤を続けていきます!
>bbsawaさんへ
以前からお越しいただいていたんですね。
どうもありがとうございます。
最近はなかなか更新できませんが、これからもマニアックな内容を配信していきますので、よろしくお願いしますm(-◇-)m
bbsawaさんのブログも、他ではあまり取り上げられていない海外の記事を取り上げられていて、とても参考になります。
今後も、互いに情報交換をしながらブログを運営していきましょ~♪
>maruさんへ
もったいないお言葉をいただき、ありがとうございます。
ブログでは宇宙、それも最近はカッシーニ関連ばかり取り上げていますが、本当は生物とか他の分野にも興味があるので、maruさんのブログも面白く拝見させていただきました。
宇宙ばかりではありませんが、これほど発達した現代でも世の中不思議なことで満ち溢れていますよね。
しかも現代は、全世界がネットでつながっているグローバル社会。
最新の話題に誰もが触れることができるって、素晴らしいと思います。
タイタンの今後の探査も楽しみですね♪
内容の濃さにただただ驚くばかりです。
今日のMSNに土星の極北に六角形のくも?
の記事がありました。
かきたてられますな~
またおじゃまします。
返信が遅れて本当にすみませーん!
就職して忙しくなりましたが、隙をみて更新していきたいと思います。
土星北極の六角形の雲の記事は私も見ましたが詳しく読んでいないのでむしろ教えてほしいですw
以前のようには更新できませんが、これからも宜しくお願いします
2007年3月29日付 毎日新聞より
土星:上空覆う、謎の巨大六角形--無人探査機「カッシーニ」が撮影
【ワシントン和田浩明】米航空宇宙局(NASA)は27日、米欧共同無人探査機「カッシーニ」が撮影した、土星の北極上空を覆う六角形の渦状構造の画像を公開した。80年に米探査機「ボイジャー」が発見したもので地球4個分の大きさだが、26年後の現在も残っている。NASAは地球の極地方で形成される低気圧の一種に似たものと推測しているが、六つの辺が安定的に維持されている理由は分かっていない。
NASAによると、渦は昨年10月30日にカッシーニに搭載された赤外線分光計で約130万キロの距離から撮影された。幅約2万5000キロ。垂直方向は100キロほど大気内に伸び、反時計回りに回転している。