先日のアメリカからのお客さまおもてなしの第2弾。
2日目に向かったのは備前市にある旧閑谷学校。
この学校ができたのは今から300年以上も前のこと。
1670年、当時の備前岡山藩主池田光政が
人づくり、国づくりのためには孔子の教えの儒学に学ぶことが大切だと考え
岡山城下にある武士の子弟を教える藩校とは別に
庶民の子どもたちを育てる場として築かれた
現存する世界最古の庶民のための公立学校なんだそうな。
現在の外観は光政の遺志を継いだ次の藩主池田綱政と
家臣の津田永忠によって約30年かけて1701年に完成したものだ。
備前焼の瓦を葺いた講堂は国宝に指定されていて
今でもこの講堂からは日々論語の朗誦の声が響いているそうだ。
この閑谷学校で有名なのが、2本の立派な楷の木(カイノキ)だ。
中国山東省の孔林から種子を持ち帰り苗を育てたと言われ
秋の紅葉の素晴らしさとともに、「学問の木」としても知られている。
奥に見える石段の上には孔子像を祀った聖廟と
閑谷学校の創始者、池田光政を祀った閑谷神社がある。
この日は楷の木が今まさに紅葉真っ盛りで
特に左側の木の真っ赤に色づいた紅葉は見事だった。
学校をぐるりと取り囲む独特の丸い形状の石塀。
その前に佇む首の長いタンチョウヅル?
牛か水牛と思われる動物たちの行列。
後ろの方にはサイや馬と思しき動物もいたような…。
建物と建物の間の芝生の上に円形に並べられた
何だか得体の知れない造形物等々…。
秋の観光シーズンに合わせて現代アート展が開催されていた。
学校の周りの木々も色鮮やかに紅葉していて
色とりどりの葉色のグラデーションが
息を飲むほどの美しさだった。
アメリカ人の奥さんはこうした日本の自然や文化に興味を持ち
美しい紅葉だけでなく、奥にある資料館まで
じっくりと時間をかけて見て回った。
お陰で私も、地元に居ながら知らなかった閑谷学校の歴史を
今回初めて知ることができて良かった。
その後、赤穂市に移動し、昼食に讃岐うどんのチェーン店
丸〇製麺でうどんを食べたのだが
何と驚いたことにサンフランシスコにもこのお店はあって
家族でよく食べに行くそうだ。
ただし、だし汁はこちらの方が美味しいと言っていた。(笑)
その日は、京都在住の友だちが予約してくれた
海辺のホテルに早めにチェックインし
ゆっくりと温泉に浸かり、豪華な夕食を頂いた。
このホテルは全室シーサイドビューなので
窓からは穏やかで美しい瀬戸内海の風景を眺めることができ
翌日の朝日が昇る様子もカメラに納めることができた。
普段、一人旅にはよく行く私だが
夫婦で泊りがけの旅行に出かけることは殆どない。
こうしてお客さんでも来ない限り
出不精の夫とともにわざわざホテルに泊まってまで
地元の瀬戸内の景色を見ることは無かっただろう。(笑)
親友たちのお陰で久し振りの夫婦一緒でのプチ旅行ができて良かった。
旧閑谷学校で買い求めた「あいうえお論語」の中の
まさに「子曰く、朋遠方より来る有り、亦楽しからずや」だ。