ご 挨 拶
9月13日に開かれました、いのち・未来 うべの第4回定期総会で、代表の木下愛さんから転職に伴う激務により代表辞任の申し出があり、当面の措置として副代表の私が代表代行となり、その後10月16日の運営委員会で正式に代表として決定されました。
お知らせするとともに、あらためてご挨拶をさせていただきます。
第4回総会では、原発をめぐって、脱原発の世論に反して安倍政権によって原発回帰が強行されようとしていることを厳しく認識し、これに対して、会としては、
第1に、上関原発建設計画の白紙撤回と原発再稼動に反対する取り組み
第2に、放射能汚染から防御する取り組み
第3に、金曜ウォークや市民学習会、『通信』発行などをさらに充実させ仲間を増やすこと
などを決定しました。
私たちの会は、2012年3月18日に宇部市渡辺翁記念館で開催された小出裕章さんの講演会をきっかけに結成されました。
小出さんは、1550人の満員の参加者に、①原発は「湯沸かし装置」に過ぎなくて電気を危険な原発に依存すべきではない ②放射能汚染地域は「放射線管理区域」に匹敵する危険なエリアである ③福島第一原発の事故の責任が問われないことの異常さ、しかし騙された側にも責任があること などをわかりやすく語りました。
私は、講演会の終わりに実行委員会を代表して、「小出さんのお話をいい話だったねで終わらせずに、行動を起こしましょう」と訴えました。そこで生まれたのが、いのち・未来 うべです。それぞれが各人の個性を大切にし、原発のない社会を地域からつくる、ゆるやかな市民の運動としてスタートしました。
鹿児島県の川内原発に続いて、愛媛県の伊方原発が再稼働されようとしています。このような中で、今年のノーベル文学賞に『チェルノブイリの祈り』の著者スベトラーナ・アレクシェービッチさんが選ばれました。
この本は、被災者や事故の収束にあたった関係者のインタビューを通して原発を告発しています。私には日本の福島事故隠蔽・原発回帰への世界からの抗議の声に聞こえます。詳細は別の機会に譲りますが、「世界が終末に向かう時でも悪のメカニズムは働いている」(p130)というカメラマンの言葉が、読んだ直後から忘れられません。子どもたちの甲状腺ガン多発などの健康被害が始まっているのに安倍政権による原発回帰と再稼働が進む日本の現状を見てきたからです。
でも、私たちは諦めるわけにはいきません。子どもや孫たちの未来が奪われます。川内原発と伊方原発の避難計画は形だけのものになり、高齢者や障がい者は含まれていません。原発は暮らしを台無しにし、人々が幸福に生きる権利を踏みにじります。
「3・11」を忘れない。伊方、川内の現地、佐賀県の玄海原発、隣県の島根原発の地元など、全国の原発立地地域では再稼働による福島原発事故を繰り返さないための奮闘がつづいています。上関町では祝島のみなさんを先頭に原発に依存しない地域づくりがはじまっています。
また、福島県や栃木県では、子どもたちを保養に送り出すグループが全国に協力を呼びかけています。避難者の全国の会が結成され東電や政府の責任をあいまいにしない動きが強まっています。
県内では、私たちの会が運動の全県への広がりを目指して当初から全力を上げて取り組んできた「上関原発を建てさせない山口県連絡会」が、来年3月26日に3回目の全県民集会を呼びかけています。
その前、1月24日には、山口市では安保法案に反対するママさんたちの会が小出裕章さんの講演会を準備し、「原発も戦争もない社会を子どもたちに!小出さんと一緒に考えよう」と呼びかけています。
山口県・中国電力による原発推進を止める、上関公有水面埋立禁止住民訴訟も「黒塗り文書」開示をめぐって大切な局面を迎えています。
希望をともにつくりだせる動きがはじまっています。この流れを結成以来の蓄積をいかして、宇部の地域から加速させましょう。
私は、全ての会員のみなさん、運営委員のみなさん、そして、副代表の尼崎安秀さん・事務局長の浜野勝さんとともに、力をあわせ、総会で決められた方針の具体化に全力を上げます。
原発ゼロをめざす全てのみなさん!いのち・未来 うべの取り組みへのご協力を心からお願いします。
2015年10月 いのち・未来 うべ 代表 安藤 公門