万葉の秋は断トツで「萩」

　晴れ。「万葉集」巻の十「秋雑歌（あきのざふか）」から「花を詠める」３４首を見る。山上憶良は「（秋の）七種の花」といっているからいろいろの花を詠っているのだろうと期待したが、なんと３１首が「萩」の歌。他は朝顔、女郎花と尾花だけ。万葉集はここだけに「秋の花」の歌を集めているわけではないが、「夕されば野邊の秋萩うら若み露に枯れつつ秋待ちがたし　柿本人麻呂」はじめ秋の花は断トツに「萩」。驚いた。ヌスビトハギなら千里でもしょっちゅうズボンにくっつかれているが。「人皆は萩を秋といふよし吾は尾花が末（うれ）を秋とはいはむ」という歌もあるほど「萩」。写真上＝万博公園「万葉の里」の萩、下＝同尾花（ススキ）。

　いまどき「萩」の花といえば関西ではお寺ぐらいやないか。それも有料で。豊中には「萩の寺」というお寺もある。一二度訪ねたことがある。入山料５００円。「萩」といっても草の萩と木の萩がある。種類もマメ科だけで１０種はある。野の「萩」があまり見られなくなったのは残念。昼は納豆ぶっかけ素麺と枝豆と芋と夕べのハンバーグの残り。

　北朝鮮の弾道ミサイル北海道上空通過のニュースに驚いた。２９日の早朝だった。全国臨時警報システム（Ｊアラーム）や緊急情報ネットワーク（エムネット）がラジオ、テレビ、インタネット、携帯電話の文字情報で警報を発信したという。号外を出した新聞社もあった。外国通信社のニュースで、警報のサイレン音と「ミサイル発射」「ミサイル通過」「北朝鮮からミサイルが発射されたもようです」「頑丈な建物や○○に避難してください」というアナウンスを聞いた。「空襲警報」が流れたのか。戦争中を思い出す。そんなの流してどないして身を守れ言うんかいな。咄嗟に疑問と怒りが沸いた。

　怒りの先はもちろん北朝鮮の度重なる傍若無人の蛮行。疑問は、万一、地下壕へでも潜って居れば大丈夫かということ。馬鹿げていないか。北朝鮮に本気で抗議し止めさせる手をつくせ。萩見る平和を奪うな。ノーやん怒る８月の末。
　　　　　　　　　　ヴィオロンの音色汚すな萩万朶　昇龍子