hyakunenseis◇ry ∞

リリカルに、コミカルに、フツーに、日常いろ色。

rrj・爆心地エリアへ

2021-08-09 11:02:00 | rrj
殉難者ならび戦亡者の御霊に、
心より安らかに眠られますようお祈り致します。

乃一

*-*-*-*-*

にわか雨は止み、
まだ陽も高く空に昇る。
この日...2017年8月9日...長崎原爆忌。

爆心地エリアへ赴くことに

その道すがら、
旋律の刻まれた
コンクリート塀を見たの。


戦後すぐに流行った歌謡曲の楽譜。


時代は
高度経済成長期に入る少し前、
終戦して間もない数年後に流れた歌...
当時世の人々はさぞ慰められたにちがいなく。


長崎だけではなく、
全ての戦災者にエールを込めて
作詞作曲されたという往年の名曲。


その塀も
去る2020年に撤去され、
復元の予定はないのだとか。


この場所から名曲が刻まれた塀が消えても、
作者が詞に込めた思いは次世代へも
どうか聴き継がれ...

億千万の心へ響けますことを。

ちなみに私としましては、
由紀さおりさんverのソフトな
歌声がしっくり胸に沁みたのでした。


ゆるい下り坂を
ずっと歩いていくと、
旧浦上天主堂の遺壁その背が見えてくる。


物言わず物語る・・・


屈強な証言者。


訪れている層の多くは学生や家族たち、
語り継がれるバトンは順々と
渡ってゆくことでしょう。


旧浦上天守堂・遺壁


正面から見据えると、
未曾有の戦禍を耐えぬいた旧聖堂に
骨太な意志が宿るのを感じとれた気がした。


天辺にはフランシスコザビエルとその使徒の像。
(※正面と背面)


数少ない遺構がありつづけることに、


必然と奇跡を思わせられる。


原爆落下中心地碑

かつてない阿鼻が
ここより広がった中心地も、
弔いの花束に囲まれた今だけは...

天界の園。


多くの
祈りによって
禊がれたように...浄らか。


" 放射能によって草も生えないだろう "

そうとまで
言わしめた爆心地に、
8月の豊かな緑あふれる。

時と自然が巡り
ふたたび生い茂って、
やがては癒されゆくことの...

はかりしれない力は天然現象なのね。


思うところの多い、
この一日を一生に刻んで
忘れない大事な2017年8月9日...
慰霊碑を前に祈りを捧げ爆心地を後にした。


その帰りがけ、
平和公園前をもう一度ばかり通ったら
到着時とは打って変わって静かなのでした。

いつもの風景に戻ったのね

出動していた
警察官や警備員の方々の姿はなく、
当然ホイッスルを吹く音ももうしない。

かっこよかったな. .・

それでもまだ
参列者は引きも切らず、
階段を上ってゆく人の...ちらりはら。

この経験が血肉にめぐるまで

まだ、
まだまだまだ、
年の輪を増し時を重ねること...

歳月を要していくのやもしれません。


それでは
お宿に入るとしましょう、
そろそろチェックインの時刻です. .・

*-*-*-*-*

rrj・お食事篇/パーラーいわなが

2021-08-07 22:02:00 | rrj
さて. .・

旅の楽しみに
かかせないものには、
ご当地の食がありますね。

フルーツパーラーいわなが

天守堂を出てすぐ前にあるお店よ。
観光パンフレットに必ずといって
いいほど紹介されてる名店へ...

入ってみました. .・


*-*-*-*-*

小止みだった空から、
再び激しいにわか雨が降ってきて...
まっすぐお宿へ帰るつもりの足を引きとめる。

遣らずの雨

帰らせないために降るという、
時にイジワル時には優しい
いたずらな運命の雨か...

目の前にはパーラー


一休みも兼ねまして、
雨を遣りすごしながら
少しゆっくり寛ぐとしましょう。


軒先には長崎みかんセール中. .・


店内はこぢんまりとコンパクトな、


フルーツ専門店. .・


ブリキ缶や
サンプルのストックもかわいらしく、
カフェ席数は二人用が三卓にカウンターと...

素朴なドールハウスのようよ. .・

オーダーしてから
生フルーツのカットを
されているようで待ち時間は長め。
(※注文カウンターでお代を先払い)


マリーニ・モンティーニさんの絵. .・

ほんわかメルヘンな
ご夫婦ユニットの絵を
眺めつつ待ちますこと大体10分...

わあああ⌒☆°


きました、

待望のフルパ.. . 

あったかいお茶とセットの

夏フルーツ100%てんこ盛り☆☆☆



ピンク色ブブンは名物フルーツ寒天よ. .・


お皿から落ちた
ガラスの影もきれい、
ダイアカットの透かし編み
みた...「「 ぅわきゃあああ!」」...ぃ。

  \\  キャァ  * ‘  o  ‘)(☆  。 ☆) キャァ  //

ゴージャスフルパの登場で、
わたし以上に隣の女の子たちが
ほとんど悲鳴に近い歓声をあげる一幕. .・


隙なくピチピチの
南国ビタミンたっぷり果実に、
頂上を飾る平和の象徴ハトサブレ. .・

完食できるかな?

食べきれるか
不安になったのは
杞憂なのでした...なんのなんの、

ほっぺた落ちる.. .♪・

歓声をキッカケに
見ず知らずの者同士で
会話に花が咲いたのも楽しく、

なによりお店の方が気さくでした. .・

これも
旅の醍醐味なのでしょう、
一度で二倍も...おいしうございました. .・


*-*-*-*-*


rrj・浦上天守堂3

2021-08-05 10:09:00 | rrj
祈念式典への当日参加に
浦上天守堂での誓いの成就と報告、
長崎旅を決めた本丸の二つを果たし...

そろそろと帰り時間・°

被曝遺構群から歴史にも触れ、
かねてよりの人生タスクを
クリアした...

そんな心持ちでいたのだけれど 。。。


まだ見ぬ遺構がもう一つ、
旧鐘楼ことアンジェラスの鐘。
当初の予定にはなかった...けれど...

寄っていこう

せっかく来たんだもの。
今ここにいる機会は、
とても貴重。


ためらいにも勝るは知る勇気。
心して落ちついて...準備、
整いました。


鼓動が静まる。
時の流れも急に
遅くなったような...緊張、する。


・・・カケラ。

言ってしまえば、
これは一つの巨大なカケラだ。
かつて東洋一と讃えられた旧鐘楼の、

・・・カケラ。


これほどの
重量物を瞬時に吹き飛ばし、
カケラと化した事実まざまざ...核の業風。


のめりこんで、
すっかり土に刺しこまれてる。
自然と一体になって固まったのが...

せめてもの救いでしょうか

清らかな
アンジェラスの音色を
市中に響かせていた片方の鐘楼に...

余儀なく与えられた後世への役割り。


つと、
双塔の方向を見遣る。
あの位置からここまでか...
その昔は川だったという一帯。


なるべくなら、
惨たらしい印象を受けるものは
目に触れさせず避けて通りたかった。

... "たかった"の。

でも、
それは先入観だったわ違ってた。
浦上天主堂旧鐘楼...遺された戦争の跡形には、

緑が芽吹いて。


壊れたものは二度と元通りに直らなくても、


苔むすほどの年月が経つにつれ・・・


傷は必ず癒えるのだと。


花のレリーフが、
再生する力と希望の印に
見えてくる...損傷のあってこそ、尚。


長崎は、
曇っていても
空の下が明るく光るよう...

空気も しらしら 澄みわたり

不思議です...不思議な祈りの国...長崎。


*-*-*-*-*

rrj・浦上天守堂2

2021-08-02 19:13:00 | rrj
雨が小止みのうちに遺構の佇む庭へ。
粛々と入りかけました、
その矢先...
Σガササ バサ ガコッツ!

真後ろから
ブッキラボーなブチツケ音が...
場所からして意想外の騒々しさ。

・・・なんなの?

反射的に振り返ると
けたたましい音の出どころは
驚き桃の木いえなんか南国風の木に...

猫ちゃん. .・
猫の仔なのさ仔猫ひょこん。
うしろ足の爪でハッシと
添え木をつかみ、

一所懸命...かわいい.. . 

突然。
突拍子もなく突飛にあらわれ
聖域のジャングルな庭を跳ね回るよ、

走る跳ねる走る・・・活発⌒☆°
だったらこちらも突如として、
手持ちのお鈴を鳴らしましょ。
リィーィン .・∴
リィンリィーン .・∴・
リィーィンリィーィン .・∴・°
どうかな?
そこはかとない残り香みたく
音色の尾をひくお気に入りの鈴よ、
君がために鳴らしたよ♪
こっち見た. ☆°
そうして、
気を惹こうとするわたしを
しばし不思議そうにみつめつづけた後...
そっぽ向く・★ .
興をそそられるものが他にあるようです. .・
毛色が見事に周りの樹木や添え木と同化してる...
君ここのテリトリーにピッタリだね・°
何か狙いすまし、
またたく間どこか跳ねていっちゃった。
ありがと猫ちゃん. .・
空前絶後の歴史は直視するにもヘヴィで、
ともすれば気持ちだって沈みそう...
君の出現でなごめたわ. .・
では気を持ち直したところで今度こそ、
お庭へ入りましょう。
平和への祈りが折りこまれている、
束ねられた虹色の千羽鶴が供えられてあり。
色とりどりの房に込められた一つの祈りは、
全人類の悲願ともいえましょうか...。
そして三聖人像。
原爆の熱線で焼けこげたという説明は、
よく見かけて読み知っていたつもり。
けれどこうして向きあい...
(※聖セシリア像)  対峙しますと...
(※イエスの聖心像)  百聞を越える。
(※不明)
すでに風化するものでもない、
その姿でこそ証しつづけてゆく...生きし像。

言わずして言う

それは口のない物に宿された、
無言で語る力...なのかもしれない。
崩れきらずに残ったレンガも凄いな・・・
聖人像の周りには狛犬と似た獅子像. .・
佇む天使像の背後に、
平和公園で見たのと同じ
赤い花が咲いていた...目に沁みる。
いつからか、
芽吹き花咲き枯れて芽吹き...
もういくつ季節を経巡ったのでしょう。
のちのち気付くのだけれど、
この日は市内の至るところに
千羽鶴がちらほら吊りさげられてあったの。

それは目立たないような街角の隅にも、
大小の規模を問わずにささやかに。

一羽一羽を一人一人さまざまな方が
心を込めて折りこんだからかしら、
合掌のように重ねあわせた...

両手に見える。


rrj・浦上天守堂1

2021-07-29 10:29:00 | rrj
堂内は写真撮影が
許可されていませんので、
文章のみで印象と記憶を綴ってます。

*-*-*-*-*


浦上天守堂

正式名はカトリック浦上教会。
このお堂の外構えの最たる特徴が、
聖鐘の吊るされている左右に並んだ双塔...

アンジェラスの音はここから響いた. .。+ °


東洋一と称えられた当時の天守堂が、


原爆により瓦解して...1945.10月の景。


改修工事を重ね、
今の赤レンガ造りへ
完全に再建されたのが1980年のことだそう。


参堂する前に、
意識して深呼吸したのは
坂道を登ってきたから...だけじゃない。


いざ、
天主堂を前にすると
無骨でいて逞しい構えに...

完全のみこまれた感。

雰囲気と
いうには軽すぎる、
気宇壮大さに自分のほうの気を...

しっかり引き締める一拍が必要だった。

(※かなしみのマリア像)

堂内に照明の類いは灯されていず、
小暗いなかにも充ちる光りは
ステンドグラスを透かす...

自然光だけ。

あらたかに
ひろがり亙る光りは青い、
色ガラス色よ...潜ったように水の中...深海の、

アース・ブルウだわ。

世と一線を画した俗の穢れなき
純然たる祈念空間は...
静謐。

(※使徒聖ヨハネ像)

こころ

穏やかになるのだと。
誰もが言い触れるこの場に及び、
どこかしら茫然としていたように思う...

われを忘れ祈りをすら忘れ

身につけた
衣服もないくらい、
裸に感じる...無想ごこち...そうだ、

誓いを。

黙して言わぬ
胸に浮かべた言葉よ、
どうか天に通じませ届きませ。


お堂を出て
聖域内を散策しますに、
さまざまな姿のマリア像が安置されており。


祈りや想いによって、
顕される御姿の違うこと...
聖女と一口に言えても一括りならず。

母なるマリア様

お優しいだけでは
とどまらないその胸の裡...
慈しみの裏にかなしみを懐かれて。


ここには、
原爆の脅威を無言で
伝えつづける被曝遺構が他にもある。


・・・受けとっていきましょう。



さきほどから
雨は降ったり止んだりと、
ふりやみ ふりやみ ふあふあ情緒...

泣き笑いの空なのだわ。

*-*-*-*-*