noriba-ba's garden

東北見てある記その4

遠野を後にして向かった先は釜石。

釜石線の車窓から見える景色はどこまでものどかで

山々はすでに赤や黄に彩り豊かに色づき始めていた。

青く澄みきった空にぽっかりと浮かんだ雲…
絵のように美しい風景の中を列車は進んで行く。

そして、着いたところは先の大震災の被災地、釜石駅。

駅に降り立って、まず目に付くのが新日鉄釜石の工場。
その敷地内にうず高く積み上げられたがれきの山。

釜石の町の中を歩いていくと、至る所に津波の爪痕が
半年以上たった今もなお痛々しい惨状を残していた。

ここは海岸からかなり離れた地域なのに、この有り様。

家並みの所々に歯が抜けたように空き地が点在する。

かろうじて建物は残ったものの、一階部分は津波に
襲われたらしく、見る影もない姿となっていた。

中には残っているのは基礎だけという建物もあった。

町を歩いていてたまたま見つけた可愛らしい建物…。

近づいてみると、そこには釜石保育園という文字が…。

建物の中は壁も天井も剥ぎ取られ、見るも無残な有り様だ。

おそらく園児たちが使っていたと思われる和太鼓が
ひとつポツンと棚に置き去りにされていた。
ここで生活していた子どもたちが再びこの地に戻って
来れる日はいつのことだろうか…。
もしかすると、もうその日は二度と訪れないかもしれない。

町を歩いていると、がれきを黙々と片付けている数人の
ボランティアと思われる人たちの姿を見かけた。
その中には若い女の子もいて、頭の下がる思いがした。

住む人のいなくなった町は閑散と、荒れ果ててしまって
まるでゴーストタウンのようだった。 

しかし、そんな中でも少しずつ復興に向けた歩みが…。

再びこの町をかつてのように再生しようと頑張っている
人々の姿を、そこここに見ることができた。

大震災以来、テレビで見るだけだった被災地の様子を
ほんの一部だが、実際にこの足で歩き、この目で見て
その惨状の凄まじさを肌で感じ、言葉を失ってしまう。

一方で、あきらめず立ち上がろうとする人々の姿に触れ
人間のたくましさや素晴らしさを強く感じることができた。
改めて被災地の皆さんに、心からエールを送りたいと思う。


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