Ricoh GR3 / 鹿児島薩摩川内 / 20191113
ベットから飛び上がるように身をおこし、耳を澄ませる。
隣のテーブルの上にある目覚まし時計の針を一所懸命読み取ろうとする。夜の11時少し前だった。
まだ、眠りと現実の世界との境目がはっきりしない。
確かなことは、”こんこん”とはっきりとドアを大きく叩く音を聞いたことだ。
その証拠に、心臓が爆発しそうに、バクバクする。
寝ぼけた頭で必死に考えるのだが、今の時間に僕の部屋を訪れる人は誰もいない。
恐怖で、ドアを開けて確認する気には到底ならなかった。
座ったまま、様子を伺う、、、。
やはり、何も起こらない。
次の日の昼、皆に聞いてみた。”昨日の晩、11時前に僕の部屋に来た人いる?”
”へぇ〜、何それ、怖いですよ。その時間皆寝てました。”
多分、僕がその時にドアを開けたら、
今ここに存在しないかもしれない、、、というような思いが過ぎったのだ。