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あたし
(( … … … ))
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?> 「 ♪ ~ ぃ ~ っ ~・・・♪ 」
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あたし
(( もっと、よく、))
聴きたくて聞きとりたくて、
全神経を 鼓膜に キュッ!
一 点 全 集 中 。
♪ ~ ♪ ~・・・
すれば させたら たられば、
ふつっ…..途切れた。
歌聲、
(( 消えた ))
かと思えば、
ふたたびすぐに
歌を口遊みはじめる。
・・・♪ ~ ♪ ~ ♪ ~
(( ... .. ハミングしてる ))
アカペラからハミングに切り替えたようで
ございまして...じっ...と
?> 「 ♫ ~ ♪ ~ ♫ 」
・
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(( … … … … … ))
・
・
?> 「 ♪ ~ ♫ ~ ♪ 」
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(( かわゆい声… ))
いくつくらい?
年齢...わかんないな、
稚い女の子の無垢さも漂うし。
声変わり
する前の男の子の、
エンジェルヴォイスのようでも。
それでいて、
妙齢女性の淑やかで
品のよい調べのようでもあれり。
あたし (( あぢさゐ 、みたいな聲なのね。))
? > 「 ♪ ~ ~ ♪ ~ ♪ … 」
聞きとる気持ちは、さて捨てた。
聴きいる心持ちで
神経ゆるめる。
…すると、
それからも
うす墨ひとすじ、
筆でスーッと刷くように。
旋律だけを
ハミングする
か細ぃ小さぃ聲の音が、
そぉっとそぉっと...流れては途切れ、
20分あまり経った頃ピタリと止み、
室内は打ち水をした後のような
涼しさに包まれていた。
「 …..。」
外から
内なる部屋の鏡台の奥で歌っていたわ。
(( ...布でも掛けとこ。))
泣く赤子は黙らぬとて
草木は眠りる深夜の丑三つ時に、
アカペラとハミングで童べ歌を奏でだす...
人 、人? 人 。
まちがいない、
ちがう。
ちゃうっちゃ、
人間ちゃうっちゃ。
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