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冒険に失敗はつきものだ。
ある時、インプの集団を抜けそのまま山を登った。
急斜面でありながら、愛馬は私を乗せたまま事もなげに上っていく。木々をくぐり岩壁を越え、ふと開けたところにそびえ立つ岩の上に立ったとき、ベリアの村の向こうに広がる海を見てなんとも言えない気持ちになった。
そこまではよかったのだ。
野生のクマに遭遇した。
それなりに魔物を斃してきた自負もあり、私は剣を抜いて対峙した。それがいけなかった。
何度切りつけても、倒れない。こちらはポーションをいくつも使っているというのに、クマはひるむどころかますます激高して、鋭い爪を振るい噛みつこうとしてくる。
乗馬する隙もなく、また、馬も守らねばならないので、クマを遠ざけるよう誘導するが、いざ乗馬しようとすると、その巨体からは考えられない素早さで距離を詰めてきて、愛馬を傷つけた。
何度かそれを繰り返して、ようやく逃げることができた。
またある時は、トロルの巣の裏側の斜面を登っていたときのこと。今度は野生のキツネにであった。野生のクマのこともあり距離を取ろうとしたが遅かった。
いきなり飛びかかってきてむき出しの牙が私の喉元を狙う。すんでで躱したが、やはりこのキツネも、何度切りつけてもびくともしない。むしろトロルよりもよっぽど強い。
這々の体で崖を降り、そこで運良く探索拠点を司る温和なトロルに会うことができた。
ある時は、左に曲がる道の外側の岩を飛び越えて、近道しようと馬を跳躍させたところ、向こうに広がる崖をすっかり忘れていて、そのまま川に転落したこともあった。
幸か不幸か、壁面に接触することなく川に直接落ちたので、私も馬も外傷は少なく済んだのだが、川が思った以上に深く、立った状態の馬が完全に水没するくらいだった。
なんとか馬を引き上げようとしても川のよう側は切り立った崖で、馬を引く余裕もない。また、水を吸った馬具が重くなったのか、馬もなかなか上手く動けない。
その時の私は酷く混乱していたのだろう。とにかく乗馬しないとと思って鐙に足をのせるが焦って上手くいかず、そうこうしているうちに馬も私も溺れ始めた。
そこから先はあまり記憶が無い。川底に倒れる愛馬。目の前の激しい泡。赤い空と暗い道。いつの間にか、村の入り口に向かって走っている自分がいた。
家に戻り、ぬれたままの格好でしばらく椅子に座っていたと思う。慚愧の念が胸に広がった。
しばらくして、とにかく次の移動手段を考えなければ、と厩舎にむかった。
出迎えてくれたのは、厩舎の人間の冷たい非難のまなざしと、手当を受けている私の愛馬の姿だった。心ある人間が私の馬を救ってくれてここまで運んでくれたのだろう。
ああ神様。
ふだん、神の存在を意識したことはないが、この時ばかりは神に感謝した。
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はい、黒い砂漠日記、失敗談(実話)です(´・ω・`)
こんな馬鹿なミス(フライハイ)をやらかしてるのはおそらくワタクシだけだと思います。お馬さんが川底で倒れてる姿(CG)はちょっと心にくるものがありまして…自分の馬鹿さ加減に恥じ入るところでございます。
馬碑をもう一つ持っていたので代わりの馬を、と厩舎に行ったのですが、お馬さんがリストに残ってるではありませんか! ホントに目頭がジーンとなりましたョ。神(運営)に感謝です。
野生動物の話は…人間が考えている以上に強靱なのはリアル世界でもそうですが、何もゲームの世界にまで当てはめなくても…モンスターより強いってどういうことなのさ…(´・ω・`)
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