先週金曜日、私が山荘に到着するや否や
夫が待ってましたとばかりに話し始めた。
「今朝は大変なことがあったんじゃ!」
聞くと、朝まだ薄暗いうちに近くで猫の激しい鳴き声がしたので
ロフトから階下に急いで下りてきて
テラス側の窓から外を覗いてみたそうだ。
すると、窓の下にメッチャ大きな白い猫が居て
すぐ横の段ボールの中に居たノラにゃんこに
噛みつかんばかりに激しく威嚇していたらしい。
「ノラがやられている!」そう思った夫は
急いで窓を開けると「こらぁ~‼」と怒鳴ったそうだ。
その声に驚いた大きな白い猫は慌てて逃げて行ったのだが
何とノラまでもが一目散に逃げて行ったらしい。
せっかく助けようとしたのに、何のこっちゃない!(笑)
「あの猫はこのあたりの野良猫のボスに違いない❗
だって、めちゃくちゃ大きかったんじゃから❗」と夫。
「あんな大きな猫には、ノラなんか簡単にやられてしまうわ~」
「せっかくボクが用意した段ボールに入ってたのに…」と
ノラのことが心配でたまらない様子。
結局、その後ノラは姿を見せなかった。
夕方暗くなるまで何度も窓の外を覗いては
「やっぱり来んなあ~」とノラを気にしていたオジサン。
「逃げて行ったあと、遠くの方で猫の激しく争う声が聞こえたので
もしかしたらノラと白猫がケンカしていたのかも…」
「ノラは大丈夫だろうか…」
「あんなでっかい猫には敵わないよな~」
「かわいそうに…もう来んかも知れんなあ~」
その日は一日中ノラのことが気になって
私たちは改めてノラの生きているのら猫世界の
厳しい現実に思いを馳せた。
4か月以上経っても人に対して警戒心を解かないのは
こんな厳しい環境で生きているからかも知れない。
のら猫はいつも危険と隣り合わせなのだ。
でも悲しいかな、私たちにはどうすることもできない。
それがのら猫の宿命なのだから…。
「せっかく見つけた食事付きの安全な居場所だったのに
あんなボス猫がやって来るようになったら
もうノラは安心してここには来れんのじゃないかなぁ~」
「でも、お腹が空いたらまた来るかもよ!」などと
期待を込めてひたすらノラを待っていたが…
とうとうその日は来なかった。そして翌日も…。
今までも他のネコがテラスに来たことはあったが
その時はノラが凄い剣幕で追い払っていた。
でも今回は事情が違う。
ノラよりも強そうなメッチャでっかいボス猫なのだ。
いくら最近栄養が足りて太って来たとは言え
あのボス猫にノラは到底敵いっこない。
今頃ノラはどうしているのだろう。
寒空の下できっとお腹を空かせているに違いない。
もうこのまま、姿を見せることは無いのだろうか…?
朝夕ご飯をあげていたオジサンの落胆ぶりは
見ていて気の毒なほどだ。(笑)
いや、笑い事じゃない。
これはノラだけじゃなくオジサンにとっても一大事なのだ。
だって、毎日やって来るノラに会うのが
いつしかオジサンの楽しみになっていたのだ。
たかがノラ猫、されどノラ猫…恐るべし(笑)
ノラちゃ~ん、早く帰っておいで~。
オジサンが寂しがってるよ~。