hyakunenseis◇ry ∞

リリカルに、コミカルに、フツーに、日常いろ色。

rail road journey・誓約

2021-07-26 19:59:00 | rrj
ここは " 天主堂の見える丘 "

浦上天守堂の全体を
正面から遠目に一望できる、
知ってる人は知ってるフォトスポットよ. .・

ポケットパークくらいの小さな敷地。


山を背にして、
俗世間の環境に囲まれた
神聖な双塔の天守堂をしばし眺める。


私にとっては初めて来た場所でも、

「  ・・・あれが。」
「  ああ。十代振りだよ、 ...、 ...、」

伴侶にとっては少年以来となる場所。


いつもなら、
他愛ない冗談や
罪のない笑い話が多い人の...言葉少なげ。


伴侶が少年だった日-。

浦上天主堂を訪れ、
人の手で造りだされたお堂の
なんて清浄で厳かなことだろうと...
その神々しさに打たれ感銘を受けたという。

いつかまた来よう

そのときは、
人生を共にする妻を
連れて二人一緒に来ます...!

そう再来を誓ったのだという

あどけなかった少年の純真。
大人になって紆余曲折ありながら
月日が流れても胸の隅に留まりつづけ、
忘れずに息づく遠くなるばかりだった誓いを...

現実に果たす日-。


丘から間近いところに、
そのまま徒歩で天守堂へ進むに
おあつらえ向きの階段があるのです. .・


左の建物はカトリック長崎大司教館。
この通りを道なりに
歩いたわ. .・


ちゃんと道しるべも立っています. .・


大司教館...美しい外構え。


私たちは年の差夫婦

よって華やいだことは慎しみ
仏前で小さな祝言を挙げはしたけれど、
かつての少年が神へ真剣に誓ったことだって...

大事に果たしたい。

それにしたっておかしなものね、
同じ人とひきつづき二度目の
誓いですもの...

まいっか. .。+ °

そもそも仏前で、
来世までの結びつきを
すでに誓いあっている仲。


年の差を難なく越えても、
お互いが出逢うまでに費やした歳月は
なんて長く遠く離れていたことでしょうか。

少年時代のプロローグを

時を越えて
完結させましょう、
次を予感させるエンディングのように...

始まりの始まり風なエピローグで. .。+ °


着いた...浦上天主堂。

この日、
わたしたちは
少年だった伴侶の古き誓いを果たした。

聖イエス聖マリアが御見守りの
目の前、いいえ、目の中よ、
ひっそり二人っきり。

堅く結いなおす
夫婦の絆は相身互い、
一生二人三脚...最後の最期まで...

共に新たに歩みつづけてまいりましょうとも。

*-*-*-*-*

rail road journey・伴侶

2021-07-24 18:18:00 | rrj


平和公園を後にして、
次に向かいましたのは
この旅の本丸の二...浦上天守堂。

指きりげんまんどころじゃないわ

そこには、
少年時代の伴侶の
想いと誓いが待たされている...

約束の場所

成就するには
どうしても片割れとしての
私が要必要で入り用のワケあり。


その道すがら、
かつては長崎刑務所を
囲む壁だったという低い塀を見た。


ピカドン炸裂にも耐えぬいた土台は...


今や道沿いにつづく苔生した遺壁。


少し立ち止まり
見入っていると視線の先に、
老夫婦と思しき二人連れの方が...

やはり遺壁を前にして立っている。

おばあさまは盲目なのでしょう、
サングラスをかけ白杖を
ついてましたので...

遺壁よりも老夫婦の方をつい見てしまい。


塀の表面を、
その手で確かめたしかめ丁寧に
触れている...そうか手で...観ている...

手の感覚で観ているんだ

おじいさまの方は、
ずっと女性の腰元に手を当て
寄り添いながら支えているのです。

その情景から目が離せなくなった一瞬

かつては私も、
片目の視神経を患ったことで
お医者さんから失明すると告げられた身。

「 俺が乃一の目になる 」

そんな大変な時だった。
東京のお父さん的に慕っていた
人からの捨てる神あれば拾う神あり...

プロポーズ

しかし何が良かったのか症状が止まる

お医者さんたちは一様に首を捻っていた。
どういう生活スタイルで習慣で、
病院の薬以外に使ったものetc...

逆に質問されたものです

その後数年は、
目の奥の痛みに悩まされる
不安な日々を送りもしたけれど...今は昔。

伴侶の目と私の目

あわせて四つの目ん玉で、
漫才の掛けあいをするみたいに
コメディ風で楽しく元気に暮らせてる・°

そんな経緯があればこそ

印象深いシーンとして胸に迫った・・・
ここは平和公園にほど近い、
刑務所遺壁のある道の端。

これじゃあ
レールロードでなく、
アスファルトドーロでしょうとも...

いっか. .。+ °

この日みた
老夫婦の睦まじさが、
記憶に明るく残るから。

わたし達も連れ添いながら一緒に行こう. .・


通りいっぺん、
降る雨に洗われて浄らな空気。
公園の裏あたりを歩いているときだった...

アンジェラスの鐘が鳴りわたる

「  ...鳴ったね。」
「  ...鳴ったな。」

聴けた

それは旅を始める前夜に二人で、
祈りの音色を聴けたらねと
話していたものです。


浦上天守堂の鐘

それを聴けたところが、
なんら映えないありきたりな
裏通りのこの場この道なのでした。

忘れた頃のアンジェラス. .。+ °

そうタイミングよく
鳴る時間に居合わせられる
ものでもないさと思っていただけに、

時の必然うれしい偶然. .。+ °

これは、
きっとギフト。
おぼろな期待が叶い一等輝いた...この道. .。+ °


*-*-*-*-*

rrj・ながさき平和の日 / LL p.p.s

2021-07-22 17:54:00 | rrj
〜 LL p.p.s 〜

8月9日は誰にとっても
重要な日なのは勿論のこと、
参加したことで自分の人生史上でも...
大変なものに触れた凄い一日となりました。

世界規模で行われる平和の祈り

この場に在り、
わたし自身の感覚としては
出る言葉もなく無言になって...
ただただまっさら真っ白になっただけ。

あまりに巨きなテーマ

周囲から受け取った事象を
魂へダウンロードしきるのは、
はたしていつになりましょうか。

次があるなら、
普通の日の平和公園を訪ねて
ゆっくり散策したくもあります. .・

*-*-*-*-*

rail road journey・ながさき平和の日

2021-07-22 17:52:00 | rrj
平和公園...手前の十字路にて。

トラブルを未然に防ぐために
車の交通と群衆の混雑をテキパキ
手際よく捌く警備員と警察官の方々が、

とてもカッコよかったのです. .。+ °
式次第は
終わってしまったようで、
降りてくる人たちとすれ違う雑踏のなか。

それでも、
これから祈念や献花に
行く人たちの波に乗り私たちも合流する。
階段の横にある
白屋根で覆われたほうは
エスカレーター、こちらから入場。
紅一点、
昇る途中で目にした
赤い木ノ花が印象に残る。
うねる人波まにま、
乗るか乗りこえるようにして
歩きつきました噴水広場前...平和の泉。

鳩と鶴

両の翼が
羽ばたきの象徴だそうなの、
噴きあがる飛沫はすなわち水の翼。

そしてなにより

絶命の際まで
水を渇望した原爆犠牲者たちの
霊を悼み冥福を祈って捧げられています。
世界中から平和を祈念する人々が
ぞくぞくと集う多国籍な列へ、
私たちも参じる。
全国から贈られた千羽鶴も。
平和祈念像へ
つづくアプローチの途中には、
モノクロ写真のパネル板が立っていた。

順路を辿れば必然として見ることに

被曝者の姿や、
上空から撮影したのでしょう
核を投下直後の様子と...数枚が載せられて。

記録にとスマホを向けて撮りはすれ、
撮りきれなかった、
やめた。

無意識に震える指が写ったきりの
手ぶれ写真1枚のみを収めて、
戒めとしよう。
この日この時この場所には・・・
人種も宗教も立場も越えて、
さまざまな人たちがいた。
遺族
一般参列者
国内外のTVクルー

クリスチャンは十字を切り、
僧侶や仏教徒は合掌し
無宗派は黙祷を。

それぞれに
祈りの型は違っても、
献げる弔いと平和への願いは通いあう。
祈念像につづく
式典広場を進んでゆく。
一歩、一歩、また一歩と...

長い深呼吸ひとつ分のペースは

まさに今、
誰かが祈っている想いの尺分...
じっくり列は動いていきその面前に臨む。
平和祈念像

冥福を祈る表情に
平らを保つ左腕は長久の平和、
空へ伸びた右手は原爆の脅威を示す。

そして全身で表される神の愛と仏の慈悲

広島と長崎、
その次などないのだと。
三度と同じ過ちがあってはならない...

ダイナミックな祈りの姿。
順番が
巡ってきて前に出たとき、
僧侶さんに倣い手を合わせたわ。

合掌

それが私たちにもできた精一杯。
仰いで祈念像をみつめた数秒...
観たものの巨きさに、

心は何かを受け取った。
けれど、
言い表わすには
まだ時が満ちたりなくて。
それでも、
この旅の途にあり
体感したことひとつ。
これが・・・

たったの76年前に起きた事実で、
現在も廃絶どころか保有
されつづける...

核の力

地球にはいらない。
宇宙に浮かぶ核融合、
太陽まるっと1コで...いいよ。
帰りぎわ、
雲の晴れ間から
夏らしい水色空が少しだけ...覗けた. .・

*-*-*-*-*

rail road journey・かもめ広場と電停

2021-07-19 16:55:00 | rrj
旧・長崎駅の駅舎は明るかった。


終着駅に
ただようさびしい
ムードがなく開けていて. .・


改札を通ってかもめ広場まで来ると、


すでに
始まっている式典を
大型ビジョンで見守る多くの...


人また人。

ばらけた
視線は束ねられて
ひとつの大きな目となるようよ、

鳥肌がたつ。


祈りは
場所を越えて、
注ぐまなざしにも込もるのね...急ごう。


式典中に間に合えるだろうか。


あわただしく
歩道橋を走った先に
待っているのは...長崎電軌。


この長崎の旅で、
滞在中の三日間もっとも
お世話になる路面電車とご対面。

それは子供時代からの憧れ. .。+ °

異国情緒かほる日本の街で、
路面電車に乗るという
ささやかな希み。

思い浮かべたのは長崎か函館の二択

親から
繰り返し聞かされた、
故郷の昔語りによく登場した路面電車。

生涯に一度きりでもいい

訪ねておきたい日本と
いつしかイメージはつながり、
遠く引きのばしていた幼い頃の希みを...

西の地で果たした瞬間だった. .。+ °


駅前電停から
この路面電車に乗って、
平和祈念公園へと出発よ. .・

*-*-*-*-*