先週のこと、仕事の関係で岩手県盛岡市に行くことがあり
その帰路、一ノ関で途中下車し気仙沼に立ち寄ってみた。
被災地を訪れるのは震災の年の秋以来…今回で2度目。
前回は遠野から釜石へ、そして石巻方面にも足を運んだ。
気仙沼駅前でバスを降り、港に向かって歩いて行ったが
海に近づくにつれ、市街地の至る所に震災の爪痕が…。
2年8か月経った今もなお、無残な姿のまま残っていた。
途中、仮設の復興商店街 “南町紫市場”に立ち寄るが
土曜日のお昼時にも関わらず、閑散と静まり返っていた。
更に港近くになると、一面の平地に広がる枯れた雑草と
ポツネンと取り残された家の基礎…悲しい景色に出合う。
その一角に誰が設えたものか、こんなモニュメントが…。
おそらく、未曽有の大震災の記憶を留めようとしてだろう。
むろん多くの犠牲者の鎮魂の目的もあってのことだろう。
あの日、あの時間で止まってしまった時計が痛々しい。
“2011.3.11 GROUND ZERO 風の広場” …
震災の日から今まで、幾度となく祈りを捧げたことだろう。
竹で作ったキャンドルが片隅に整然と並べられてあった。
ここにしばらく立ちつくし、このモニュメントを眺めていると
時とともに人々の記憶から忘れ去られつつあるあの日の
悲惨な出来事を、決して風化させてはいけない…と、強く
静かに語りかける誰かの声が聞こえてくるような気がした。