ここは " 天主堂の見える丘 "
浦上天守堂の全体を
正面から遠目に一望できる、
知ってる人は知ってるフォトスポットよ. .・
ポケットパークくらいの小さな敷地。
山を背にして、
俗世間の環境に囲まれた
神聖な双塔の天守堂をしばし眺める。
私にとっては初めて来た場所でも、
「 ・・・あれが。」
「 ああ。十代振りだよ、 ...、 ...、」
伴侶にとっては少年以来となる場所。
いつもなら、
他愛ない冗談や
罪のない笑い話が多い人の...言葉少なげ。
伴侶が少年だった日-。
浦上天主堂を訪れ、
人の手で造りだされたお堂の
なんて清浄で厳かなことだろうと...
その神々しさに打たれ感銘を受けたという。
いつかまた来よう
そのときは、
人生を共にする妻を
連れて二人一緒に来ます...!
そう再来を誓ったのだという
あどけなかった少年の純真。
大人になって紆余曲折ありながら
月日が流れても胸の隅に留まりつづけ、
忘れずに息づく遠くなるばかりだった誓いを...
現実に果たす日-。
丘から間近いところに、
そのまま徒歩で天守堂へ進むに
おあつらえ向きの階段があるのです. .・
左の建物はカトリック長崎大司教館。
この通りを道なりに
歩いたわ. .・
ちゃんと道しるべも立っています. .・
大司教館...美しい外構え。
私たちは年の差夫婦
よって華やいだことは慎しみ
仏前で小さな祝言を挙げはしたけれど、
かつての少年が神へ真剣に誓ったことだって...
大事に果たしたい。
それにしたっておかしなものね、
同じ人とひきつづき二度目の
誓いですもの...
まいっか. .。+ °
そもそも仏前で、
来世までの結びつきを
すでに誓いあっている仲。
年の差を難なく越えても、
お互いが出逢うまでに費やした歳月は
なんて長く遠く離れていたことでしょうか。
少年時代のプロローグを
時を越えて
完結させましょう、
次を予感させるエンディングのように...
始まりの始まり風なエピローグで. .。+ °
着いた...浦上天主堂。
この日、
わたしたちは
少年だった伴侶の古き誓いを果たした。
聖イエス聖マリアが御見守りの
目の前、いいえ、目の中よ、
ひっそり二人っきり。
堅く結いなおす
夫婦の絆は相身互い、
一生二人三脚...最後の最期まで...
共に新たに歩みつづけてまいりましょうとも。
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