無口な父は青年時代から俳句を好んだ。晩年句集を2冊出した。「岬」と「瑞穂ヶ丘」。謹厳実直の句風。俳名斗汐。その句集をぼくは、いまもときどき盗み読みして真似ている。ぼくのはそれとは違うおっちょこちょいの句。「分からん句やなぁ」と人によく笑われる。亡父を超えられない。俳句は、開眼するどころか右眼右脳、帯状疱疹後神経痛で故障中。ふらつき俳句。
父の句集から2句を紹介させていただく。
那智三山雲湧き軒へ燕来る 斗汐
鷹渡る明けの伊良湖の寂世界 同
父は、芭蕉の「鷹一つ見付てうれしいらご崎」の伊良湖岬の村の産。里帰りするとよく、サトウキビや落花生、干し芋、牡蠣を土産に貰って帰った。牛小屋の匂いと潮の波音が聞こえる村だった。子どもの頃父といっしょに遊んだ記憶はない。朝早く出勤し、ぼくが寝入った頃に帰る毎日だった。日曜日には天秤棒を担いで畑仕事にでていた。手紙はたいがい2行か3行。用件だけふるえる手で小さな字を書く癖だった。亡き父に学んで俳句に開眼できるよう頑張りたい。
けさは、小学校のゴーヤの育ち具合を見て、千里中央のペインクリニックへ行く。「右目と頭の痛いのは変わりがないです」「ちょっとお薬の量をふやしましょう。ふらつくようだったら飲む量を調節して下さい」。自宅で音楽を聞きながら横になる。
水を遣る子らぐんぐんとゴーヤ伸ぶ 愚句
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ノーやん
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