曇りのち雨。梅雨が明けたかと思ったら3日後は雨。台風の影響かもしれんがうっとおしい。山口誓子・直原玉青共著「俳画入門」を読む。守口市にお住まいだった現代南画の巨匠・玉青画伯の現代南画展はすごかった。ど迫力。「先賢も不易流行句画の秋」の句碑も残されている。山口誓子は昭和37年、守口の直原玉青邸で「夜船にて魂魄通る枯洲原」の句を詠んだ。玉青画伯にその句意を尋ねたことがある。「大坂で没した芭蕉の亡骸を伏見から膳所の義仲寺へ運ぶ淀川の川舟が冬のこの葦の枯れ洲を上って行ったんやなあという感慨を誓子が詠んだんや」という説明だった。
俳画も俳句も同じく省略の芸術と知る。どちらも対象をデフォルメし余白に鑑賞者の想像を呼び起こさせる余韻の芸。そんな芸当簡単ではない。やはり、ゴッホもそうしたように線も色彩も徹底的にデッサンの修行がいるな。しかし、病臥していた子規は庭の植物を見事に形象した。なせばなる、か。上手下手はない。けどわが輩にはちと、無理かなと思いつつ、あしたのパンや酒切れが気になりスーパーへ。
友人から体調のご心配をいただく。腰の疲れとか気力の後退。同年代の体力劣化は必然。どうしようもない。「ま、おだいじに」というしかない。雀の描き方、燕の描き方、蝶や梅や松や竹やいろいろデッサンのレッスンをしよまいか。けど、筆も買わんとできんしな…。
俳画描く熊蝉黒く震えおり 昇龍子