国内では小子化により高齢化社会に入っている。高齢化率とは人口に占める65歳以上の人数の割合で、高齢化率が7%以上は高齢化社会、14%以上は高齢社会、21%以上は超高齢社会と呼ばれている。2021年における日本の高齢化率は29.1%となり、世界でも高齢者が多い国となっています。また、日本は他国に比べて急激に高齢化社会になった経緯があり、年金、介護保険などの諸問題が山積みとなっています。
全国の地方集落では過疎化が進むと共に住人が老人ばかりとなり、社会インフラが機能しなくなる問題が発生しています。南大東島でも高齢化社会問題が発生しているのですが、意外にも高齢化率は全国平均に比べて低いのです。2021年度の人口は1191人であるのに対して65歳以上の人口は326人で、高齢化率は27.3%です。高齢化率が低いのは未成年者の人口が多いためと思われる。
2022年9月における島の人口は1200人であり、19歳以下の人口は232人で、未成年者の割合は19.3%である。2020年度における国内総人口に対する19歳以下の人口比率は16.3%であり、全国平均に比べで南大東島における若年層の比率は3%高いことになる。島に未成年者が多い理由として、保育園、幼稚園が完備していることが推測される。乳児、幼児を擁護してくれる施設があることで、親は安心して子供を育てることができるからであろう。
さて、島でも高齢者が多いのは現実で、2021年度における要支援1から要介護5の介護保険認定者は67名であった。介護保険認定者数は年々増加しているが、高齢者の予備軍である50代、60代の人口が多いため、これからも増加していくと予想される。
こうしたことから、島にも介護施設が設置されている。一段目の写真は、村役場の脇に開設されている高齢者生活福祉センターである。入口に飾りが付けられた山車が置かれているが、前日に豊年祭に介護者を大東神社に参加させた名残である。二段目の写真はセンターの入口であり、この施設は社会福祉団体の福祉協議会が運営していた。
三段目の写真はデイサービスのスケジュールを説明したポスターで、午前9時から午後5時までの間の活動が示されている。この施設で実施しているのはデイサービスと在宅高齢者への配食サービスが主で、人手不足のためショートステイは積極的ではなさそうであった。また、島での医療体制が貧弱で、医師、看護師による介護が難しいことから、要介護3以上の高齢者は介護サービスの整った那覇の介護施設に搬送しているとのことであった。
四段目の写真では、「詐欺に注意!」の標語が貼られていた。オレオレ詐欺がワザワザこの離島までやって来るとは思われないが、警告のために一応は貼ったのではないだろうか。